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アート思考×デザイン思考で、みんなが自分の豊かさを見つける!一般社団法人i-ba代表理事 柴田雄一郎さん

アート思考でAI時代における新しいクリエイティブな生き方を発信する 一般社団法人i-ba代表理事 柴田雄一郎さんにお話を伺いました。 

プロフィール
一般社団法人i-ba代表理事
京都造形芸術大学【縄文からAIまでの芸術進化論】非常勤講師
熊本大学 法学部【地方創生とSDGs】非常勤講師
一般社団法人地域デザイン学会 アートフォーラム主催
トヨタ自動車、ファミリーマート、ソフトバンク他の新規事業立ち上げのクリエイティブディレクターを歴任し、2015年には経産省・内閣府が運用するビッグデータを集約し、可視化を試みるシステム「地域経済分析システム(RESAS)」のプロジェクトマネージャーを担当。また、地域活性を目的にしたアートフェス、野外音楽フェスのプロデュースの他、自らアーティストとしても活躍。IT系バーチャルとリアルイベントの双方で数多くの企画を立案。1640名が参加したSDGsの国際会議「サステナブル・ブランド 国際会議 東京」のワークショップGlocal Design @ Future Labではファシリテーターを務める。

 人との本質的な繋がりに可能性がある

Q これからの夢、ビジョンはなんですか?

柴田雄一郎(以下、柴田)さん ビジョンはないですね。天命に従うというか。なんにもないほうがいいんですよ、からっぽのほうが。常に空っぽの器であることが大事なんです。

企業でも、事業計画とかを作るとしたら、必ず「上がっていく」ことを書かなければいけない。でも、実は日本の国際経済成長率は、全世界で191ある国の中で、166番目位なんです。さらに、30年前日本の企業は世界の時価総額ランキング10位以内に7社ランクインしていたのに、現在ではやっと35位にトヨタ自動車がいるという状況です。それにも関わらず、上がっているように見せないといけないのは、違和感がありすぎます。今は成長幻想ではなく、衰退社会の幸福論を前向きに考えるべきなんだと思います。

 地方創生のためのビッグデータビジュアライズ(地域経済分析システム”RESAS”)のプロジェクトマネージャーをした時に、日本の人口、観光、産業など様々なデータを可視化したのですが、ずっと増えてきた日本の人口が、2004年をピークに急激に下がるということが明らかにわかったんです。日本は人口だけではなく経済においても成長を続けてきましたが、すでに衰退社会が始まっていることに多くの人が気がついていない。もしくは、気がついていないふりをしているんです。

衰退する日本が見えた時に、やばい、身の回りからなんとかしないと、まさに「Think Globally、 Act Locally」と思ったんです。それで、国とか大手企業の仕事を辞めて、まずは身近な逗子の地域のコミュニティーに目を向けて、ここ数年、子どもの教育やアートフェスティバルを通じて自立した町をデザインする社会実験を行いました。

最初は悲観的でした。でも、人と出会っていくにつれて、経済的な生産性という利害の繋がりではなく、もっと人と人の本質的な繋がりに町や人の自立の可能性があることが見えてきたんです。

記者 これまでと違うビジョンが見えているということですか!

柴田 老子の言葉で「無為の為」があります。「何もしないで事が成る」ということですけど、これ究極じゃないですか。究極的にはそういう感じになりたいと思っているんです。何かさせられる、何かをする、何になるというのではなく。支配されているのでも支配しているのでもないのに、ことが成っていく、、

これまで仕事として大企業や国の仕事など、ロジカルシンキングの世界にいましたが、それは自分の本質とは真逆のところだったと思うのです。その中でも自分のひらめきを信じてきました。だからこそ、自分の本質のところでやりたい今があります。そこでつながる人間関係や、自分の本質や内面的な発想に向き合って自立すること、それぞれの人のひらめきや発想に向き合うことが、アート思考=アートフルネスの基本だと思っています。 

興味を持ったことに純粋に動く

 Q その目標、計画に対して、どんな活動方針、基本活動をしていますか? 

柴田 できるだけ興味を持ったことに純粋に動くことです。
結局僕は、なんだかわからないとよく言われます(笑)トランペッターでもあり、DJでもあり、アートフェスプロデュサーや大学講師、新規事業開発もするし。はたから見たら、ただやりたいことをやっている、一貫性がないように思われるでしょうが、自分の中では全部一貫していてブレていないんです。僕が何をやっている人かも、出逢った人に決めて貰えばいいと思っています。

人間て「やらされていること(やらなきゃいけないこと)」と「やりたいこと」の二つしかないんです。どっちの振り幅で行くか、その割合で自分の生きている価値、楽しさが決まるとしたら、「やらされてること」が少ない方が楽しいに決まってる。だから、やりたいことを直感で動ける、空っぽの器の状態を作っておくんです。

 あと、これまでは付加価値があるから成長してきた時代だったと思うんです。でも今みんなその付加価値に対して、本当に欲しいの?本当に羨ましいの?って、疑問に思いはじめています。幸せの本質はそこじゃなかったとみんなが気づけば、経済が疲弊してもなんともないはずです。その価値観の側に乗って行った方が、幸せに生きられる。みんなが自分の豊かさを見つけたらいいなと思っているんです。 


Q 夢、ビジョンを持ったきっかけは?そこにはどんな発見がありましたか?

