菊地成孔率いるDC/PRGが活動に幕
“最新が最高”を更新したラストライブを見た

https://realsound.jp/2021/04/post-737470.html
紹介記事
以下、私的な書き起こし。

OP

(途中から)
…ともかく、椅子があるようじゃクラブカルチャーとは言えないな。

ただ今日椅子を出さざるを得なかったのは
大人の事情としか言いようがないんだ。
最初にそのことだけ説明させて欲しい。

椅子さえ入れれば、観客収容数が800から1000人に増員できる。
逆に言うと800人なら、制限付きだがオールスタンディングで出来た。

これはSTUDIO COAST側とコンサート制作会社側と、
バンドをマネージしている
ビュロー菊地の代表取締役としての…なんつったらいい…
エグゼクティブの俺と、
バンドの代表である音楽家の俺と4者の合意による
ギリギリの結果なので
どうか理解して貰いたい。

（歓声）

かつセクションどこもクラスターという事態をリスクヘッジしたいし、
利益は得たい。

そこで第2に重要になったのは、初動のチケットが
プラチナ化することによって
死ぬほど行きたいのにチケットが手に入らないというヘッズが
数多く出てしまったことだ。
彼を1人でも多く救出しなきゃいけない。

だけど、だけど、この際ぶっちゃけるが、増員分のチケット、
200枚分のチケットは純利益にはならない。なぜか。
今、国から課せられているイベントの制限上、
ここで2時間以上の演奏をするにはぶっちゃけカネがかかるんだ。
違約金という名目だけど、一種の罰金だね。

なので最後のパーティを行うに際し、
俺は演奏時間の2時間越えをトッププライオリティに置いた。

（歓声）

つまり、つまり、つまり、諸君、つまりだ。
罰金を支払い、コンサートがよしんば赤字になっても、
椅子が出て変な事になっても
最優先事項としてバンドのランニングタイムは削らない。

共有空間でサインに臨み調停した。(曖昧)
政治家にでもなった気分だったぜ。

椅子と増員は演奏時間の代償だ。
要するにこうやってダラダラ喋っている間にもまあ、
罰金が課金されている。
チャリンチャリンとね。

まあ罰金とか慰謝料とかはね、そんなに嫌いじゃないけど。
俺の人生に親しみがあるから。

まあ赤字といっても、もちろん彼らにギャラは払うよ。
ギャランティというのは演奏料という意味ではない。
あらかじめ約束された数値という意味だ。
だから、ライブハウスのチャージバック分配して、はいこれ今日のギャラ。
っていうのは厳密に言うと言葉は間違っている。勉強になったでしょ？
役にも立たないことが。

そして知っての通りだ、諸君らが今夜、この異形のフロアで
どう振る舞うかは見えないね。
フロアに背を向けて21年間やってきた。
ただ諸君らの動物的な衝動と社会的知的な上半身的と言うかな、
理性、そのせめぎ合いに対して、
我々がどう振る舞ってきたか今更言うまでもないだろう？

大阪は椅子が無かったから、フロアに火が点いたよ。
ボーボーだ、ボーボー。
感染者が増えているというのに。

その事に苦言ではないけど、クラスターの理由になったらもったいない
東京では叫んだり、暴れたりしないよう菊地さんから言ってください。
とご注進してくれたありがたいファンもいたよ。いたほどだ。

その人に言いたい。
俺が黙れ。と言って、誰かがその通り黙るなんて不健康だ。

（歓声）

ただ今日、東京のフロアに、もし火が点かなくてもだ、諸君らは腰抜けだ。
なんてことは口が裂けても言えない。今は時代の大転換期だ、
大転換期には異様な光景や動きが起こるに決まっている。
大学紛争によって、勉強があんなにできたのに、
入試が行われなかったという世代がいる。
勉強は出来ねえけど、野球を死ぬほど頑張って、
甲子園まで行ってそして試合に勝って、
球場からそのまま予科練に行って特攻に回された世代もいる。
彼らは概ねアメリカの文化を敵勢として6年間も禁圧させられた。

震災によって人生の全てが無に帰した人もいる。空襲の焼け跡から
ヒロポンを打ちながらどんどん這い上がってきた世代だ。

客席には白人しかいなかった世代の黒人音楽家たちもいた。
バブルの頃なんてもうね、もう金が使い切れなくてさ、
クラブのVIP席に座って、ああいう所、
一晩中シャンペンとコケインで音楽なんて。
自分が聞きたくても聞こえなかったよ。という奴らがいる。
時代には逆らえない。あらゆる信じがたい混乱を楽しむしか無い。

だから今夜は、たった今現在の東京のリアルなフロアを
我々に見せて欲しい。俺は欲張りじゃない。
今日俺が欲しいものはそれひとつだけだ。

そして2つ目、知っての通りだ。俺は20年間もよく頑張ったね。
お疲れ様。今までありがとう！みたいな学校の卒業式はやらない。
まあ厳密にはやりたくても出来ないんだ、
ちゃんと卒業した学校が中学までだからね。
その卒業式もぶっちゃけ行ってないよ。つまりだ。

終わるとしても活動中に前進してる状態のまま、前のめりに終わりたい。
前のめりに。舞の海じゃないよ。
前のめりだ。舞の海は昔は我々と同じ技のデパートだったが、
今はグルコサミンだ。

笑

諸君、諸君ご静粛に笑
なので、今日新メンバーを入れることにした。

どのバンドでもそうだろうけど、特に我々のようなバンドは
優秀な新人選手がひとり入るだけで音楽が飛躍的に進化する。
スポーツのチームみたいなもんだね。だから今から最後の
ゲームを始める前に新しいメンバーの入団を諸君らと共に喜びたい。
まだ若くて持て余すほどのスキルとタフなハートを持っている
驚異的なプレイヤー
我々の最新にして、最後のメンバーの入団を発表します。
えー、彼に歓迎の拍手を。
テナー・ソプラノサックス MELRAW

（歓声）

ありがとう、ありがとう。

日本中のバンドが彼を欲しがってるからね。
ドラフトでは裏金とか色仕掛けとかね、暗殺とか色々苦労したぜ。

さて、我々が。だ。

いよいよ最終のリハーサルだというばかりに、準備に勤しんでいる間に
しばらく黙っていた北朝鮮が花火を２つ上げた。
あれは祝砲だ。

そして今後、イラクが合衆国に何らかの報復を行ったりしたら、
今更のアイアンマウンテン報告からのお膳の立て直しだぜ、合衆国。

香港のデモは中国共産党の力でねじ伏せられた。
ミャンマーでは御存知の通り、エグいことが起こってる。
あそこが第2のベトナムになる可能性はゼロじゃないねぇ。
そして東京は御存知の通りだ。

それでは諸君。
東京で最後のパーティを始めようじゃないか。

（歓声）

我々が対になった、万全だ。見てくれ、大儀見が立ってる。

はじめてじゃないか。

我々が対になった、万全だが、諸君らのコンディションはどうかね？

よし、もう1回。
我々のチューンナップは万全だ。諸君らのコンディションはどうかな？

M1.構造I
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ENCORE

あー、どうもありがとう、ありがとうございます。
どうしたヤケに興奮しているようだけどヘンなもんでも食ったか？

はっはっ、外ロケしているアイドルにでも会いましたかね。
まあ、すまんが、しばし聞いて欲しい、
チルアウトとコマーシャルの時間を渡してくれ。