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【ネタバレ】男目線で見たバチェロレッテの結末。本当に心にヨロイを着ていたのは誰か?

※注意ネタバレを含みます。番組で結末を知りたい方はみないでください。

ついに結末を迎えました、バチェラーの男女逆転版「バチェロレッテ」。

波紋を呼んだバチェラー3にハマった私は、始まる前からおおいに期待していましたが正直ここまで面白くなるとは…

そしてあの結末。最後のセレモニーがある最終話は、ひとり新幹線で見て、泣いて笑って…隣りいなくて本当によかった…

あまりに考えさせられることがあり、どこかに書かないといられなくなって、このためにnoteのアカウントを取った次第です。

究極の二択。

最後のローズセレモニーを振り返ると。

まず黄さん。①最初から異性としての魅力を感じ②自分と似ているところがおおい③感情の動きもわかってしまう、それゆえにパートナーではないこともわかった、ということで振りました。

そして杉ちゃん。①人間として大好き②もっと会いたい、会えなくなると考えるとつらい③でも恋人じゃない、ということで振りました。

これは、本当に究極の二択。一方には性的な魅力とシンパシーがあり、もう一方は自分にないリスペクトがあり触れていると笑顔になってしまう魅力がある。

それをどちらにもローズを渡さなかったことに、アフターローズでは破れた候補者達から「なんでだよ!」「付き合って決めればいいんじゃないか」と不満が噴出。それはそのとおりだと思う。

しかし萌子さんは「それは妥協」とはっきり言い返した。そのストイックさにやはり只者ではないと感服するとともに、ギモンも浮かんだ。

なぜなら、ローズを渡す行為は、つねに候補者の「可能性」にかけてふるいにかけるもの。であれば、「時間が足りなかった」とも口にした萌子さんは、なぜ未来の可能性をここで切ってしまうのか。

ある意味、「あなたのことがよくわかり、あなたではない」と言い切った黄さんには可能性がないとしても、杉ちゃんには心から「離れたくない」という思いが溢れ出ていた。

ここでよく、女性から聞く言葉を思う。結婚したい!と言っている女性に、「仲のいいあの人はだめなの?」と聞くと、「いい人だし一緒にいて楽しいけどチューできない」というあれだ。杉ちゃんはまさにそうなんだろう。

巷のSNSでは(これもそうか)、「結婚できない女の典型」との声もあがっているらしいが、その典型界におけるラスボスクラスである。アフターローズでは「皆を愛していた」「私には愛が溢れているとわかった」とも語る。スタジオの元候補者達の「なにいってんだ…」感は察するにあまりあるが、ここまでくるともはやカリスマである。

成長したのは杉ちゃんではない。

巷では、杉ちゃんの成長度が話題になっていた。気弱で日の当たらない画家だった彼が、マッチョな候補者達のなかで自身をつけて、最後まで残ったのは痛快以外の何者でもなく、もっとも支持された候補者だろう。私もそのひとり。いわゆるスクールカースト下位だったものの下剋上に自分と重ね合わせて溜飲を下げる。

しかし、彼の語る言葉は、序盤から本物だった。常に自問自答してきたアーティストならではの深み。並のマッチョ男たちなど足元におよばないガチマッチョが萌子さんなので、完全に異世界のロジックで撹乱したともとれるが、あんなカリスマッチョを引きずり込めるのは普通ではない(ただ萌子さんからすると、異質なものへの憧れでしかないんじゃないか、という自問自答もあっただろう)。なので、私の杉ちゃん評は、本来の実力者が自信をつけた正常進化。

実際に、一番皮が向けたのは黄さんだと思う。いや、カリスマが皮をはいだ。あの黄さんを追い詰めるくだり「今日はリスクマネジメントしないで」のひとことは凄かった。黄さんは物語全編通して典型的できる男だったが、中盤の男性陣の職場見学で萌子さんが「驚くようなことはなかった」といった通り、マッチョ度では、全然萌子さんのほうが上なのだ。黄さんがきていたヨロイは意外に薄かった(だからといってあんな直球一球でしとめられるひとはいない)。

萌子の真実の愛論。

そして、萌子さん本人。元候補者から「自分が一番さらけ出してないじゃん!」という意見も出ていた。彼女が黄さんにシンパシーを感じていた通り、やはり彼女もヨロイをきているんだと思う。勿論黄さんより耐久性も武力も高いものであろう。

なぜなら、「真実の愛を探している」という彼女の言葉に、それが自分の中にはない他責感のようなものを感じてしまうから。

「真実の愛だと信じてたのに終わってしまった」元カレにとらわれているのかもしれない。

また杉ちゃんを引き合いに出して申し訳ないが、彼は「真実の愛はわからないが、コップに注いで溢れ出る水のようなもの。そう、その涙のように」と常軌を逸してポエトリーだが、彼の中に存在している。

傍からみて、彼女は、杉ちゃんと向き合うときには心から笑みがこぼれ、慈しみがあふれていた。黄さんと向き合ったときには、同士のように痛みを共有していた。

そういった、ひとつひとつの自分の感情こそが真実のかけらであると私は思う。勿論彼女なりに向き合っていたのだと思うが、過去の真実の愛と比べて、ないものねだりをしているように感じた。

それこそ真実の愛だと思っていたが、相手は思ってなかったのかもしれない。その幻影にとらわれることより、今目の前でかけらでも繋がった感情ひとつにもっと目をかけてほしい。

それでも、彼とは先がない、と思うのなら仕方ない。ただ、それなら杉ちゃんにも、黄さんとおなじように「あなたではない」と言うべきだったと思う。「気持ちを弄ぶのは失礼だから」というのは相手が弄ばれるという前提をしている時点ですでに失礼と思うのは言い過ぎか。

最後、番外編のアフターローズで、もう一度告白した杉ちゃんに心から尊敬を覚えました。それこそリスクマネジメントが微塵も感じられない彼。

ぜひ彼には「福田萌子があとで後悔する」くらいの幸せを掴んでほしい(私と違って杉ちゃんにそんな姑息な感情はないでしょうけど…)。

後述。萌子さんに相応しい相手とは。

今回の男性キャストを俯瞰してみると、総じて紳士的というか、萌子さんに気遅れしていたように思う。
彼女は相手のヨロイを打ち砕く攻撃力に長けており、それだけに「攻撃は最大の防御」となり、男性は砕かれ、結果、杉ちゃんや黄さんはじめ一皮むけた。
しかし、誰も萌子さんのヨロイを脱がせてはいない。唯一、杉ちゃんは北風と太陽における太陽のアプローチで手をかけたと思うが、北風や台風クラスのメンバーがひとりでもいれば、萌子の違う面が顔を出したのではと思う。もしくは、もっとずっと年上で、諭したり諌めたりするような器の大きい男。
まあ結果論ですが…

さて…バチェロレッテの旅のあと、彼女はそういう人に出逢えるでしょうか。

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