[台湾] 権利不要求に関する審査基準の公表

2023年5月2日、台湾経済部智慧財産局(以下「TIPO」)による「権利不要求に関する審査基準」の改正案が公表された。主な内容は以下の通り。


I. 識別力を発揮しない部分が、商標権の範囲に疑義を生じるか否かを判断するための検討事項

1. 識別力を発揮しない部分と、造語又は当業者間で殆ど使用されていない語との組み合わせによって構成されている場合、出願人が各部分について権利を主張できると誤解することがある。
識別力を発揮しない部分については、権利不要求をする必要がある。
 
2. 名字、スローガン、慣用句、一般的な表現など、識別力を発揮しない標識(記述的・一般的名称を除く)は、独占排他権を得たいと考える事業者が使用を望むケースが多い。このような標識が識別力を発揮しないと判断された場合には、権利不要求をする必要がある。
 
3. アラビア数字、型番、識別力を発揮しないと判断されたシンボルなどは、権利不要求をする必要がある。ただし、その数字の意味合いが明確であり(仕様、数量、時間、日付などを表すことが明確であること)、業界で一般的に使用されており、商標権の範囲に疑義を生じさせないと判断される場合には、権利不要求をするまでもない。
 
4. 識別力を発揮しない部分の配置、文字の大きさ又は割合によって、その部分について商標権を主張できるかの判断に影響を与える場合、権利不要求を宣言する必要がある。(例えば、識別力を発揮しない部分が図案化または強調され、当該部分について独占排他性が生じると疑わせる場合が挙げられる。)

II. 権利不要求を必要としない場合

1. TIPOが例示する「権利不要求を必要としない例」に挙げられている場合。
 
2. 識別力を発揮しない部分が、指定商品等の説明として当業者および公衆によって一般的に使用され、指定商品等の直接的かつ明白な説明であり、商標権者及び当業者のいずれもが商標権の範囲について疑いが生じないと判断する場合。

III. アラビア数字、スローガン、慣用句または一般的な表現について、権利不要求が必要かを判断するための基準が追加された。

市場で一般的に使用されている宣伝広告の文言や数字については、商標権者がその文言や数字について独占的権利を有しないと需要者や同業者が考えれば、権利不要求は不要であることが明確となった。

IV. 会社名、ドメイン名、説明的な画像など、商取引における単なる情報は、商標の一部を構成しない。

このような要素は削除し、商標権の範囲を明確にする必要がある。 

参考:https://www.leeandli.com/EN/NewslettersDetail/7073.htm


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?