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外見について

友人に勧められて、西加奈子さんの「サラバ!」を読んだ。3巻に及ぶ長編小説で、色々なテーマがあり、また自分とリンクするところもあり、まだうまく感想が言えない状態だけれども、自分の外見というものについて改めて考えさせられた小説でもあった。
少しネタバレになってしまうけれど、主人公はハンサムに生まれ、それに対して主人公のお姉さんは外見でからかわれたりすることが多い人だった。
でも、それがある時逆転して、主人公が自分の外見にコンプレックスを持つようになった時、お姉さんは輝き始める。それは、お姉さんが日本の美の基準から自由になって、(ある意味)世界基準で自分を美しいと自覚できたことが大きかったんじゃないかなと思う。
自分を振り返った時、私は背もとても小さいし(150センチに届かない)、全く華やかではない外見をしている。対して私の母はちょっと日本人離れした華やかな顔をしていて(でも、性格はとても地味で、決して「私を見て!」という人ではないのが母の良いところ)、小さい頃から「お母さん、きれいね~」と言われて育ってきた。
だから、自分がきれいと思ったこともなかったし、特に自信もなかった。
でも、ある時、外国人の方とお付き合いをすることになった時、彼は私のことを「美人だ」と言ってくれた。それが私には本当に衝撃だった。美人だなんて、それまで言われたことなかったから。だから、はじめ素直にその言葉に対して「ありがとう」と言えなかった。どちらかというと、「噓でしょ?」って反応をしたと思う。
でも、この事で、美しさの基準って本当に千差万別で、例えば国が違えば美しさの基準も違うということを知った(そして、考えてみたら人によっても違いますよね)。だから、自分は一般的な日本の美の基準に合わせず、自分が良いと思えればそれでいいんだな、と、彼のおかげで少し自信を持つことができた。
自分が自分の外見に肯定的になることって、あまりよくないと思う人もいるかもしれないけど、私は大切なことじゃないかなって思う。いくら周りに褒められても、自分で認められなかったら自分の魅力を十分に引き出すことはできないと思うから。
だから、自分の外見に自信が持てなくても、もし他人に褒められたら、「いやいや、私なんて」と思う前に、「もしかして、本当に自分にもいいところがあるかも?」という目で客観的に自分を見てみたらいいと思う。人の視点(時には外国の人の視点!)で自分を見ることで、新たな自分の魅力を見つけられるかもしれないから。

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