“香水オタク”さんにあれこれ聞きました!(前編)~香水の買い方・使い分けについて~

 こんにちは、Ryotaです。
 以前クーチェキで、アメリカ在住の化粧品好き・神玖さんに女性のメイク事情や、アメリカのオフィスメイクについてなど、色々なお話を伺いました。

 普段よりファッションのファの字もわからない、身だしなみの身の字も書けない暮らしをしているので、神玖さんのお話はどれも興味深く、インタビューをする中で「女性のファッションとかコスメとか、何も知らないな、俺…!」と痛感。と、共に「もっと色々知りたいな~」という好奇心が湧いてきました。
 というわけで、今回は僕が全然わかってないジャンルについて詳しい人に聞いてみる「Ryotaが知らない世界」的な企画第2弾。テーマは香水です。
 基本的に僕は嗅覚が鈍いほうなので、今までの人生で香水について考えたことがなかった…。だって香水=ブランド物の高級品なイメージもあるし、ファッション上級者が使うものって感じだし、普段からぼんやりした風体でうろついている26歳男性にはハードルが高くないですか……(この偏見は後でキレイに打ち砕かれます)
 そんな僕に香水について教えてくれるのは、友人のあやのさん。自他共に認める“香水オタク”ということで、色々と聞いてみました。
 前編となる今回は、香水の使い分けや、買い方のコツ、香水初心者にオススメの匂いなどを教えてもらいましたよ!

香水にハマったきっかけ

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▲あやのさんの香水棚(一部)。ブランドごとに分類されている。

Ryota:あやのさんの部屋の一角に香水が並んだ棚があるわけですが…、大体どのくらいの数を持ってるんですか?

あやの:ここにあるのは166個かな。

Ryota:166個!?

あやの:で、実家に残ってるのが40~50個。

Ryota:実家にもまだあるんだ!? 確かあやのさんって、上京して一人暮らしを初めてから1年経ってないと思うんだけど…、もちろん最初からこの部屋に166個あったわけじゃないよね?

あやの:上京した時点では100個もなかったよ。

Ryota:じゃあ少なくとも60本以上は買ってるわけだ! 月に6、7本は買ってることになるけど…。

あやの:気づいたら諭吉が香水に化けてるんですよね…。

Ryota:香水廃人だ(笑)! 香水にハマりだしたのはいつ頃?

あやの:最初に手にした香水は、父親に買ってもらったセクシーローズ。軽井沢のアウトレットに行った時、バラの匂いがすごく好きだったから買ってもらったんです。

Ryota:それを皮切りにだんだん香水にハマったんだね。

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▲アマティアスのセクシーローズ

あやの:ただ、香水の流行り廃りの情報って、あんまり入ってこなかったんだよね。本当なら中学生くらいになると、ちょっとませてる上位グループの女子は香水をつけ始めると思うんだけど、なにぶんド田舎の山の上にある、鹿が年に一回迷い込んでくる学校だったので…。

Ryota:犬が迷い込んでくるようなノリだ(笑)。

あやの:自分で初めて買ったのはグッチのrush 2。ちょっと嗅いでみる?

Ryota:若干鼻づまりではあるんだけどわかるかな…。

あやの:最近もrush 2はよくつけてる。ちなみに自宅で香水を選ぶ時に、いちいち手首にふきつけて匂いを確かめるのはアホらしいので、私は自分用のムエット(試香紙)を用意してます。

Ryota:(嗅いで)あー、いい匂いだね。

あやの:大好きだった漫画「きみはペット」で、ヒロインのスミレちゃんがタバコの匂いを隠すためにつけてた香水がrushだったの。でも、rushは廃盤になっちゃってて、私が住んでたド田舎には売ってなかった。その代わりに買ったのがrush 2。後々、念願叶ってrushを嗅いでみたら、rush 2の匂いの方が好きだったから、今も変わらずに使ってるね。

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▲グッチのrush 2

香水って高いんじゃないの?

Ryota:香水って高いイメージがあるけど、例えばあやのさんが気に入ってるrush 2っていくらくらいなの?

あやの:それはオリジナルの価格?

Ryota:というと…?

あやの:香水にもアウトレットのお店があって、正規の値段より安く買えるんだよね。私の行きつけの香水屋さんは、ちょっと液漏れがあって正規の値段では売れないものとかを安い価格で売ってる。

Ryota:香水にも「訳あり商品」があるんだね。

あやの:そうそう。大量に入荷して安く売ってることもあるよ。こんな量、正規のお店で買ってたら破産しちゃうからね…!

Ryota:じゃあ、rush 2は正規の値段だといくらくらい?

あやの:1万円は超えるんじゃないかな。アウトレットだと2000円くらい。

Ryota:うわー、そんなに安くなるんだ!

