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70年前の屋根を引き継ぎ屋根を張り替えてきました。

5月の下旬にお話をいただいてからおよそ2ヶ月、瓦屋根張り替え工事がようやく終わることができました。今回の屋根は木材屋さんの倉庫の屋根のため、平日は出荷があり、お客さんの要望で瓦屋根をめくるタイミングが土曜日のみとなってしまいました。その頃、6月7日にちょうど東海地方が梅雨入りしてしまい、瓦屋根をめくるタイミングが合わず、完成までおよそ2ヶ月あまりかかってしまいました。
長々とかかってしまいましたが、仕上がった屋根をみて、お客さんのある従業員さんの一人の方が「さすがだね〜。見間違えるように綺麗になったし、雨漏れしなくなってよかったよ。」と一言声をかけてくれました。いつもこの言葉に支えられている、達成感を感じる瞬間でしたが、今回の屋根の半分以上は若い従業員の子が仕上げてくれたので、(う、うん。。。)の申し訳ない気持ちになりましたが、無事故で終わることができてよかったです。

今回の屋根は、築70年の瓦屋根さん。木材屋さんの倉庫の屋根として倉庫内の商品を守り続けて、70年。たくさんの商品がこの倉庫から出荷して行ったとのことでした。70年、商いをできるって凄いなぁ。生半可な努力じゃできないだろうなぁし。現在3代目となる息子さんに事業を継承し、親子3世代を見守り続けた瓦屋根。70年前と比べて周りの環境もガラッと変わったんだろうな。70年前、屋根からどんな景色が見えていたんだろうね。そんな風に思いながら施工させてもらいました。

今回の瓦屋根は、昔ながら伝統的な土葺き工法の瓦屋根。雨漏れがヒドく、やむなく張替えということに。瓦屋根の利点として室内からの湿気を屋根面を通してでき、俗に「呼吸する屋根」と言われ高温多湿の日本の風土にあった工法だと思います。ただ、やはり土・瓦の重量があるため、耐震性・耐風性に劣るので最近ではあまり見ることがなくなりました。

瓦屋根をめくると、いたるところに穴が空いてしまい、雨漏れの原因に。

土葺きの屋根の特徴となる土が落ち、屋根の下地がむき出しになっているところも。

瓦屋根をめくり土も綺麗に掃除して、続いて、一次防水となる「ゴムアスルーフィング」敷き

万が一屋根材から漏水してもこの「ゴムアスルーフィング」が防いでくれて室内に雨が入らないようにしてくれます。

今回の新しい屋根材は、板金屋根なので新しく下地も取り付けてます。

新しい屋根材は、鉄板小波と呼ばれる屋根材で、よくカーポートなど小さな屋根に使用されていることが多く、昔は外壁にもよく使われていました。

山の高さおよそ8mm。山と山のピッチがおよそ20mmと細かい山になっているのでキュッと引き締まった屋根になりました。

カラーもモスグリーンとなり、夏の空と白い雲に映えて綺麗な屋根に仕上げることができました。

#FR2 Dollと東大阪から届いた使いどころのなかったユニオンジャックの旗も夏空にたなびくことができました。

これから70年、今回の屋根が残り続け、70年後また別の誰かが同じ景色を見ることになるのかな?そう思うと引き継がれるこの仕事も面白い職業だと思いました。
さぁー明日も屋根。暑い屋根の上、しまっていこう。

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