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NASAと共同開発!眼科装置開発のすヽめ〜後編〜

こんにちは。
窪田製薬ホールディングス広報の市川です。

窪田製薬は、”世界から失明を撲滅する”ことをミッションとし、目に関わる創薬、デバイス開発を行っています。創業者の窪田については(こちら)にまとめてありますのでご覧ください。

創薬業界は、専門用語も多く、一般的にわかりにくい業界であることから、このブログでは、できるだけ噛み砕いた情報を発信していきます。少しでも窪田製薬の開発に興味関心をお持ちいただければ嬉しい限りでございます。
(正式なリリースや最新情報はコーポレートサイトをご覧ください。本サイトではあくまでも既に発表した情報をまとめてお伝えしております。)

今回は、窪田製薬が開発している超小型OCT「PBOS」についてや、NASAと共同開発を進める宇宙飛行士モニタリング機器について、この二つの違いやビジネスにおけるシナジー効果を解説していきます。まだ前編をご覧になっていないという方はこちらもご覧ください。

窪田製薬、NASAと共同開発へ NASAの課題と狙い

現在NASAは「2030年に人類を火星に送り込む」という有人火星探査ミッションを掲げています。

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人は、宇宙に長期滞在すると、様々な健康被害を受けることがわかっています。

1960年代にも宇宙飛行士から「宇宙飛行中に目が見えにくくなる」という話は出ていましたが、現在その中でも深刻な課題になっているのは、”SANS(サンズ)”という目の病気。宇宙飛行士の約半数に、眼球の後ろにある脳と眼が繋がる「視神経乳頭」という部位 (下図参照) の神経がむくんだり、近くが見えにくくなるなどの症状がでることがわかり、宇宙空間で目の検査をすることの重要性がクローズアップされてきました。

2000年以降は、半年毎に、宇宙への長期滞在が行われていますが、2005年頃よりSANSが特に問題視されるようになり、2013年にOCT(光干渉断層計)がISS(国際宇宙ステーション)へ飛び立ちました。

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しかし、残念ながら、機器自体の操作の難しさ、解像度の粗さなどから、ほとんど研究に必要なデータを取ることができませんでした。

また現在ロケットを飛ばすには、1kgあたり約100万円というコストがかかります。地上から約400km離れたISSでさえ、届けるのに莫大な費用がかかるため、月や火星へ持ち出すことを想定すると、ほんの僅かな差であっても軽量化されていることが重要です。

0.1gでも軽くて、誰でも操作ができる、そして解像度の高いデバイス...

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そこで窪田製薬に白羽の矢がたちました。

窪田製薬とNASAのシナジー

窪田製薬の開発しているPBOSは、眼底を検査する機器です。日本の失明原因の第一位である緑内障の検査に用いることができます。

緑内障は、眼圧という、”目の圧力”が高くなることによって、じわじわと少しずつ、視野の外側から見えなくなる病気です。見える範囲が狭くなったり、部分的に見えなくなる進行性の病気ですが、初期症状に気がつくことができないのが特徴的です。

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緑内障の検査では、⑴眼球に空気をあて、押し返す力を測る「眼圧検査」、⑵専用のコンタクトレンズを目に押し当てて観察する「隅角検査」、⑶特殊な機械で、小さな光が見えるか見えないかでボタンを押す「視野検査」、⑷網膜の断面を見る「眼底検査」が用いられ、その結果を総合的に判断します。中でも⑷「眼底検査」では、視神経乳頭や網膜の厚さを測ることにより、緑内障を適確に診断できることが増えています。窪田製薬が小型化しようとしているデバイスはまさに⑷「眼底検査」機器です。

当初のPBOS開発計画では、まずは網膜の厚さを測れるようにした上で、視神経乳頭の検査もできるよう、段階的に開発する予定でした。しかし、今回NASAと共同開発を進めることとなり、視神経乳頭の検査機能の小型化も前倒しで開発することができるようになりました。

先ずはNASAへ納品できるよう、宇宙で診断可能な、高い解像度と耐久性、操作性を実現していきます。その技術を応用し、PBOSにも還元させ、小型化した一つのデバイスで、視神経乳頭や網膜の厚さが測れるように開発を進めていきます。窪田製薬にとって、NASAとの共同開発は、売り上げに繋がることはもちろんのこと、その技術は、窪田製薬の掲げる”4方良し”の世界観の実現に繋がります。

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”世界から失明を撲滅する”
患者様のご期待、多方面からの声援に応えられるよう、これからも日々精進してまいります。


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