あやの:中身は同じでも、容器がちょっと欠損してたり、出荷までの間にこぼれちゃって量が減っている状態の香水は安く買えるんです。

Ryota:へー! 香水って高いイメージがあるけど、ブランドものでもアウトレットで安く買えるんだね。

あやの:例えばフェラガモのインカントチャームっていう香水は、正規だと結構高いんだけど、運が良ければドン・キホーテで1000円以下で買えることもあるの。私の場合は、正規の値段と、ネットで売ってる値段、行きつけの香水屋さんでの値段、ドンキでの値段が大体頭に入ってるから(笑)、友人から「これ欲しい!」って言われたら、「多分これはドンキにはないから、ネット通販の方が安いよ!」っていう感じで教えてます。

Ryota:価格ドットコム化してる…(笑)。

あやの:私もまだまだ勉強中だけどね。

香水の使い分け方

Ryota:166個も香水を集めちゃったあやのさんですが、ふだんどういう風に香水を使ってるの?

あやの:外出する時は仕事かプライベートかっていうTPOに合わせたり、その時の気分によって使い分けてます。おうちだと、寝る前につけたり、たまにお風呂場で香水をシュッとやって、いい匂いにして入ったりすることもあるよ。

Ryota:エチケット的な部分だけじゃなくて、自宅でリラックスするためにも使ってるんだね。香水を買う時はどういう基準で選んでるの?

あやの:基本的に、ネットの口コミで気になったものや新発売の香水は、店頭に足を運んでチェックしてるね。そこで試しに嗅いでみて「欲しい!」と思った香水を買います。あと、「この香りは持ってないな…」っていうものを買いに行くこともある。例えば同じサボン(石鹸の匂い)でも、商品によって違いがあるんだよ。シンプルに石鹸の匂いだけだったり、石鹸にお花の匂いが入ってたり、柑橘系が入ってたり。

Ryota:石鹸の匂いだけでも、いろんなパターンがあるんだ。

あやの:人の鼻って敏感で、体調やその日の気温によって香りの感じ方が違うんだよね。だからどんなシチュエーションにも対応できるように、「この匂いは持ってたい!」というものは買うようにしてます。

Ryota:常に万全の状態にしておきたいんだ。

あやの:そうそう。あとは好きなブランドの服を買いに行くのと一緒で、「あれ欲しい!」っていう勢い任せで買いに行くこともあるよ。

Ryota:ちなみに香水のブランドで一番好きなのは?

あやの:グッチかな。甘い匂いでも大人っぽいから、嫌味になってない感じがお気に入り。あとはマークアンドジェイコブスも好きだけど…。基本的にはブランドを問わず、いい匂いだなと自分が思う香水を集めてるね。海外に行ったついでに、日本で買えないブランドのものも買ってるから、結局こんなに雑多な香水棚になってしまった…。

Ryota:この香水棚を見た時「業者かよ…」って思ったもんなぁ(笑)。こんなに持ってて、「今日はあの香水を使おう!」ってパッと選べるの?

あやの:匂いの系統は覚えてるんだよね。「これは石鹸系だったな」とか、「これはグリーンだな」とか。その日の服装やイメージに合わせることが多いので、会社では清潔感を出したいからサボンとか、ちょっと可愛めのデート服を着るときはプラダとかアナスイとかの甘い匂いを選んだりして使い分けてる。あとは季節も大切だよね。例えば、同じ可愛い服でも、夏の時期に甘くて重い匂いはふさわしくないじゃん。

Ryota:えっと…、ふさわしくないっていうのはどういう意味で?

あやの:香水って、体温や気温が高い時の方が香りやすいんだよ。だから、重くて甘い匂いを夏場の時期につけると、クラっとくるくらい強く香り過ぎちゃう。夏に甘い匂いをつけるなら、例えばサボンに柑橘が混ざったものとか、お花の匂いと柑橘系の匂いが混じったフローラルフルーティを選んでる。

Ryota:服装とか季節とか、色んな要素を考えながらピッタリの香水を選んでるのか…!

あやの:それから、必ずしもつける香水はひとつだけじゃないんですよ。一度に複数の香水をつける場合もある。

Ryota:おー、上級者っぽいぞ!

あやの:香水って、人と近付く部分やよく動く部分、肌が露出している部分につけた匂いが強く感じられるの。例えば手首とか、耳のうしろとかね。そういう部分にサボンをつけて、服に隠れているお腹にはお菓子みたいな甘い匂いつける。もう少し深みを持たせたい時は、さらに重い匂いをスカートに隠れている足首や膝の裏につける。すると、下から上に甘い匂いが上がってきて、とってもいい香りになるんだよ。

Ryota:メインは清潔感のあるサボンの匂いなんだけど、下からふわっと甘めな香りが出てくるように、グラデーションを作るんだ。

あやの:グラデーションっていうよりは、香りのレイヤーを作るっていうイメージかな。そういうのって、一種類の香水じゃできないでしょ? いっぱいあった方が色々試せるから、こうやってコレクションが増えてくるんだよね。

香水初心者はまずサボン系から!

Ryota:あやのさんみたいな香水好きがいる一方で、香水を使ってみたいけどたくさん買い揃えたいわけじゃない人もいると思うんだけど、その場合は最低限、どんなものを持っておいたらいいのかな?

