自分の家系図を作るための基本の「き」

結婚を機に自分のルーツが知りたくなった、テレビの「ファミリーヒストリー」を見て真似したくなった人はいませんか。私もそのうちの一人でした。5年ほど自分のルーツを調べた結果、今や把握できた親戚は400名を超えました。

そこから分かったこともあるのですが詳しくはいずれ書くとして、友人から「自分もやりたい」という声が複数ありました。というわけで、ここではまず家系図を作るための基本的なことをご紹介したいと思います。

家系図の基本情報となる戸籍とは

自分の親であれば「どこでいつ生まれたか」を知っているかもしれませんが、祖父母となると途端に分からないと言う人は少なくないのではないでしょうか。そういった家族の基本的な情報や、親子や兄弟のような親族の関係を記載しているのが戸籍です。

戸籍は本籍地と呼ばれる住所のある自治体で管理されています。家系図作成では、その自治体に所定の書類を提出し費用を払って、戸籍全部事項証明書や戸籍謄本(とうほん)を取り寄せていくことになります。戸籍全部事項証明書は電算化以降のもので戸籍謄本はそれ以前の手書きのものですが、書かれている内容構成は同じです。以下まとめて「戸籍謄本を取る」と言うことにします。また、良く似たものに戸籍抄本(しょうほん)というのがありますが、こちらは個人の情報だけが記載されていますので、家系図を作成する目的では不要です。

このとき誰でも他人の戸籍謄本を自由に取れるわけではなく、自由に取れるのは自分直系先祖に限られます。つまり、父親・母親の両親(祖父母)、さらにその両親(曾祖父母)です。男系に限られるなどはありません。それ以外の人の戸籍謄本を取るには場合は同意書が必要になります。

戸籍謄本を取るために、まずは何から始めるか

最初にすることは自分の戸籍謄本を取ることです。もし既に読者の方がご結婚されていれば婚姻届を出した際に本籍地を決めたと思いますので、そちらの自治体に問い合わせることになります。そうでない場合は、ご両親の戸籍にご自身は入っている状態なので、どこに本籍があるかをご両親に確認してその自治体に問い合わせます。

ここで、本籍地≠居住地(住民票があるところ)ということに注意が必要です。全く住んだことがない場所、極端な話縁もゆかりもないところでも本籍地にすることは可能です。実際、私の場合も結婚するまでの本籍地は祖父の出身地である新潟にあり、父も数回訪れたことがあるだけ、私は1度も行ったことがない場所でした。

本籍地のある自治体が近ければ、そこの役所の戸籍住民課に出向いて請求するのが最も簡単です。基本的に必要なのは、
1.請求者(あなた)の情報(住所など)
2.請求する戸籍の筆頭者の名前と本籍地の住所
3.請求理由
4.戸籍の筆頭者との親族関係を証明する書類
です。これらを記載する様式が窓口にあるので、書き込んで提出します。

1と2は良いと思うのですが、3の請求理由は「家系図作成のため」とすればOKです。4は自分自身の時は特に不要で、次のステップとして自分の両親の戸籍や祖父母の戸籍謄本を取るときに最初に取った自分の戸籍謄本がその書類になります。このようにして、自分→親→祖父母という順番に丁寧に請求していきます。

ここで請求する際に「自分の祖先で戸籍謄本が取れるだけ取りたい」と窓口で伝えることが一つポイントです。というのも、本籍地を祖先を通して移動していなかったり、同じ自治体の中での移動であった場合、一気に芋づる式に請求することができるからです。さらに、家系図作成が目的と伝えていれば、その自治体で取れる範囲を超えるものについて、どこの自治体に問い合わせれば良いかも具体的に教えてもらえます。(意外とこれが重要で、町村合併などがされていると、戸籍謄本に記載されている本籍地が今どこの自治体に属しているのか分からないこともあります。)

郵送で問い合わせることも可能で、その場合のやり方もそのうち詳しく書きます。ポイントは上記に加えて返信用の封筒・切手、手数料の小為替が必要というところでしょうか。

家系図を描くためのおすすめツール

さて、少なくとも自分や両親の戸籍謄本ぐらいまでは無事入手できたとして、次にそれをどう整理していくかをご紹介します。

世の中には有償・無償の家系図作図ソフトがあるのですが、作成する家系図情報そのものを子や孫に引き継いで行くために、できるだけ汎用性が高くソフトのサポートが安定している(だろう)という観点から、EXCELをベースとしたものがおすすめです。私が使っているのはken氏が作成されフリーウェアの「家系図作成ソフト」です。

操作は簡単なので、EXCELを使ったことがある人なら誰でも使えると思います。参考までに、使い方をご紹介されているWEBサイトを貼っておきます。

ただ、このツールでもできないことがあります。そのうちの1つが離婚した相手を家系図上に記載できないということです。そもそも記載する必要があるかどうかということもありますが、戸籍を辿っていくと複数回離婚・再婚するというケースも珍しくないことに気づきます(その辺の詳しい話はまた書きます)。それを記載できないのはやや不便です。

また、個人のプロフィールを備考欄に記載することができるのですが、プレビューでは名前をクリックした際に出るポップに記載され、印刷時には記載されません。作成した家系図を元に親族などと話をする際は、どういう人かを簡単に記載できれば良いと思うのですが、今のところは(ベースがEXCELであることを利用して)直接補足事項を手入力するのが良いと思います。

最後に

本稿では家系図を作成をスタートする方に向けて、戸籍の調べ方とまとめ方を簡単にご紹介しました。実際に始めると旧字体での記載や家制度の理解が無いと読み解けなかったり、戸籍以外の情報源と突き合わせてより質の高い家系図にしていったりということが課題になってきます。それについてはまた本稿の反響を見て書きたいと思います。乞うご期待。

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