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『酒飲んでワーin赤坂自民亭』から一年。今の自民党は国民に目を向けているのだろうか


 梅雨となり毎日のように、時には小ぶりに、時には激しく雨が降っている。この季節の雨音で想起されるのは去年のこと。甚大な被害をもたらした西日本豪雨災害(正式名称:平成30年7月豪雨)から一年になる。各地方新聞が今年の7/8から7/10にかけて当時の状況を振り返っていた。

 当時はTwitterでは死への恐怖がリアルタイムで飛び交っていた。私の知り合いのA氏は救援要請を出したが救助されず、十数時間も屋根の上で立ち尽くす羽目になった。思い出したくないことこそ、昨日のように覚えているものである。ジワジワと水位が上がってくる恐怖に怯えながら見ているだけしかできなかったらしい。ニュースで大雨を知った私はA氏に電話をして安否確認をした後、彼から頼まれTwitter上のSOSをまとめたり、外国人窃盗団というデマツイートを警察に通報したりと、夜通しPCの前で過ごしていた。

 現在、参議院選挙期間であるからこそ、改めて皆さんに思い出してほしい。「空白の66時間」についてである。

 平成30年、7/2~7/3に各省庁は災害情報連絡室を設置した。7/5の14時には気象庁が記者会見を行い、「西日本と東日本では8日頃にかけて大雨となり、記録的な大雨になるおそれがある」と厳重な警戒を呼び掛けた。ここまでなら対応の早さを褒めるべきである。しかし問題はそのあとである。

 すでに厳重な警戒が必要だとしていながらも、またすでに兵庫で死者が出ていながらも、5日の20時に安倍首相や大臣も含め自民党議員が衆議院宿舎にて懇親会・宴会を開いたのであった。この一件で「赤坂自民亭」「酒飲んでワー」という単語がTwitter上で話題になった。


 下記の犬飼淳氏のnoteには、西日本豪雨災害の『空白の66時間』について詳細に書かれている。ぜひ読んでいただきたい。
https://note.mu/jun21101016/n/na37e1fa2f191

 気象庁が緊急会見を開いた7月5日夜の首相の動きに着目したい。
すでに気象庁が「観測記録を更新するほどの大雨による大規模災害」を注意喚起している中、衆議院宿舎で「赤坂自民亭」と呼ばれる自民党の宴会に参加。この日の様子は複数の自民党議員がSNS上にアップしている。写真から判断して30名ほどが参加したと見られる。

【西村やすとし議員の当時のツイート】

 これが厳重な警戒が出された後の自民党の議員の対応である。犬飼氏のnoteでも記載されている通り、西村やすとし衆議院議員は避難勧告が出ている兵庫ブロックで当選したはずだが……自分に票を入れた市民よりも酒盛りが大事ということだろう。この酒盛りは総裁選三選に向けた安倍首相による懇親会、総裁選対策であった。自分に票を入れた支持者の危機に駆けつけるのではなく、 安倍首相の覚えめでたくなるよう動いたのだ。そして嬉しげに上の張り付けたツイートをしている。



 翌日6日の首相動静では何も記載されていないものの、日本テレビ報道により安倍首相は「無派閥議員の極秘会合」に参加したことが暴かれた。この時には避難勧告どころか死者や行方不明者が多数出ているのだが、総裁の座にしがみ付くことしか頭になかったのであろうか。7日にようやく閣僚会議に出てきたかと思えば15分で早々に帰宅。その時の写真は二日酔いにしか見えない顔つきであった。

【災害から初めて顔を出した7日の安倍首相】

【何が「国民の命が第一」だ】 日刊ゲンダイ

 状況がどんどん深刻化する中で、8日にようやく非常災害対策本部を設置。安倍首相はそこで「救命救助、避難は時間との戦い」と発言をしている。しかし「空白の66時間」のタイムテーブルを見る限り、災害対策よりも総裁選への根回しを優先した事実がある。これには批判が殺到した。国会でも追及をされるが……


【災害対策よりも懇親会の意義を強調する麻生大臣】


 安倍政権は赤坂自民亭での酒飲んでワーについての非を一切認めることなく、「必要なことはした」と強弁を張ったのである。そして災害対応よりもカジノ審議を優先させたのだ。その後も政府は西日本豪雨災害に対してロクな答弁をせずに結局有耶無耶になり、国民が西日本豪雨災害について忘れていった。(時間があれば下記の二つの動画を見て頂きたい)

「カジノ審議より、災害対応だろ!」:7/10 参院・内閣委

「災害に関してもロクな答弁しないのか!こころ込めて、仕事してくれよ!」:7/19 参院・内閣委


 安倍首相は愛国者である、安倍首相は日本を取り戻すのだ、と妄信している熱狂的な支持者は、一連の首相の行動が日本を守っていると胸を張って公言できるだろうか。

死者 224 人
行方不明者 8 人
負傷者 459人(重傷 113 人、軽傷 343 人、程度不明 3 人)
住家の全壊 6758 棟、半壊 1万878 棟、一部破損 3917 棟、床上浸水 8567 棟、床下浸水 2万1913 棟
公共建物の被害 22 棟、その他の非住家被害 281 棟
 ~消防庁の被害状況の集計より

 私の知り合いのA氏は運よく『市民』によって救助された。しかし、もし安倍首相が総裁選の優先した今回の災害で亡くなっていたとしたら、残されたご家族にかける言葉は見当たらない。


【西日本豪雨災害から一年。追悼】

 想像して頂きたい。死者224人の中にあなたのご家族やご友人がいたらあなたは一体何を感じるだろうか。愛国者たる安倍首相が日本を取り戻すために仕方なかった、大事の前の小事だと溜飲が下げる方がいるとは到底思えない。

 自分の心に問いを投げて頂きたい。あなたたちが守りたいのは安倍首相の体裁なのか、それともこの国に住む人々の命なのか。これからまた災害が起きたとして、災害時に「酒飲んでワーin赤坂自民亭」をする自民党が与党で安心できるだろうか。66時間経ってからようやく対応する首相で安心できるだろうか。

【西日本豪雨災害から一年。追悼】


 そもそもなぜこういう事が起きるのか。

 それは自民党の議席が多いからこそ生じた問題だと考えている。自民党議員は国民に目を向けなくても票が入るため安泰なのだ。ならば後は、自分がどれほど安倍首相の太鼓持ちをして上の地位を目指せるか、企業献金を貰い懐を肥やせるのかという私利私欲に走る。それが今の自民党議員の本質ではないだろうか。(自民党の中には真摯に国民に向き合っている議員もいるだろうが、安倍一強により声が出せない状況である)



 もし国民に対してもっと目を向けて欲しいのならば、今回の参議院選挙は自民党に投票するのをやめるべきだ。どれだけ大敗したとしても自民党は与党であることに変わりはない。しかしどれほど負けたかによっては自分たちの行動を省みて、政治家としての姿勢を正すことになる。少なくとも災害の対応よりも総裁選の根回しを優先させるという愚行はなくなるであろう。



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