コロゴジラ

私がゴジラを好きなワケ

ゴジラについての解説は、あまりに野暮なので端折りますが、普通の大人の女(ややマニア傾向ありですが、それほどではないレベル。笑)である私が何故「ゴジラ」に心惹かれるのかを書きたいと思います。

昭和生まれの私にとって幼少期の娯楽といえばテレビと漫画と歌謡曲。特にテレビは海外モノも含め漫画アニメや初期の特撮モノなど実験的な作品が続々と放映され、子供達は(男の子のみならず女の子も)夢中になって見てたものです。今の時代とは違いテレビばかり見てるからといって家に閉じこもっているというのでもなく、ドラえもんの世界のように外でもガンガン遊び走り回ってた記憶があります。おとなしかった私でさえ男の子のように真っ黒になりながら、まさに絵に描いたような ザ・昭和の子供でした。

じつは私、怪獣が大好きというわけではありません。親しみはあるものの好きな怪獣は数えるほどしかいません。私の年代の大人の女は怪獣の話など皆無なので、数えられるほどもいるのか!…とも言えますが(笑)私の場合、大好きな怪獣は部屋に飾って側に置きたいタイプなので一風変わった大人の女と思ってください。(見た目、大人でも心が永遠の子供。笑)

最初の怪獣映画

「ゴジラ」は私が生まれる前の作品なので親の代のがリアルタイム。私が最初に観た怪獣映画は「大怪獣ガメラ」でした。ゴジラとは違いガメラは巨大とはいえ身近な生き物のカメ。性格も良さそうで可愛かったし子供の味方というのが何とも子供心に親近感を持たせてくれたので大好きでした。ガメラの血が青いのも神秘だ!と目を輝かせて真剣に受け止めてました。可愛いな私(笑)当時の映画館は普通に娯楽として定着していて、いつ行っても満席に近かったのを覚えています。怪獣映画を大画面で見たくて見たくて、親にせがんで映画館に連れて行ってもらったものの満席でチケットが買えずということも度々でした。自力で映画館に行けるほど都会に住んでいたわけではないので子供の頃にゴジラを映画館で観る機会が得られず、じきに怪獣への情熱も冷めテレビ放映される時に何となく見ていた程度でした。こうして、私がゴジラを映画館で観るようになったのは随分時間が経ってからでした。

平成になってゴジラが再び帰って来てムクムクと怪獣熱、いや、ゴジラ熱が急に私の中で蘇って来たのです。映画館で観ることが叶わなかったゴジラをあの大画面で初めて観る!という興奮。相方の(もう一人の久保マシンである)くぼがゴジラ好きだったこともあって、ゴジラの新作が公開される度に二人で恒例行事かのように足繁く通い始めたのでした。

途中、ガメラが平成三部作で再登場した時には感動で涙!特撮作品としても素晴らしかったので何度も何度も映画館に足を運んではゴジラ以上の喜びを感じてたのを今でも覚えています。

ゴジラ好きから学ぶ

実際、ゴジラに関しては子供の頃から東宝チャンピオンまつりを一人で映画館に観に行ってた(さすが都会っ子)相方の くぼの熱の入れようが本格的で、私などは大人の一般女性の皆さんに比べれば好きレベルが高い!という程度ですが、邦画マニアで怪獣好き(主にゴジラとガラモンを中心とした おもちゃコレクター)の くぼの おかげで成田亨(彫刻家、画家、怪獣デザイン)や高山良策(画家、怪獣造形)についてもそれなりに詳しくなり、幼少期に見てたテレビの世界の制作、創作について学ぶ機会にも恵まれ、都内の美術館などで関連する展覧会などがあれば両氏のデザインや作品を積極的に見に行ったりもしました。ゴジラの第1作も深いですが初期の頃の円谷特撮のテレビ怪獣も色んな意味で深い。女ですが、私も きっちりそれを見て育った子供の一人なので興味は尽きないです。その経験を生かせるかどうかは分からないけれど、モノ造りというものの考え方を教えられた気がします。

話をゴジラに戻します。

多くの日本のゴジラファンがそうだったように、ハリウッドに進出したゴジラを観た時の衝撃&ガッカリ感は最悪で思い出すのも悲しい。ゴジラは少々退屈でも日本のゴジラがいいと再認識させられた日でした。映画館はいつもガラガラだったけど、それでも大画面で観る日本のゴジラが好きでたまらない。日本のゴジラがFINALを迎え再びゴジラが眠りについた後、10年後にモンスターバースシリーズになってアメリカ版ゴジラが戻って来た時、またあの悪夢が蘇ってしまうのか?と嬉しさ怖さが半々。たしかに前評判は良さそうで予告も期待感が高まったし実際まあまあ良かった。だけど…個人的な感想を言えば、正直、やっぱり何かが違ってた。何だか とっても惜しい!

