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実験室に配属されたら覚えたい! 研究・実験ノートの書き方 5W1H方式

本資料は,言われてみりゃそうだよな?!という学生の質問から始まった研究ノートの書き方です。

本資料は,研究ノートを上手に利用して研究活動をスムーズに進めていくための考え方をまとめたものです。
研究ノートのこれといった世界的に【統一された】ルールは存在しませんが,極々一般的な方法も学ぶ機会がないのも事実です。

いや!ほんとマジで!

本資料を参考に,研究ノートの書き方を身につけ,社会に出て,上司から「マジかぁ・・知らないの?!」とマウントを取られないように,癖づけていきましょう。

とは、いいつつも・・・・

これにつきます。5W1H・・・あれ?どこかで笑

研究ノートの5W1H

When
いつやったのか? いつのサンプルなのか?

Where
どこで実験したのか? 例えば,SEMは〇〇研究室とX号館にある。どちらの装置で測定したのかが参考になる。装置には癖があったり,何よりも測定の【生データ】という財宝が眠っていることがある。

What
何をしたのか? 実験について計算も含めてきちんと書きましょう。

Why
なぜ、その実験を実施したのか? 実験をやるには何かしらの目的があるはずです。ゴールというか目的がないと,研究なんてやってられない。

How
どのようにして,実験を行ったのか? 実験は再現性が求められます。滴下についてもゆっくり滴下したのか?サッと滴下しただけで,合成の可否や生成物の形状に大きな変化を示します。

Who
誰に、実験中orゼミ中,どのようなコメントをもらったのか? 指導教官からデータが出るたびに、研究の進め方の調整や変更が行われます。きちんとメモを取りましょうね。

そして,当たり前ですが【単位】を書きましょうね。g(グラム),mL(ミリリットル)。液体なんだから,mLに決まってるじゃないですか!?と思うかもしれませんが,ビーカーと天秤を使えば液体でもgで秤量することができますよね。

研究ノートは誰のため??

研究対象のため
研究室に配属されると,新規・引継ぎ研究が開始されますが,最適な合成方法や性質は,誰も知りません。そして,学会発表や学術論文等で,【学内外】に,学会や学術論文で発信する必要があります。
また,学外に接するという経験が,社会人になっても継続されることであり,人生経験を積むうえでとても役に立ちます。積極的に【学内外】に発信しましょう。

自分自身のため
世界で誰もやっていないことを研究しています。混ぜ方・入れる順番などのちょっとしたことでも劇的に性質が変化します。特許案件(再現性必須)の可能性も大いにあります。自分が実施したことを証明してくれる唯一の物証です。名誉と報奨も手に入れることができます。しっかりと書きましょう。

後輩のため(研究室のため)
長中期的な視野のもとに,短期的に結果を出していく研究室も多くあります(ほとんどがそうじゃないかな?)。あなたが行っている研究は,後輩に引き継がれていくものですので,成功例・失敗例や思考過程なんでもが研究初心者である後輩のためになります
先輩がきちんと書いてくれていたら、二度も同じ失敗を繰り返して人生無駄にする必要はないのです。しっかり,後輩のため!研究室のため!に研究ノートを作成しましょう。

研究ノートにどこまで書くか?

研究ノートには,頭の中に浮かんだものを【すべて】書き落とします。

記憶よりも記録することが大事

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まだまだ続きますが,

研究ノートは,他人が読めれば綺麗に書く必要は全くありません。

研究ノートには,2種類あります。
・実験結果記録帳
 :実験結果が【時系列】で記載されたノート
・研究日誌
 :実験結果に加えて,議論・感想が記載されたノート

この2種類のノートを併用することはできません。自分が配属された研究室や会社のルールに従いましょう。

続きます。
本Noteは以上です。


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