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京城軌道の、おはなし。

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-경성궤도의 이야기- 日本統治時代の京城、解放後のソウル、その街に、ひとつの私鉄が走っていました。時代の波に揉まれ、消えていった鉄路が残した「ものがたり」です。
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#近代史

京城の電車ゆめ語り -京城軌道- 1

京城の電車ゆめ語り -京城軌道- 1

 ソウルの街を縦横に駆け巡る地下鉄、郊外へひた走る電鉄。いまのソウル都市圏は世界トップレベルの電車ネットワークを誇る街。そんなソウルにも、昔、市内電車が走っていました。

 ソウル(いや当時は漢陽の時代ですね)の市内電車は、朝鮮王朝(大韓帝国)時代の1898年に王室とアメリカ資本との共同出資で設立された電気会社「韓美電気」によって企画され、翌年4月に西大門−鍾路−東大門−清凉里間で開業と、かなり早

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京城の電車ゆめ語り -京城軌道- 2

京城の電車ゆめ語り -京城軌道- 2

 ソウルの、いや京城のまちの電車ものがたりなどをつらつらと「ゆめ語り」しているのですが、初回からの続きをば…
初回記事はコチラに https://note.com/ktnh/n/n672fd69269da

 さて、ソウルが京城と呼ばれていたころの街は、今のソウルより、ずっとコンパクトでした。
 朝鮮王朝時代の首都だった「漢陽府」はヨーロッパや中国に多い城郭都市で、西大門・南大門・東大門、そして街

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