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人前でグラレコをするために必要なこと 〜事前準備から本番まで〜 Panasonic 100th セミナー

こんにちは。くぼみです。(@kubomi____)
今回初めて、お仕事として人前でグラレコさせていただく機会にめぐまれたので、事前準備から本番までにやってよかったこと・学んだことをまとめます。

目次

- 成果物
- 目標設定
- 予習(1週間前〜)
 - 予習する対象
 - 予習の段階で意識すると良いこと
- 事前確認(数日前〜)
 - 表示環境について、事前に聞いておくべきこと
 - 事前の表示テストでチェックすると良いこと
 - 内容について、事前に聞いておくべきこと
 - 下書きをもとに、確認をとると良いこと
- 事前準備(直前)
 - Procreateの設定
- 本番
 - 本番中に気をつけること
 - iPadグラレコ 本番中の机の上
 - あると便利なiPad周辺機器
- 本番終了後



成果物

会社の先輩の紹介により、パナソニックの創業100周年の記念フォーラムのセミナーの一つ『映像コンテンツとハードウェアの未来』で、ライブでグラレコさせていただきました。

まずは結果から。このような会場でスクリーンを一枚用意していただき、iPadで描いていく様子を短焦点プロジェクターで投影していました。
右側のスクリーンです。その右隣に座って描いています。

今回のチャレンジは、60分の間に喋る人が6人もいるという密度の濃いセミナーをいかに分かりやすくまとめるか、というところでした。


開演までの待ち時間に表示しておいた表紙

60分のセミナーをまとめたメインのグラレコ


イベント詳細


事前準備から本番までにやってよかったこと・学んだことをまとめます。


目標設定

グラレコをするにあたって、「誰のために」「何のために」やるのかをしっかりと見定めることが非常に重要だと考えています。たとえば、「その場にいる人に分かりやすい」を実現するのと、「初見の人に分かりやすい」を実現するのには、異なるアプローチが求められます。それを目にする媒体も異なりますし、事前知識のレベルも異なります。プロジェクターで大画面で見るのか、スマホの画面で見るのかでも、求められる情報の粒度は全く異なります。一度話を聞いた人が「こんな話あったな」と思い出せることと、初見の人がそれを見ただけで分かることとは、全く違います。目的に合わせて、そのバランスをとることが非常に大切だと考えています。

今回のグラレコの役割は、2つあったと思っています。

・会場に来ているお客さまにリアルタイムで分かりやすい記録であること
・関係者の方々がのちのち共有しても分かりやすい記録であること

メインの目的は会場での共有なので、今回は16:9のキャンパス1枚に、60分のセミナーをまとめることにしました。ページを分けて、1画面あたりの情報密度を下げることも考えましたが、会全体の記録を一望できることのほうが重要だと考え、1枚にまとめることにしました。

開場から開演までのお客さまの待ち時間に、タイトル、メインビジュアル、これからおこなわれるセミナーの目次、登壇者情報を表示しておくと良いのではないかと思い、表紙を1枚つくりました。

予習(1週間前〜)

人前でグラレコをするのであれば、予習は不可欠です。同時通訳者は、事前にプレゼンの原稿を読み込んでいます。グラレコも、同時通訳のようなものです。ただ、他の言語に翻訳するのではなく、絵に翻訳するという違いがありますが。本番で、内容を知っているのと知らないとでは大きな違いがあります。事前にわかる情報は、全て集めておきます

予習する対象

・登壇者情報(顔写真とプロフィール)
・発表に使うプレゼン資料
・関連記事やインタビュー記事
・著書

もちろん目を通すだけでも予習はできますが、受験勉強で「過去問」を解くように、実践してみると、「わかる」が「できる」に変わります

インターネットでインタビュー記事などを漁り、関係がありそうな話を、図解してみたり、キーワードを抜き出してみると、大変役に立ちます。テスト前に、テストに出そうなところをヤマをはって勉強するイメージです。本番、この話してくれたらラッキー!と思ってたくさんネタをストックしておきました。実際、これは非常に役に立ちました。これをやっておくと、精神的にも心強いです。

