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とある神奈川のSAから静岡へ

何ていうサービスエリアだったかは忘れたが、とりあえず静岡方面へ向かう乗用車を探すことにした。その途中、ノリの良いバイク乗りのおいちゃんにどこにいたら停まってくれそうかや、見えやすいかなど色々相談してアドバイスをもらった。気さくなこのおいちゃんが車で来ていたらよかったなと思いつつ、最後に記念写真を撮ってもらった。
 初ヒッチハイクということもあり、いざやってみると最初はかなり興奮したが、ヒッチハイクしないと帰れないのでとりあえず駐車している車に話しかけ回ることにした。それから30分ほど話しかけまくり、ひとりの若いお兄さんに行きついた。窓ガラスをノックし、「すみません、静岡方面に行かれますか?」と聞いたところ「大丈夫ですよ」と優しく言ってくれ、助手席を綺麗に片付けてくれた。初ヒッチハイク成功に少し興奮を覚え、たぶん大笑顔が弾け飛んだと思う。
 ちょうどお兄さんも1人で帰ることに少し寂しく思っていたらしく稀に見ぬヒッチハイカーを乗せて少し興奮していた。後から気づいたことであるが、お兄さんの車のナンバーはたまたま静岡で、俺が行きたい静岡にぴったりだった。
「ヒッチハイクって車のナンバー見て話しかけるんじゃないの?」と言われた時、初めてヒッチハイクのスタートラインに立ったことは言うまでもない。
 そのお兄さんは、3連休で地元に遊びに帰り、ちょうど地元から職場の静岡に帰る途中だった。地元の友達に居酒屋いくか?みたいなノリでバンジージャンプをしようと誘われ、100メートルのバンジージャンプを飛んできたらしかった。飛ぶ前は緊張していたみたいだが、いざ飛んでみると楽しかったようだ。その後も仕事や恋愛などいろんな話をしたが、今後の将来には大きな展望があった。
 その後静岡の大きなサービスエリアで停めてもらおうとしたけれど満車で停められなかったため、その先の清水というSAで停めてもらった。清水のSAでは本わさびアイスというアイスをご馳走になり、雨が降りそうだからと車に常備していた傘をいただいた。僕とほぼ変わらない年齢だったが、こんな優しい人になりたいと憧れを持った。そうしてヒッチハイク第一走者と別れ、清水SAで滞在することになる。

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