形:ゲーム開発

個人開発者の目線で、ゲーム文化を発展させるためにできることを模索中。人と違う視点やアイ…

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個人開発者の目線で、ゲーム文化を発展させるためにできることを模索中。人と違う視点やアイディアを提案し続けたい。 https://twitter.com/ktch9541 ツイッターでもゲームデザインの話などしてます。

最近の記事

自分の好きなものを広める難しさ

「自分にとって価値のあるもの」を広く人々に知ってほしい時にはどうすればいいのか?マイナーな趣味に共感がほしい、自分の作品をもっと人に見てもらいたい、自社の商品を売り込みたい...あるいは、自分が正しいと信じるやり方に共感を集め、世の中を変えていきたいといった大きな話でもいい。  誰かに認知してもらうことは難しい。自分にとってはとても魅力的に思えるものが、他者からすればどうでもいい・理解できないといったケースは多い。何かを周りに伝えたいと行動を起こしてみると、想像以上に人々の反

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    • [ゲーム企画]敵を次々乗っ取る多自機アクション(架空レビュー)

      新しいソフトのアイディアをnoteに書き出し、文章の上でゲームデザインを考えていく試みです。「とあるプレイヤーが書いた架空のレビュー」という形式でゲームを想像して内容を練っていきます。  今回は完全に空想のゲームではなく、以前作った試作品を元にイメージを膨らませていきます。良ければまずは動画をご覧ください。 侵略者になって星を乗っ取るのがゲームの目的なのだが、この作品の方向性は少し独特かもしれない。現地の生物を排除するのではなく、寄生することで自分の手下を増やしていくのだ。

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      • ゲーム試作振り返り:夢の中を再現する

        僕はちょくちょく小さなゲームを試作して、ツイッターで動画を上げている。普段は完成品の動画のみ公開するのだけど、今回はいつもより細かく開発過程の動画をアップして記録を残してみた。  それらをnoteで振り返り、アイディアをまとめていく過程を整理するのがこの記事の趣旨だ。ゲームを試作する際のコツなどもいくらか解説できればと思う。 今回の試作のテーマは「夢の中を再現する」こと...と言っても分かりにくいので、少し背景を説明したい。  僕は昔から夢に色々な魅力を感じていた。人が寝て

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        • 個人開発でゲームを企画するメリット

          ゲーム開発者の間で企画という言葉が出てくると大抵、ゲーム会社ではどういう企画が通りやすいのかとか、就活で出す企画書の書式はどうすれば...といった話題が中心だ。ゲームの企画=ビジネスでゲームを作るために必要なもの、という認識が一般的かと思う。 では自分一人でゲームを作る場合はどうか。趣味の作品にしろ、個人開発でゲームを販売するにしろ、企業レベルのゲームに比べると縛りが少ない。思い付いたアイディアをすぐ実装するのも容易で、そもそも企画というステップを意識しない開発者も多いので

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          [ゲーム企画]戦ったり戦わなかったりするケモノバトルロイヤル(架空レビュー)

          ※新しいソフトのアイディアをnoteに書き出し、文章の上でゲームデザインを考えていく試みです。「とあるプレイヤーが書いた架空のレビュー」という形式でゲームを想像し、なるべく具体的に内容を練っていきます。  あくまで架空のゲームなので、細かい仕様まで詰めている訳ではない点にご注意ください。 今日から僕はケモノになるんだストアを漁っていたら何やら奇妙なゲームを発見した。動物になりきってナワバリを広げていくバトルロイヤル?だそうなのだが...なんだこの奇妙なスクリーンショットは。

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          ゲームの面白さを保証する、試作の重要性とコツ

          どんなゲーム開発もまずは小さな試作から始まる。頭の中にある漠然としたアイディアの種を試したり、事前に練った企画が本当に面白いか確かめたり...実際に手を動かさないと見えてこない部分が必ずある。  試作の質がゲームの成否を決めると言っても過言ではない。上手にアイディアを膨らませれば遊びの土台が安定するし、逆にいまいちなアイディアは早い段階で切り捨てればいい。適切な試作手順を身に着ければ、理論上は決して駄作は生まれない。  だが、現実のゲーム開発には失敗が尽きない。どこか中途半端

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          ゲームの面白さを保証する、試作の重要性とコツ

          [ゲーム企画]オリジナルのスキルで戦うオンライン対戦ゲーム(架空レビュー)

          ※新しいゲームソフトのアイディアをnoteで書き出してみよう、という試みです。  今回は少し趣向を凝らし、「とあるゲーマーが書いたプレイ日記」という形式で架空のソフトを紹介していきます。ゲームの企画を練るのが目的ですが、軽い読み物のように楽しめる作品を目指しています。  あくまで想像上のゲームなので、細かい仕様まで詰めている訳ではない点にご注意ください。 これは対戦ゲームなのか?友達から新しいゲームを勧められた。多人数で入り乱れるオンライン対戦ゲームらしいのだが、なるべく初

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          本当の意味でゲームに没入する瞬間

          ゲームならではの魅力とは何か?と考える時、能動的な没入感を挙げる人は多いのではないかと思う。自分で操作するからこそ得られる、ゲームの中にのめり込むような感覚は独自性の高い体験だ。  ゲーム機などのスペック上昇に伴い、映画のようにリアルな世界を擬似体験できる作品も増えた。昔ながらの黙々と攻略法を探るゲームと比べると、現代のゲームはしばしば目指す方向性が異なるようにも思える。  僕個人はどちらかと言うと古いゲーマーで、ゲームに没入感をさほど求めない方だったのだが、以前ゼルダの伝説