発表に使うプレゼン資料を事前に送ってもらうようにお願いするのも欠かせません。発表者が直前まで編集している可能性があるので直前までもらえないこともありますが、絶対に事前に目を通しておきましょう。

予習の段階で意識すると良いこと

・知らない言葉があったら調べる
・書けない漢字がないか確認する
・発表者の信念やポリシーをよく理解する
・話の構造を理解し、図化する

本番中、即興で聞いた話を図化するのは非常にレベルが高いことだと、日々感じています。事前に分かりやすい図解を研究しておくと役に立つと思います。本番、このメモを別のスマホやタブレットで表示して隣に置いておくと、カンニングペーパーのようなネタ帳として使えます。

事前に予習していたメモ

このときに湧いてきたイメージをもとに、本番でもメインビジュアルとして使いました。


事前確認(数日前〜)

表示環境について、具体的に確認しておきます。

表示環境について、事前に聞いておくべきこと

・開場の大きさ
・収容する人数
・プロジェクター/ディスプレイの画面サイズ
・プロジェクター/ディスプレイとの接続方法
・テーブルと椅子

以上のことがわかったら、表示テストをしてみます。iPad上で見る画面と、プロジェクターやディスプレイでそれを映したものでは、見え方が異なります。わかった表示環境の条件をもとに、事前に、会場での表示環境と近い環境を作ってテストしてみるとわかることがたくさんあります。そのときに、以下のことに気をつけてテストすると良いと思います。

事前の表示テストでチェックすると良いこと

・読める最小の文字サイズ
・色の見え方


イベントの内容についても、発表者に詳しく聞きます。

内容について、事前に聞いておくべきこと

・イベントの意図
・イベントのアジェンダ
・登壇者プロフィール
・発表につかうプレゼン資料

イベントの意図やスケジュールを聞き、下書きレベルで描いて、発表者に事前に共有してすり合わせておくと安心です。

下書きをもとに、確認をとると良いこと

・情報に誤りがないか
・下書きのレイアウト(スペースの配分)
・イベントの中でどのようにグラレコを扱うか

以下、事前に発表者に見てもらった下書きです。


事前準備(直前)

私はProcreateというアプリを使っています。以下、準備しておくとよいこと。

・ブラシやカラーパレットを準備する
・設定>キャンバス>描画ガイドで、グリッドを引いておく
・タイトル、登壇者情報・似顔絵など、あらかじめ描ける情報は描いておく

グリッドを使うことや、ブラシセットを用意しておく、という知恵は、先人のタムカイさんに教えていただき、非常に参考になりました。

表紙は完成させておきます。許可をいただいて、自分の名前と情報も入れさせてもらいました。

メイン。絶対に使う似顔絵やタイトルをレイヤーを分けて準備し、レイヤーを非表示にしておき、本番で出番が来たときにレイヤーを表示します。


本番

いよいよ本番!

本番中に気をつけること

・人の話をちゃんと聞く (一番大事)
・聞いたことをすぐに書かない
・要点をまとめてから書く
・重要度の高いものと低いもののコントラストをつける
・時計をこまめにチェックしてペース配分する
・強調表現、イラスト、装飾は余った時間に描く
・プレゼン資料や事前に描いたメモを手元の別の端末で表示しておく
・わからない漢字はスマホで調べる

メイキング映像

iPadグラレコ 本番中の机の上

今回、iPadグラレコに必要なものを買い揃えたので、リストアップします。

あると便利な持ち物

・Apple Pencilが入るiPad Proケース
・書き味向上ペーパーライク 保護フィルム
・Apple Pencil 替芯
・3mのlightningケーブル
・大容量モバイルバッテリー
・タコ足配線

▼以下の記事にiPad便利グッズをまとめています!


本番終了後

・はやく、たくさんの人に見てもらう

情報は速さが大事です。なるべく早く、熱いうちに、必要としている人たちに届けることが重要だと学びました。後の取り回しが良いのもデジタルでグラレコをする強みです。すぐに画像として書き出して、関係者に共有すると、とても喜んでもらえます。


▼パナソニックさんの記事にもまとめられています!
新たな空間価値を生み出す、映像コンテンツ×ハードウェアの未来とは? - Stories - Game Changer Catapult - Panasonic


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