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国境なき新時代

生まれたところや皮膚や目の色で 一体この僕の何がわかるというのだろう

ここ十年来のSNSの普及によって世界が本当に狭くなったかのように感じる。
世界中の生産者やシェフ、ソムリエたちとリアルタイムでやりとりができる。
情報がそれこそ光に近い速度で地球上を駆け巡るこんな時代だからこそ
「隠れたワインの銘醸地」というものはもはや存在しないのかもしれない。

ご縁をいただき今年はじめて訪れた南アフリカも現代を代表する銘醸地だ。
南アフリカといえばスワートランドやステレンボッシュが産地として有名だが
個人的に最も興味があったのはヘルマナスという海沿いの冷涼な産地だった。

10日ほどの滞在の中で広大な南アフリカの大地を行ったり来たりするのだが
それぞれの産地で明確に異なる特徴があることがワインを飲まずともわかる。
特に海沿いのヘルマナスは風が強く陽が当たっても内陸と比べて寒く感じた。
太陽と冷涼感がもたらすブルゴーニュ的なワインは本当に素晴らしい。

このツアーで特に印象深かったワインはアルヘイトのカルトロジー。
もともと大好きなワインだったけど現地で飲んだこのワインは格別だった。
柔らかだけど気高く美しい酸、熟れた桃や洋梨、花梨の香り。
いくらでも飲めそうで実際にテイスティングにしては多すぎる量を頂いた。

今、ワインの世界の地図は恐ろしい勢いで描き換えられている。
そして同時にSNSやインターネットでその情報はダイレクトに我々に届く。
いかにアンテナを高くして世界中から寄せられる情報をキャッチしていくか、
いかに小規模な生産者の志を感じられるよう身構えていられるか。

国境なきワイン新時代、青空は昔と同じように繋がっている。



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