日本と世界のゴジラ再び

そしてついに日本でも「シン・ゴジラ」という これまでにない斬新で素晴らしい作品で再びゴジラが大注目される日が!こんな注目のされ方は初めてなんじゃないかと思う。日本人の作るゴジラは やっぱり凄い!とびきり才能ある監督たちが創ったということもあるのでしょうが、私的には何よりゴジラの取り扱い方が日本と海外では全く違うということに注目したい。ゴジラをゴジラとして絶対的に変えない部分がある。そこをしっかり押さえてるということ。

これまで映画館の空席が目立つガラガラのゴジラ映画が、珍しく観客で溢れてました。明らかに何かが変化してる。そして2019年7月現在、公開中の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」まさかのチケット完売!? 冗談かと思ったけど、本当に4時間も待たされて私達は観たのだった。この作品、いろいろ突っ込みどころもあるし個人的には いろいろ思うこともあるのだけど、日本のゴジラに対するリスペクトをこれでもかというぐらい感じて、とても嬉しくなってしまった。その影響もあってか(ストーリーが一部???なとこもあるけど作品は全体的に素晴らしかった!)初めてアメリカ版ゴジラもいいなと感じたわけですが、やはり日本人としては核兵器の扱いが気になります。これは日本のゴジラではないのだから。別物のゴジラ。そんな風に強引に納得させなければ、この決定的な違いには戸惑うことに。

もう一つ余計な感想を付け加えると、モスラはリアルじゃない日本のチープな作りのが私は好き(笑)いつまでも ぬいぐるみのような可愛いモスラを見ていたい。モスラの幼虫も同様。あの子達は双子でなくちゃ。ピューピュー糸吐きながら戦う小さなキモ可愛い2匹のヒーロー。ブンブン飛ばされても踏ん張るあの子達の姿がとても見たかった。そこがとても残念(そんなことを期待するのは私だけなんだろうけど。笑)

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1964年4月29日 公開『モスラ対ゴジラ』ポスターより(制作・配給は東宝)
(モスラ母さんを助ける↑双子幼虫のピューピューが見たかった。笑)


私がゴジラを観に行く理由

平成から もう長いこと映画館で「ゴジラ」を観続けている私ですが(映画館では観れなかった過去作はテレビやビデオで一通り)くぼに言わせると私が大好きなゴジラは平成版に限定されてるそうです。そーだったのか!(笑)たしかにそうかもしれない。

いつもゴジラを観た後に私が くぼに言う感想はゴジラの顔についてでした。今回の顔はイケてたとか吠えっぷりがイイとか憎々しい口の筋肉の動きが凄いとか上唇の盛り上がり最高とか(笑)そう、私がゴジラで一番に気にしているのが上顎?を中心としたゴジラの顔。目も大事なんだけど、とにかく口!むき出した牙!鼻の動き!憎々しい威嚇前の口の動き!これ物凄く大事なポイントなんです。全体のフォルムも大事だけど、口が丁度いい盛り上がりで悪そうじゃないと気にくわないのです。いつからか私のゴジラの基準がコレになってた。

そうなんです。私はゴジラの顔に↓コイツの面影を見てたのです。

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あのゴジラに↑「威嚇するコロちゃん」の姿を重ねて見てたわけです(笑)

ゴジラの中のコロちゃん

6月からnoteで描き始めた連載「コロちゃんが大変」ですが、本当に日常的にコロちゃんから威嚇されてたので(笑)映画館でゴジラを観る度に「あ!この感じ!コロが私を威嚇する時の顔の動き!」と なって、自分でも気づかないうちに、いつの間にかゴジラの中にコロの面影を求めていたのでした。そんな理由でゴジラが好きとか言ってしまう私。