あやの:2個か3個くらい持ってたらいいかな。とりあえずはサボン系

Ryota:清潔感のある石鹸の匂いね。

あやの:そうそう、仕事でもプライベートでも使えるので一個は持っておくといいよね。もう一個は、女性だったらデートとかでも使える、柑橘系やちょっと甘めの匂い。男性ならシダーウッドのような苦みのあるものを持っているといいかな。

Ryota:シダーウッド…?

あやの:シダーウッドとか、サンダルウッドとか。

Ryota:サンダルウッド……??

あやの:あとで自分で調べてください(笑)! とにかく男性ならちょっと重めの、野性味溢れる匂いのものを持ってるといいよねってことです。そして3個目は、自分が好きだなと思う香りを一個持ってたらいいんじゃないかなと思います。

Ryota:なるほど。万能のサボン系、完全プライベート用の香水、自分の好きな匂いの香水の3つね。

あやの:その3種類を持っていれば、そんなに困ることはないと思う。

Ryota:さっきの話でも出てきたけど、香水をつけるのは体のどの部分がいいんだっけ。

あやの:温かいと匂いが立ちやすいので、耳の裏とかうなじ、手首とか、血管が集まっているところにつけるのが基本だね。ポンポンと脈打って香りが立ちやすいともいわれているので、心臓の上の位置につける人もいる。

Ryota:血流を活かすんだ(笑)。

あやの:それから、香水は素肌につけなきゃダメ。服の上から香水をつけちゃうと生地が傷むし、紫外線に当たると服が変色することもあるから。

Ryota:ファブリーズみたいなノリで使っちゃダメなわけだね。

あやの:ファッションの主役はあくまで服だと思ってるので、傷めるようなことはしないでほしいなというのが私の願いです。

香りの持続時間と、買う時のコツ

Ryota:香水の匂いってどれくらい続くものなんですか。

あやの:種類によって違います。香水屋さんに行くと、オードパルファムとか、オードトワレ、ボディコロン、ボディスプレーっていうふうに書いてあると思うんだけど、全部濃度によって名前が決まってるの。濃度が違うということは、香りの持続性も違ってくる。これについては詳しく話すと長くなるので各自で調べて欲しいんだけど…(笑)、一番長続きするものだと7〜8時間、薄いものだと1~2時間とか、3~4時間程度になるかな。それから、結構間違えやすいのは、香水って最初に匂った香りがずっと続くわけじゃないんですよ。

Ryota:そうなの!?

あやの:香水の匂いってトップ、ミドル、ラストという三段階があるの。香水をつけてすぐの匂いがトップ。これが大体20~30分くらい持続する。そのあとミドルの香りが始まって、物によって違うんだけど2~3時間くらい続くかな。それが終わると最後にラストが香ってくる。

Ryota:時間の経過に合わせて匂いが変わるんだね。

あやの:店頭で嗅いだ匂いが好きで買ったのに、翌日つけてみたら何か違うっていう時は大体、後から出てくるミドルやラストの匂いが気に入らなかったパターンが多い。

Ryota:そんなに匂いが変わっちゃうなら、店頭で香水を選ぶときに困らない?

あやの:ちょっとしたコツとして、買い物に行く時、最初に香水屋さんに行っておくっていうのはよくやるよ。気になる香水をムエットにつけてトップの匂いを嗅ぎ、一旦ほかの買い物をしつつ時間を置いてから、ミドルやラストの匂いを確認して、香水屋さんに戻って買う。

Ryota:なるほど。お買い物コースの最初に香水屋に行って、めぼしいものをムエットにつけておくんだ。

あやの:そうそう。気になるものが複数あると、どのムエットがどの香水かわかんなくなるから、ボールペンで商品名を書き込んでる。

Ryota:ボールペン持参(笑)。

あやの:あとは日にちを置くこともあるね。土曜日に香水をムエットにつけて持って帰り、時間を空けて匂いを確認して、いいなと思ったら日曜日に買いに行ったりしてます。紙で香るのと人の肌で香るのでは匂いが違うから、じっくり本当に欲しいものを選ぶ時は、自分の手につけて、匂いの変化を一日中確認してから翌日買いに行く

Ryota:そんなに粘るんだ!?

あやの:安い買い物じゃないからね。

Ryota:あやのさんみたいに数日かけないまでも(笑)、最初の匂いだけじゃなくて数十分経ってからの匂いも確認してから買うのがオススメってことか。

あやの:少なくともミドルへの変化を確認してから買ったほうがいいかも。ミドルの香る時間が一番長いからね。

というわけで、前編はここまで!
「香水ってお高いんでしょ~」と思い込んでいた僕ですが、アウトレットもあるなら結構気軽に使えそうですよね! 全然、ハードル高くないじゃん!
 後編ではシチュエーション別にあやのさんのオススメの香水を紹介します!


インタビュイー
あやの(Twitter:@saramimogumogu)
幸せになりたい香りの錬金術師。気を抜くと諭吉を香水瓶に等価交換している。増殖し続ける香水棚は現在収集済み香水を172個まで成長。野球も大好きです。好きな言葉は「完投完封勝利」「首位独占」。

インタビュアー・記事構成
Ryota(Twitter:@Funatoku_ryota)
クーチェキの企画・運営・編集をやっています。

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