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検証!志葉玲「決壊したラオスのダムは日本の資金」資金提供も融資も無し、しかも別のダムだったり

 ジャーナリストの志葉玲がHBOに寄稿し、公開初日から大炎上の記事。
建設中に決壊したラオスのダムは、日本の資金によるものだった――韓国叩きに終始するメディアが報じるべきこと | ハーバービジネスオンライン

 ラオスで起きたダム決壊事故では、韓国SK建設の「基準に満たない低水準の建設」が指摘されたが、日本のメディアがこれを報じないことがネットで話題となっていた。これに対し、志葉玲は「日本の資金によるもの」という難癖も甚だしい記事を書き、無理筋の日本叩きを展開しているのだ。

 この記事に対しては異論が噴出し、志葉玲のアクロバティックな日本叩きは完全に笑いのネタにされている。志葉玲を批判する声のほとんどが「資金を投入しただけで決壊とは関係ない」という趣旨のものだが、この記事ではNPO「メコン・ウォッチ」の木口由香事務局長のコメントと志葉玲の記述が相違しており、重大な事実誤認か意図的なミスリードの可能性がある。

検証:資金提供・融資の事実なし、別のダムだったり

 まず、志葉玲が取材したという木口由香氏のコメントでは「日本の資金」などと一言も書かれていない。

「同事業を実施しているのは、タイと韓国の民間企業、ラオスの国営企業による合弁会社です。この合弁会社に協調融資するタイ銀行団のうち、クルンシィ・アユタヤ銀行は現在、2017年末の時点で株式の76.88%を三菱UFJ銀行が保有し、三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下にあります。融資決定は統合前となりますが、現経営陣には最高経営責任者(CEO)をはじめ多数の日本人が加わっています」

 決定的なのはクルンシィ・アユタヤ銀行が融資を決定したのは統合前であり、三菱UFJフィナンシャル・グループは関係していない。日本人が経営に加わったのも「銀行」でありダム建設ではないし、これも統合後のことである。全く関係していないと言えるレベルだ。

 さらに木口氏は「協調融資するタイ銀行団」と説明している。これはタイの複数の銀行が合弁会社に融資したということであり、日本から融資が渡ったという事実はない。木口氏は「タイの銀行の株を三菱UFJ銀行が保有した」と言っているのであって資金を提供したとは言っていない。

 ここまでの情報をまとめると、

・合弁会社に日本の銀行は融資していない
・融資決定は統合前で日本は関与していない
・融資したタイの銀行の株を、後に日本の銀行が取得した

 日本、全く関係ありませんね。資金提供ではないのでは?という意見は多く出ていましたが、木口氏の説明を読む限り「融資」すらしていない。融資した銀行の株を取得しただけ。

 さらに酷いミスリードを誘っている部分がコレ

日本政府が世界銀行(世銀)やアジア開発銀行(ADB)を通して支援を行い、『ラオスの貧困削減と環境保全につながる持続的な開発のモデル』として2005年に着工し、2010年から創業を開始したのがナムトゥン2ダムです」(木口さん)

 ここから志葉玲は木口氏のコメントを引用しながら、ラオスの貧困や環境問題で日本をボロクソ書いていくわけですが、よく読んでみましょう。
 「ナムトゥン2ダム」の話です。今回の決壊は「セピアン・セナムノイ・ダム」の補助ダムです。日本人に馴染まない名称だから、読者は決壊したダムと関連する問題かと誤読する。明らかにミスリードを誘っている。

 このあたりの記述を見れば理解できるのだが、木口氏はラオスでのダム建設を人権問題と環境問題ととらえ、同じ過ちが起きないように金融機関には融資を再考して欲しいと訴えているだけ。
 一言も「ダムの決壊は日本に責任がある」なんて言っていない。とくに日本をターゲットにしておらず、あくまで「融資する国」としているに、志葉玲が勝手に「日本が悪い」という論調に仕上げているのだ。

 これが「建設中に決壊したラオスのダムは、日本の資金によるものだった」というタイトルになる理由は、日本憎しの意図しか感じない。

 最後に、

 志葉玲さん

 韓国のSK建設の責任を擁護できる記述が一つも書かれてません!

 なんでタイトルで日本を貶めながら「韓国叩きに終始するメディア」としたんですか?ネットで韓国企業バッシングがあったのは事実ですが、それを報じないメディアを同時に批判していたのです。

韓国叩きしたメディアって志葉玲さんの脳内メディア?

※志葉玲さんが往生際の悪い記事をまた書いたようなので、9月19日より全文公開としました。

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