柴田 トヨタ自動車で大きなプロジェクトを中心で進めていた時、虫垂炎で倒れてしまって。九死に一生を得て会社に復帰したら、自分のポジションに3人も人が充てられていて、なんで倒れる前に人をつけてくれなかったんだよ、と思って、会社に対する信頼を失いました。プロジェクト自体も、最初はすごく夢のある企画だったのに、だんだん会社の押し付けになってしまったこともあって、結局40歳くらいの時に会社を辞めました。その後1年間ぐらい仕事をしませんでしたね。

そして再スタートで宅配のバイトを初めて、山の上のお宅に荷物を運んだ時に、その家のおばあちゃんがポカリスエットをくれたんです。見ると、玄関にポカリが山積みになっていて。これはおばあちゃんが、来てくれた人みんなにお礼をしているのかと気づいた時、これが「商売」だ、と思ったんです。本当の付加価値は「感謝」なんだってわかったんです。

企業も大きくなると感謝を生み出す「本当のサービスや価値」が見えなくなってしまう。それに気づいたのがその時でした。やってることで、お客さんが楽しんで、僕が楽しんだらそれでいいのに、だんだん生産性や合理性といった、企業の押し付けになってしまっていたんです。

より内面的な発想ほどアート思考になり、イノベーションが生まれる

 Q その発見や出会いの背景には何があったのですか? 

柴田 幼稚園で工作の時間に、お父さんにプレゼントを粘土で作ろう、というのがあったんです。そこで僕は、花瓶のつもりで作っていたのだけど、その僕が作っているものを見た園長先生が、「おう、お父さんに灰皿を作ってあげるのか。」と、ペタペタ潰されて灰皿にされてしまった。いまだに忘れないです、あの瞬間。今も多分まだ家に残っています、その灰皿とも花瓶ともつかない粘土作品、あれは恨みの塊ですね。

それがまさに、教育の象徴。そして、社会の象徴なんです。大人や組織の都合のいいように、人の発想や思いが変更されてしまうのが、日本の教育が今までやってきたことではないのか、と。そこで抑圧された疑問が、そういうものにとらわれないで生きたいということと繋がっていると思います。

記者 なるほど。小さい頃から色々なことをやっていたんですか?

柴田 はい。小学校の時には「雨降り報知器」というのをお母さんのために作って、創意工夫展で発明大賞をもらいました。洗濯物を取り込み忘れるお母さんに、「雨が降ってきたよー!」って知らせてあげることがよくあったんですけど、これ自動化できないかなと。仕組みは単純なものですけどね(笑)

記者 お母さんを喜ばせたかったんですね!

柴田 そう、それがアート×デザイン思考なんです。自分に、お母さんに対する「気持ち」があるから作れる、それが自分の内面からの発想であって内発的なモチベーションだから実現出来るということです。誰かのために…ということが、内面的になるほど、アート×デザイン思考になるんです。発明は今までにないものを創造する、つまりイノベーションを起こす。これがアート思考。お母さんのためにという、ユーザーの本質的なニーズを考えるというのがデザイン思考。報知器自体は単純な電気部品で出来ていて、これはロジカルに作られてます。アート思考が注目されてますが、アート>デザイン>ロジック、それぞれの思考法を総合的にミックスすることが大切だと思います。アート思考は自分の内面的なところから生まれる思いや発想で、報酬や評価を目的にしていません。そこにこそイノベーションの本質があると思います。   

記者 わぁ、アート思考って素敵ですね。主体性ともつながる気がします。そして、イノベーション、クリエイティブさってどのように身につくのでしょう? 

柴田 僕のセミナーに来て、やってみたら分かりますよ(笑)。セミナーでは、まずバイアス(偏見や固定概念)を外すワークをします。頭を柔軟にしたところから、ここではお話しできないですが、自分の内面に隠してしまったアートフルネス(内面的アート思考を意味する造語)を引き出すワークをします。アーティストの思考法をシュミレーションしながら、大脳生理学なども参考にしてアート思考的発想のプロセスを体験します。 人は脳の中で様々な記憶や経験を結びつけて物語を創発します。この物語は人それぞれみんな違うわけです。これがアウトプットになります。 

個人の経験から生まれる発想ですからアート思考のアウトプットには正解がありません。本当に売れるのか?収益性は?事業計画は?というわれても、極端な場合、やってみないとわからない場合が多いと思います。アート思考で生まれたアイデアがイノベーションとして社内で受け入れられるか?これはかなり現実的な問題でもあります。 インターネット音楽配信から始まってトヨタ自動車や、ソフトバンク、そして国のビッグデータビジュアライズと、全てが新規事業と言えるもので、今思えば自分も現場でアート思考的な発想をして、デザイン思考的なマーケティングをロジカルに提案したりしながら、なるべくアイデアに忠実に仕事をさせてもらったおかげで自ずと身についたという感じなんですが、アート思考をする人は、実際にはほんの一部の人です。全てのスタッフがアート思考で進めたらプロジェクトは破綻するでしょう。

大切なことは、全員がその発想を理解して信じて共に進むということです。アート思考は1人の発想力だけでなく、ティール組織やホラクラシーといった組織の概念に支えられるものだと思います。1人1人が自主的に取り組める環境で、個々が尊重されてこそアート思考がイノベーションを起こせるんです。結局のところ人間力がとても大切になってきます。 

記者 なるほど。アート思考×デザイン思考が、AIが台頭し、人間の仕事がなくなるこれからの時代に、非常に重要なスキルだと感じました!柴田さん、今日は素敵なお話ありがとうございました。

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柴田さんの詳細情報はこちら↓↓↓

柴田さんのFacebookページ

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編集後記

今回インタビューの記者を担当した白鳥、田中、口野です。
自立した個人が自分たちの意思で集い、初めて既存の枠にとらわれないイノベーションを起こすことができる。柴田さんは、まさにAI時代に必要な生き方を自らの生き方や、教育を通して発信されている方だと感じました。無機質なものに血を通わせる、思いや心を大事にする、そんな美しい時代を共に創造していきたいです。
柴田さん、本当に素敵なお話ありがとうございました。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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口野理恵

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