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動画でわかる1 電磁波の性質と高校化学で始まる電子軌道論を学ぶ

さて,人気講師ノートと称して「機器分析」を作文しています。今回は,文章とは別に「話し言葉」でも知識の共有をしたくYouTube動画を作製しました。ご笑覧いただければ幸いです。

使用している教科書

機器分析の教科書は断然「洋書」がいいです。ただ,洋書は厚いですし,日本語で書かれた機器分析の教科書もあります。

超おススメです。英語の勉強にもなりますからね。

私のYouTube動画は、下記の洋書を教科書にして作成しています。この教科書も非常に平易に書かれており,英語も読みやすいのでお勧めです。

日本語の教科書については,必ず併用して学んでください。

動画でわかる電磁波と電子軌道【序論】

電磁波の分類

化学分析と機器分析の違いから説明を初めています。分析化学も機器分析も,【分析】するとはどういうことなのかについて議論しています。

いわゆる、定性分析・定量分析・状態分析の事です。これらを意識して,分析を進めるかどうかで大きな差が出ることは熟練者であればお分かりかと思います。まさに、基本の「キ」ではありますが,最も大事なことだと思います。

続いて,電磁波分析において最も大事な「エネルギーと振動数あるいはエネルギーと波長」の関係式です。実際には,エネルギーは振動数に関係するためにプランク定数を絡めて議論する必要がありますが,プランク定数を【定数(定まった数であり思考に含めない)】として取り扱い「エネルギーと振動数」と「エネルギーと波長」で説明を行っています。この説明で,たいていの学生さんは【電磁波の違い】を理解してくれます。

そして,各電磁波が「物質の何に」作用するかを説明して終わりとなります。

電子軌道序論

まずは,原子模型の歴史から始まります。そして,K殻・L殻の説明に入り,原子軌道の紹介に入ります。原子軌道であるs軌道・p軌道・d軌道の形を知った後に,この軌道に深く関係する【主量子数】【方位量子数】【磁気量子数】【スピン磁気量子数】の関係性について講義します。この関係性の理解は,とても大事になります。機器分析のみならず無機化学や有機化学においてさえも利用する考え方ですので,【問題】も準備して解説をおこなっています。

そして,学部1年生で習う電子の入り方を学びます。電子の入り方としては,【積み上げ原理】【パウリの排他原理】と【フントの規則】を理解しておく必要があります(ここがテストに出る。というかここを出さないのはあまのじゃくなテストです)。この電子の入り方についても問題を準備して解説をおこなっています。

4つの量子数と3つの電子の入り方を学んで講義は終わりです。この続きが実は最も面白いのですが,動画の長さの関係で分けてアップしました。

周期表と最外殻電子配置

上記の動画で学んだ「4つの量子数」と「3つの電子の入り方」を用いて【周期表の成り立ち】を理解します。なお,小ネタではありますが,教科書で見る一般的な周期律表は【メンデレーエフの周期表】ではありません。教科書に掲載されている周期表は【アルフレッド・ヴエルナーの長周期】です。高校の定期試験の「虫食い問題」で良く誤答していますので先生に教えてあげてください。

周期表の成り立ちを理解することで,その電子の最外殻電子配置が「パッ」と見てわかるようになります。この結果,原子において,最外殻電子配置となりうる軌道の組み合わせは,【8種類】しかないことがわかるでしょう。つまり,原子の性質は広義には【8種類】に集約することになります。

続いて,イオンの最外殻電子配置です。イオンの最外殻電子配置は【18種類】のみとなります。この18種類の性質を理解することでイオンの性質も分類できることが理解できますし,ランタノイドやアクチノイドが周期表の【欄外】に掲載されている理由も知ることになります。

さて,本文は以上です。

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