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ツンデレ♀クックとヤンチャな♂カッパライオン丸の笑いと涙のお話です(3)

21歳で天国に旅立ったミミちゃんとカッパの約束

1年近く家出していて、やっとお家に戻ってきたカッパライオン丸。
本当に家にいることが夢のようでした。
でも、カッパもここからが大変でした。 連れて帰った日の夜から雪でした。 いずれは出すにしても、まずは元の環境に慣れさせないとと思い、1週間くらいは外に出さないようにと決めました。

クックとカッパはすぐに元通りで何もなかったかのようです。
甘やかして大好物の鮪や鶏肉をあげて、カリカリおかか、そしてまたたび、体重は5kg。 痩せてはいませんでしたが、やっぱり少しプクプクかな? トイレもちゃんとネコちゃんトイレに、本当に猫ちゃんは偉い、教えなくても粗相はしません。



何考えてるの?


はじめは雪で出られないのよって、少し窓を開けて外を見せると納得して戻って来ました。 でも、だんだん鳴き声が続いて、大きくなりご近所迷惑に。 3、4日が過ぎ、ニャーニャーと大きな声で鳴いていたのが、6日目頃にはとっても切ない声になりました。 「んんん・・・」って、聞いているだけで悲しくなる、やっぱり家の中だけでは限界だと思いました。
お天気も良くなったし、カッパによーく言い聞かせて、「気を付けて出かけるのよ!元気で帰って来てね。」 と決心して7日目の朝8時半に出しました。ミミちゃんママにも連絡しました。


ズッーと考えているカッパ


最初は、警戒していてベランダで長い間外の様子をうかがっています。 10分程経ってから外に出て行きました。心配でずっと見ていました。まだ遠くに行く様子がないので、私も外に出て見ていると、通りの方に出て行く様子、ところが大きな車の音で、バックして戻って来て、ベランダでまた様子を見ています。それから、ゆっくりと通りと反対の方向に歩いて行きました。 カッパは臆病で慎重なのです。1年近く事故にも遭わず元気で帰って来られたのもこの性格のお陰かも。
それから30分、1時間が経ち外ばかり気になり、心配で心配でまた戻っては来ないのか?何処いるのか気が気ではなかったです!


そんな落ち着かない時を過ごしていた時、12時半にミミちゃんママから連絡が、「今、カッパちゃんが家の庭でゴロンゴロンしている」と。
出かけてから4時間、大好きな場所にたどり着いたのです。去勢したオスの行動範囲は2~300メートル。1キロ近くあるので猫にとっては遠い距離。ミミちゃんママと泣きました。
迷子にならず良くたどり着いたと・・
でも、その後です。もう家には戻って来ないのでは?やっぱり自分の気に入った環境に留まるのか・・・色々考えたらとっても複雑な心境です。そうなったら悲しくても受け止めなければならないと思っていました。

しかし、願ってはいても現実に起きるとは思っていなかった出来事が。
その日は午後から、ベランダの窓を何度も開けてはカッパを探したことか。
やっぱり無理かな、自動車で帰って来たのでカッパのニオイは残っていなし、目印もないでしょうし、ため息ばかりついていたその時、夜の8時半を回っていました。

ベランダから「ニャー、ニャー」と。
まさかと思ったらそこに私を見つめるカッパがいました。
「僕、帰って来たよ。お腹空いたよ。時間かかったよ。」って、もう嗚咽してしまいました。
私が泣いていて、言葉にならないので、家族は何が起きたか理解できなかったようです。
そして即、ミミちゃんママに連絡して、また二人で信じられないと泣きました。
その翌日から朝家を出てミミちゃんママのお庭にお邪魔して、夕方には戻って来ます。毎日です!!
毎日通学しているようなものです。


ミミちゃんが好きだったミネラル豊富な稲の水
カッパもよく飲んでいるそう

何時もミミちゃんママと理想は、「お互いのお家を行ったり来たりしてくれたらいいのだけど」とお話していましたけど、まさが現実になるとは思っていませんでした。
奇跡です!

家に戻った1週間の間に、カッパにリードをつけて練習したり、どうしたら行ったり来たり出来るのか、必死に考えたのですが、カッパは「ぼく、もうスイスイだよ、人間は余計なこと考えちゃうの?」と言われているようでした。

ミミちゃんとカッパは、朝、決まって何かを交わしていたそうです。
そのミミちゃんも21歳と10か月で天国へ旅立ちました。
ミミちゃんがお部屋から外を見ていて、何かソワソワしたような様子でいると、カッパが現れたそうです。ネコちゃんには何か感じるものがあるのですね!


意志の強いミミちゃん



ミミちゃんは普段は人に触らせない子だそうですが、1度だけリード付けてお散歩中に会えた時、私が呼んだら近寄って来て、なぜなぜさせてくれました。きっとカッパと私のことを理解してくれたのだと思います。


リードを付けて朝晩お散歩するミミちゃん


そして、ミミちゃんとのカッパの約束かも知れません。
「私が天国で見ています。ママのことよろしくね!」って。

カッパは、1年間で成長してたくましくなったと思います。
たくさんの方に可愛がっていただき、本当に幸せなカッパライオン丸です。
ありがとうございました。
家出し、時が過ぎてご心配されている皆さん、どうぞ諦めないでください。
きっと、パパやママを待っています。
1年は長かったですが、カッパライオン丸の生命力を信じていました。
日々、猫たちに色々なことを教えられ、幸せをたくさんもらっています。


いつもくっついていたクックとカッパ5歳頃


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