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私の青春に寄り添ったKANさん

KANさんの突然の訃報に、言葉を失っています。61歳というあまりにも早すぎる旅立ちに、とても残念でなりません。近年では、多くのアーティストによって彼の曲がカバーされたり、ライブでのコラボレーションを行ったりと、その存在感を強く発揮していました。彼の独自の音楽性やセンス(ユーモアも含めて)は、多くのアーティストからも尊敬されています。カレーライスやエキストラは名曲です。

私がKANさんの曲と出会ったのは大学時代、当時お付き合いしていた彼女の影響でした。1990年にリリースされたアルバム『野球少年が夢だった』には大ヒット曲「愛は勝つ」が収録されていますが、それ以外にも「けやき通りが色づく頃」や「青春国道202」など、福岡の風景を描いた楽曲が多く含まれています。当時福岡に住んでいた私にとって、このアルバムは青春の思い出を呼び覚ますまさに名盤です。


私にピアノを演奏するきっかけを与えてくれたのも、KANさんでした。彼の曲にはビリー・ジョエルへのオマージュを感じるものが多く、恥ずかしながら、その影響でビリー・ジョエルの曲も聴き始めました。もちろん、鍵盤を弾くのは初心者で、楽譜も読めない私にとって、KANさんの曲を弾きこなすのは非常に難しいことでしたが、よく歌いながら練習していました。

無謀かもしれませんが、初めて挑戦したのは「東京ライフ」という曲でした。東京への漠然とした憧れを抱いていた私は、その切ない歌詞に東京生活への妄想を掻き立てられました。この曲は漫画「ツルモク独身寮」にも登場し、田舎から上京した男性が挫折し、涙を流しながら田舎に帰るシーンで使われていました。


私は小田和正さんの大ファンでもありますが、2019年の『クリスマスの約束』でKANさんが出演したときは、飛び上がるほど嬉しくてテレビに釘付けになっていました。ふざけるKANさんを小田さんが諌める場面は、みんなとても楽しそうでしたね。KANさんは弾き語りで小田さんと一緒に「星屑の帰り道」を歌いましたが、感動のシーンとして記憶しています。


そういえば、2017年に熊本チャリティーコンサートに出演した際にKANさんの「バイバイバイ」という歌を弾き語りしました。なぜこの曲を選択したのか今はよく覚えていませんが、歌い出しは、突然訪れる”別れ”で始まります。

静かにつむじ風吹き はらはらと花びらが散る
何の知らせもなく 予感もなく にわかにその日はやってくる

そしてこの曲は次の歌詞で締めくくることになります。

また逢えるかな また逢えるよね
バイバイバイ バイバイ バイバイ また逢う日まで
バイバイバイ バイバイ バイバイ
また逢う日まで また逢う日まで
また逢う、また逢う日まで

再びお会いすることは叶わないですが、KANさんの想いは、音楽という形でずっと私たちの心に残り続けると思います。たくさんの素晴らしい曲をありがとうございました。私のピアノ演奏は趣味の範囲ですが、これからも一生懸命練習して歌い続けます。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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