遺され村の美術展について

亜蛮人の上田さんにお誘い頂いて、滋賀県大津市で開催している「遺され村の美術展」に参加させてもらっています。

今回の展示は自分にとって凄く印象的で考えさせられるものとなりました。

「朽ちていく村で」と主催者の上田さんは言っていましたが、感覚としてはむしろ産まれてくる気配を強く感じました。

街中の、喧騒の中で無闇に産出され肥大化していく「美」のエネルギーではなく、削がれていく感覚の中で自然と静かに産まれてくるエネルギー。

そこには人の気配が遠ざかって、どれだけの時間が流れたのだろう…どれだけの変化があったのだろう…その時流が強く存在していて、思わず息を呑んだ。

かつては民族資料館だった建物の、崩れ落ちた屋根の下で群生している蔦や苔や飛散したガラス達は、ただ其処で自然のエネルギーの中に帰還していて、そのエネルギーをこの目で見る事が出来るのならばどんなに綺麗だろう、美しいのだろうかと、ついつい「よく魅せたい」と我が出た途端に、それが全体のノイズになってしまう。

展示する際の一歩一歩に細心の注意を払って、その場所を荒らさない様に空間の中に隙を見つけるのが精一杯で、この静かで賑やかな空間の中に私自身の居場所を求め、その中で膨らむ幻想を思い浮かべて作品の配置を模索しながら、この様な場所に出会えることが出来て、嬉しい反面切なさで胸が締め付けられました。

久しぶりに、忘れかけていた美しさへの渇望がぐっと溢れ出る展覧会となり、お誘い頂いた上田さんとこの場所に深く感謝致します。

会期は残り僅かとなりましたが、是非ご高覧ください。

6月4日(日)まで

※展覧会場は村全体となりますので、ほぼ登山と思って下さい。

それでも体感する価値があります。

http://www.nokosaremura.com/

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かせゆう

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