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「スペクター」が「スペクトレ」になっている件

世界的な人気を誇るイギリスのスパイ映画『007』シリーズの最新作「007 スペクター」が、来月公開されます。

近年はアメリカと共同製作していて、イギリス映画というよりザ・ハリウッドなスケールと派手さなんですが、それでもボンドのホームはイギリスで、主要キャラクターの多くがイギリス人という、生粋のイギリス映画です。

新作の公開日も近く、東京の街でも大きなボンドのポスターを見るようになりました。

なんか、今回もド派手で面白そうだな...『007 spectre』...スペクトレ?あれ???

「スペクトレ」の謎

「スペクター」という響きを聞くと「specter」というスペルを思い浮かべる方が多いんじゃないかと思います。でもこのタイトルは「spectre」...

安心してください。関係者が間違えてしまったわけではありません。

この『007 スペクター』のスペル「spectre」はイギリス英語なのです。

イギリス英語ではアメリカ英語における-erを-reと表記することがあります。

たとえば、centerはイギリス英語だとcentreになります。
イギリスの街の案内図などではcity centreやtheatre(シアター)のような表記が実際に見受けられます。

イギリスでは古くからこの-reのスペルが使われていましたが、アメリカ英語では発音に合わせてスペルが-erに変わったそう。

そういった変化を経て、このようなスペルの違いができたようです。

だから、イギリスをホームとするボンドの敵「スペクター」は"spectre"なんですね。

ほかにもあるよ!スペルの違い

たとえばカラー。アメリカ英語だとcolorだけど、イギリスではcolourです。
My favorite movieのfavoriteもfavourite。アメリカ英語ではoだけのところがouになっています。

あと、アメリカ英語ではzのところがsになることがあります。
これは留学中よく目にしました。

たとえばglobalizationがglobalisationになったり。
organizeもorganiseになったり。
大学の授業では、いろんななんちゃらゼイションを聞きましたが、イギリスで学ぶものは-sationというスペルになっていることが多かったです。

スペルは統一させるのがベター

友達とのメールや個人的な文面なら差し障りないですが、とくにオフィシャルな文章や大学のレポートなどでは、スペルはアメリカ英語かイギリス英語どちらかに統一させるのが一般的です。

イギリスの大学では「なんでアメリカ英語が混じってるんだ」なんてチクリと言う先生も…。

でもこれは、イギリスでは「アメリカ英語はダメ!」ってわけじゃなくて、ごちゃ混ぜは良くないということみたいです。

イギリス英語ならイギリス英語、アメリカ英語ならアメリカ英語で書けばスッキリします。
Wordのソフトならアメリカ英語、イギリス英語それぞれのスペルチェッカーがあるのでとても便利。

留学中はそれを使ってました。

イギリス英語のスペルは発音とはちょっと違ったものだったりするので、慣れないうちは戸惑いますが、そんな違いから言語の歴史が感じられるようでおもしろいです。

spectre、観に行こうっと。



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