立憲民主党が沖縄県連を立ち上げ、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対知る姿勢を明確に打ち出した。しかし、同党の枝野幸男代表が民主党政権時代に鳩山内閣の一員として、辺野古移設容認の閣議決定に加わっていたことが批判されている。

　この件については、一部で不正確な情報が流れている。枝野代表は最近になって辺野古移設反対に転向したのではなく、民主党野田内閣が政権から転落する２０１２年の衆院選では「沖縄県以外の国内」を主張している。

　毎日新聞が２０１２年衆院選前に行ったアンケートでは、以下のような質問に、選択肢の中から「沖縄県以外の国内」を選んでいる。

問9：（普天間）政府は日米関係を重視し、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する方針ですが、県や地元は反対しています。移設先についてあなたの考えに近いものを一つ選んで下さい。
回答：3. 沖縄県以外の国内

　このアンケートには関しては、ほかにも興味深い回答が見られる。

消費税は１０％に引き上げるべき

問4：（消費税）社会保障財源にあてるため、消費税を2014年４月に８％、2015年10月に10％まで引き上げる法律が成立しました。この法律への考え方で近いものを一つ選んで下さい。
回答：1. 法律通りに引き上げるべきだ

　ここでいう２０１５年の消費増税とは、安倍政権が複数回延期したのち２０１９年１０月に高等教育・幼児教育無償化の財源として引き上げを明言している「１０％への引き上げ」である。現在、枝野代表は「消費増税は延期すべき」と主張しているが、不況のどん底であった民主党政権時に「法律通りに引き上げるべき」と主張しておいて、景気回復傾向にある安倍政権に対して、消費不況を理由に延期を求めるのは矛盾している。
※筆者は増税反対です

原発は再稼働すべきだ

問6：（原発再稼働）原子力規制委員会は、原発の再稼働に関する新たな安全基準を策定中です。今後の原発再稼働について、あなたの考えに近い方を選んで下さい。
回答：1. 新基準を満たした原発は再稼働すべきだ

　これはヤバい。立憲民主党は「２０３０年原発ゼロ」「再稼働は非常時以外認めず」と主張している。非常時以外は認めずと言いながら、原発を根本的に否定する国会前集会にも所属議員が参加している。
　この反原発派の支持も得ているようだが、枝野代表の「新基準を満たした原発は再稼働すべきだ」という主張をご存じなのだろうか？

尖閣の国有化賛成、中国に強い態度で臨むべき

問10：（尖閣国有化）政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことを評価しますか、しませんか。
回答：1. 評価する
問11：（対中国）中国に対し、日本政府はどのような態度で臨むべきだと思いますか。
回答：1. 強い態度で臨むべきだ

　意外とこの部分は今でも一貫している。ただし、支持層と所属議員の傾向からして、尖閣の国有化と中国へ強い態度で臨むことに賛成している人がどれだけいるだろうか？

TPP参加賛成、農業関税は全面撤廃すべきだ

問12：（ＴＰＰ参加）輸出入関税を原則ゼロにする環太平洋パートナーシップ協定（ＴＰＰ）への参加に賛成ですか、反対ですか。
回答：1. 賛成
問13：（ＴＰＰ農業）ＴＰＰの農業分野への対応について、あなたの考えに最も近いものを一つ選んで下さい。
回答：1. 関税は全面的に撤廃すべきだ

　安倍政権によるTPP推進に反対とか生ぬるい言い訳をしていますが、参加には賛成で関税は全面撤廃とまで主張しておいて、安倍政権の何に反対しているというのだろうか？
　国会で反対討論を行った議員たちは真っ向反対でしたよね。ただし、TPPに関しては自民党が「反対」していた過去もあるので、どっちもどっちと言ったところかもしれない。

　立憲民主党は限りなく共産党に近い党になっていきそうだが、少なくとも過去の枝野代表は限りなく自民党に近い主張をしている。撤回はしたが、憲法改正に関しても「改憲私案」を発表していた。

　立憲民主党の支持者は、こういった枝野代表の変節についてどう判断するのだろうか？枝野代表は「保守本流」を自称しているが、その政治的信念は貴方たちが「極右」と誹謗するものに近いようですが。

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