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名前がない気持ち

まだ名前がないこの気持ちを、私は持て余している。

まだ数回しかあったことがなくて、年上で、遠い存在の人。笑いかけてくれたり、名前を呼んでくれたりするけれど、そこにはきちんと壁が存在してしまっている。

それでも、そのぶっきらぼうに見えてとても優しいところとか、低い声とか、ほんのりただようタバコの匂いとか、そんなところにふと、五感が持っていかれる。

名前がない気持ちは、このまま気づいたら消えてしまうの?それとも、良性のしこりのように、なにも悪さはしないけれど、ずっと消えずにそこにいるの?

名前がない気持ちは、どう処理したらいいのだろう。

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