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          本当の意味でゲームに没入する瞬間

          足し算のゲームデザインから脱却するには

          ゲームを開発している最中、「この作品は本当に面白くなるのか?」と迷う瞬間は誰しもある。試作段階のゲームは遊びの幅も小さく見た目も地味だし、何より頭の中のコンセプトと実物の間には必ずギャップがあるものだ。  何か思ったように面白さが出せない...と不安に駆られ、絵やエフェクトなどの表面的な部分を先に作ってみたりすると、少し手応えが良くなったように錯覚する。そうして作り込む内に捨てるのが勿体なくなり、どこか微妙なゲームだと思いつつも引くに引けなくなる。  当初のコンセプトがどんど

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          足し算のゲームデザインから脱却するには

          長く「遊ばせる」ゲームデザインの限界

          ビデオゲームほどコストパフォーマンスに優れた娯楽はなかなかない。一度の購入で何百時間もプレイするゲーマーはざらで、繰り返し楽しめる構造はゲームならではの強みと言える。  それと同時に、ゲームは「水増し」が容易な娯楽でもある。単調なレベル上げをプレイヤーに長時間要求したり、面倒なアイテム収集を強いたり、わざと展開を遅らせることもできてしまう。  基本的には気に入ったゲームほどじっくり遊びたくなるものだが、プレイ時間の長さが単純にゲームの価値を示すとも限らない。このあたりが曖昧な

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          [ゲーム企画]人の流れを整理する会場設営ゲーム

          ※新しいゲームソフトのアイディアをnoteで書き出してみよう、という試みです。頭の中で遊び方を設計してゲームデザイン力を磨きつつ、それを分かりやすく人に伝える練習をしていきます。 ジャンルはパズル・シミュレーション。人が集まるイベント会場などで多数の来訪者を誘導し、混雑やトラブルが起きないよう整理するゲーム。  プレイヤーは会場の要件を満たすため、限られたスペースにテーブルや椅子、仕切りや人員などを配置していく。 例えば「ワクチンの集団接種会場」を設営するとして、用意すべ

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          機能性から考えるゲームグラフィック

          ゲームを作っていく上で絶対に避けられないのがグラフィック(見た目)の設計だ。ここをいい加減にすると自分の作品になかなか注目してもらえないし、絵が安っぽいとそもそも開発モチベーションが上がらない人も多いだろう。  グラフィックは第一印象を大きく左右する。素人目にも良し悪しが分かりやすく、グラフィックの良いゲームと言えば見た目が派手で美麗なものを指す場合がほとんど。 だが、ゲームにおける視覚表現は外見を磨くためだけにある訳ではない。僕はデザイナーではないが、様々なゲームを作った

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          実況プレイがゲーム文化を補完する

          ゲーム実況がネット上の定番コンテンツとして普及して久しい。かつてのニコニコ動画やYouTubeなど動画サイトの発展と連動し、喋りながらゲームを遊んでネットで共有するスタイルはごく日常的な光景になった。  一般的には「ゲーム実況はゲーム文化に付随するもの」という認識が強いかと思う。当然だがゲームを開発する作り手がいなければ実況者は存在できず、著作権的な意味でも基本的にはメーカー側の立場が強いと言っていいだろう。 ただ、長年開発者の目線でゲーム実況を眺めてきて思うことがある。実

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          実況プレイがゲーム文化を補完する

          初心者には明確な答えを、上級者には多彩な選択肢を

          僕は普段ツイッターでゲームデザインについてあれこれ語っているのだけど、随分前にとあるツイートが一気に拡散されて話題になったことがあった。今でも時折いいねをもらったりするので印象に残っている。 こうして自分の考えを整理するのはいつもの習慣みたいなもので、特にこれらのツイートが僕にとって特別という訳ではなかった。それ故に唐突なバズりに驚いたし、実を言うとこの発言がなぜそんなに共感を呼んだのか分かっていないところがある。  多くの人が一斉に反応するような情報には、何か人間の鋭い本

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          初心者には明確な答えを、上級者には多彩な選択肢を

          「商売の上手さ」で見る任天堂

          任天堂とはどんな企業か?と問われれば、まず最初にマリオやゼルダといった人気ソフトを思い浮かべる人が多いだろうか。あるいは斬新なアイディアを提案し続ける業界のトップランナーといったイメージも強いかもしれない。  僕はそれと同時に、任天堂は非常に商売勘の優れた企業だと感じている。稼ぐことにもしっかり貪欲で、いい意味で利益を追求する組織だなと。 例えばSwitch Onlineに関する施策は全体的に手堅い。比較的安価なサブスクリプションサービスを土台に、2本セットでソフトを安く購

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          スプラトゥーンを傑作にした「アイディアの育て方」

          先日発売されたスプラトゥーン3の勢いが凄まじい。数日間であっさりと売り上げ300万本を超え、累計で100万本も売れれば景気が良いと言われる日本のゲーム市場で異彩を放っている。 ネット上で話題が尽きない中、個人的に印象的なのはプレイヤーのポジティブな感想だ。単純にただただ「スプラトゥーン面白い」と興奮気味に語る人をネットでよく見かける。話題になっていたから買ってみたけど想像以上に楽しい...そんな新規ユーザーが多いイメージだ。  思えば7年前、初代スプラトゥーンが世に出た時も

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