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ホーチミン市の聖地

欧米では、1~2ヵ月かけてアジアを旅するのが当たり前なのだろうか?
大きな荷物と、1リットルサイズのコーラが定番。
東南アジアの都市には、こういう旅行者が集まる場所が必ずある。
そこは、1日10ドル程度で泊まれる宿が集まり、夜中飲んで食べられる店がモザイク状態に密集しているのだ。

私が、ホーチミン市に行ったのは今から10年も前のことだ。
そのホーチミンで(欧米人の)聖地といえば、ファングーラオ通りから南のワンブロック。この300m四方に何百という店がひしめき合い、夕方からは道路にはみ出して飲んでいる人をかきわけて通ることになるのだ。
旅に出る前には、ガイドブックを買うのだが、どの本にも、このファングーラオ通り付近は危険なので避けるようにと書いてある。
何が危険なのか、この目で確かめねば。
という事で、あまたある観光地ではなく、その猥雑な街に向かう。

私は、海外の「美術館」「市場」が好物だ。
「美術館」は、その都市の文化があり
「市場」には、その都市の生活がある
だから、必ず行くと決めているのだが、
ここファングーラオは
市場こそないが、多種多様な店、そして現地ならではの匂いが漂い「アジアに来た!」が実感できる最適な空間だった。

1人で海外にフラッと出かけることもたまにある私だが
残念ながら英語が出来ない。
しかし、日本語ならペラペラだ。
なので、どこに行っても、日本語で通している。(苦笑)
幸い?ベトナムの人は英語が得意ではないようで、
彼らも私が日本人とわかっても、平気でベトナム語で話しかけてくる。

街に着いて、ファングーラオ通りからデタム通りをフラフラしていると、お昼時。
どうしようか・・とその時、日本語が聞こえてきた。
その声は、現地のツーリスト会社からだった。
引き寄せられるように、その店に入った。
「いらっしゃいませ。日本人の方ですよね・・」
係の人はなんと日本人。
「ええ、お腹すいたので、どこか安くて美味しい店あったら教えてもらえませんか?」
「私たちがランチでよくいく店でよかったら」
と教えてもらった店は、ファングーラオの中でも絶対入っていったらアカン場所?とでも言える、路地裏の中の路地裏。
市民がパンツ一丁でテレビみながらなんか食べてるのが丸見えの長屋の前の細い細い路地を抜け
着いたのが「おばあ」一人でやってる焼きそば屋。
(あの人が食べてるやつ・・と指さして)ベトナム焼きそば、とビールを注文。
その店の向かいに春巻き屋があるではないか!
私「あの春巻き食べたいんだけど(日本語)」
おばあ「ああ、ちょっと待ってな(ベトナム語)」(多分)
すると
おばあはその店に出向き生春巻きを持ってきてくれた。
あばあ「100円だよ(ベトナム語)」
安い!旨い!本場の生春巻きだ!でもタレとかソース無しなんだね。
もちろん、おばあが作ってくれた焼きそばも旨い!
焼きそば100円、ビール100円。(当時レート&物価)
(結局、翌々日もおばあの店でランチした)

ツーリストに戻って御礼を言うと
「明日の予定は?」(日本語)
「特に決めてないけど・・」
「じゃ、メコン川ツアーどう?明日、日本語ガイド付きのが一人キャンセル出たからどう?お勧めだよ」
「いくら?」
「同じコースでJTBだと1万円なんだけど、うちは6千円。でも、キャンセル分だから3千円でいいよ。」
「じゃ、決まり!」ということで、翌日はメコン川ツアー。
詳細はどのガイドブックにも書いてあるので省略。
でも、メコン川のジャングルをカヌーで漕いで進んだり
結構アドベンチャーで楽しかった。

その翌日は市の中心街に出て、戦争証跡博物館に。
ベトナム戦争のことはニュースや映画で知ってはいたが
そこに、当時使われた戦車や戦闘機も展示されていて
恐らく広島の原爆資料館のような場所なのでしょう。
また、館内には日本人の報道カメラマンの方(確か石川さんだった・・)のコーナーがあり、より深く戦争を追体験できました。

ホーチミン市、
10年前はまだ発展途上であり
道路にはバイクが溢れ
しかも3人乗りは当たり前。
最高5人乗りまで見かけました。
地下鉄工事真っ最中だったので、今は、もうそういう光景は減ったでしょうね。

連泊したビジネスホテルのドアマンとも仲良くなり
最後の日、預けておいたスーツケースを受け取りにいくと
「え?スーツケース?知らないよ!」
なんて冗談言われるくらいの関係に。
みんなフレンドリーで親日家が多いと感じました。

ちなみに
ファングーラオ通り付近は何が危険だったのか?
日本人観光客のおバカさんが
店でお土産を必死に物色中
20万円もするカメラをポイと置いていた際、盗られたらしく、
それが大使館やらにまで通報?されて以来、
ガイドブックの編集者も
忖度(誰に?)して、そんなこと書くようになったらしい。
(現地ツーリースト会社の日本人担当者情報・・)でした。
ファングーラオ通り・・
是非、夕方以降歩いてみて。
アジアを感じることが出来ると思う。
多分・・

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