爬虫類や恐竜に近いアメリカ版のゴジラにはコロの面影は全く感じられず、犬の顔に近い日本のゴジラの中にこそ、コロちゃんは存在してます。

とはいえ、コロの面影が無いゴジラでも作品は気になるので「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」も字幕と吹替の2回 観に行って来ました。Twitterでもボヤきましたが、字幕を街の映画館で観たので吹替は何を血迷ったのか一度も行ったことのない駅から徒歩30分以上かかるローカルな映画館へ。

映画館につながる道

普段から歩くのが好きなので30分は軽いと思い込む。散歩がてらのつもりが…、ま、まさかの街道旅に!?  映画館行くのに竹林の中を通って行く!という前代未聞の あり得ない展開に!!!(嘘のような本当の話)

これが その竹林↓行けども行けども竹林しか出て来ない…

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竹林は、それはそれは美しい風景でした…(って違うから!笑涙)

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映画館行くのに何だって竹林の中歩いてるのか(笑)駅から どんだけ離れているんだ!とか、こんな道とは聞いてないよ!と後悔しても、すでに遅し。もはや山越えしてるとしか思えない。結局、40分以上かかって竹林を抜けました。映画って、こんな苦労して観に行くもんだっけ?(当日iPad持参してたので映画が始まる前に↓くぼがこんなこと描いてました)

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ローカルな映画館は竹林を抜けた先のショッピングモールの一角にありましたが、平日ということもあってか観客が ほとんどいません。映画を観るときは必ず寒くなるので毎回ブランケットをお借りするのだけど、ここの映画館では貸出サービスは一切なく、買取ブランケットならあるとのこと。マジですか。街の映画館のが近かっただろうに誰がこんなローカルな映画館へ行こうなどとホザいたのか! あ、私でした(汗)

映画館で客席ガラガラのゴジラ映画を観るのは通例のことですが、まさかの展開に危うく久保マシン貸切状態になるところでした。

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そりゃ竹林抜けて行くような田舎の映画館で平日だけど、1日に たった1回しか上映されない状況でコレは厳しい。次回作のゴジラが、ちゃんと上映されるように土日はたくさん入っててほしいと願う。私達は もう二度と この映画館には行かないとは思うけど(笑)頑張れ映画館!頑張れゴジラ!

それにしても吹替…田中圭の声だけ合ってなかった(泣)絶好調の田中圭にオファーしたい気持ちはわかるけど、20も年上の声をやらせるのは酷だったんじゃないかと。個人的には田中圭が好きなので(もうずっと以前からのファンだったりするので)怒ったりしない。むしろ田中圭の吹替を聞きたくて2回目を行ったようなところがあるので、まんまと策略に乗せられてしまった自分の愚かさに笑っている。酷評の嵐だろうけど、頑張れ!田中圭!

次回のゴジラは、いよいよコング。「キングコング:髑髏島の巨神」も面白かった。どんな扱いになるのか謎だけど期待で一杯。じきにメカギドラも来そうでワクワクが止まらない。日本版のゴジラも心待ちにしてる私。どんなにコングが牙むいてもコングはコングでしかない。アメリカ版ゴジラだって そもそも全体のフォルムが日本のゴジラとは違うので、私の中のゴジラ基準からは離れてる。鼻息がやたら荒い今回のゴジラは面白かったけど(笑)

そろそろ またコロちゃんに会いたくなって来た。


<おまけ>

最後に私の好きな怪獣が気になってる方の為に、おまけで書いておきます。元気に真っ黒になりながら走り回ってたとはいえ、寂しい子供時代を送ってた私が大好きな怪獣は主に哀愁系。ガバドン、シーボーズ、ウー、ピグモン、ガラモン、モスラ、カネゴン、M1号、ガメラ、怪獣ブースカ、大魔神など。特にガバドン、シーボーズ、ウーは自分の幼少期の寂しさとダブってて哀しい。

<追記>

ガバドンは子供の落書きが本物の怪獣になったというもの。正式にはガヴァドンとのこと。私が大好きなのは土管に最初に描かれた下手くそな方のガヴァドンA(カッコ良く描き直されたのはガヴァドンB) ミニソフビ人形をくぼに貰った時は歓喜して踊ったなぁ(笑)今も とても大事にしている。


4コママンガ:久保マシン(Y)くぽりん
イラスト&写真&文:久保マシン(C)くぼちー


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