抗えない事がある
この世の中には、常に不条理がまといつく
例えば、いつか私達は死んでしまう事
例えば、お別れを何度か経験しなきゃいけない事
伝えられたサヨナラの数が、これっぽっちしかない事
雨で、全てが止まってしまう事

街の光がやけに寂しく、私達を照らす暇なんて無い
そこに自身の明かりを灯すだけで、誰も何も受け付けない
私だってその1人かもしれない
今、進んでいるこの道は、誰かの為などと言いながらも
決して、自分のためじゃない訳がない
今を半ば少し諦めながら、明日をなんとかたぐり寄せる為に
こんな戯言などもこの雨には不条理でしかない
登る階段ですれ違った、淡い感触の彼岸花
つい見惚れた私を一瞥して、私達の想いと裏腹に闊歩する
誰かを射抜くそんな視線で、貴女は不条理とさえ立ち向かうのだろうか
美しい
ただ美しくあれ、と願った
その為には私などは無用そのもの
そっと足を翻し、また泥臭く
しかし離しはせず、太陽の輝きを捕まえにいくのだ

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