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修士論文の口頭試問

2022年2月2日。2でいっぱいの1日ですね。

今しがた、大学院の口頭試問が終了しました!これは年末に提出した修士論文について、教授等に口頭で内容を説明し、質問に答えるというものです。修士課程の最終関門という感じでしたが、さて終わってみた感想を書いてみたいと思います。

口頭試問は神戸外大のこの部屋、605教室で行われました。確か2018年の入試でも、この部屋で面接を受けた記憶があります。

605教室のある廊下@神戸外大

最初に10分ほどで論文の内容を要約します。通訳翻訳学専攻なので、説明は英語で行います。要約の練習はこれまでほぼ1ヶ月間、平日は毎日10分のタイマーを使って練習していたので何とかできました。

その後、先生方かた質問やコメントをいただきました。私の研究は"Developing interpreter competence - A case study of project-based interpreter education"というタイトルで、より実践的な大学通訳教育の環境作りと教育モデルの提案がテーマなのですが、有難いことに全体的に肯定的なコメントで、有意義な研究であると評価いただけました!

一方でこの教育モデルは大学生のレベルによってそのまま適用できない場合もあるのではないか、その場合はどうするか、というご指摘もいただきました。これについては今後の研究でモデルを適用・洗練させていきたいと考えています。

また興味関心が異なる大学生を通訳教育モデルにうまく乗せていくにはどうするか、という質問もありました。例えば通訳よりは映画の字幕翻訳に興味がある学生にはどうアプローチするのか、という問題です。ここでは書きませんが、他にも「こうしてみては?あれはどうですか?」という提案まで聞かせていただき、口頭試問という試験であるはずが、こちらが勉強させていただいていると感じるほど知的好奇心を刺激する、有意義な議論ができました。

とりわけ嬉しかったのは、「この研究を出版してはいかがですか?」と先生が仰ったことです。流石にそこまで意識していたわけではないのですが、学術界にいる先生から見て出版するに値する内容だと感じていただけたことは、この論文をデータ収集から地道に育ててきた人間としては、感慨深いものがあります。出版の可能性については、これから模索していきたいと思います。

もう一人の先生からは、「コロナ禍での通訳状況についても英語で論文にまとめていることに意義を感じる」と評していただき、その時代にあったタイムリーな研究をすることに価値があるのだと学びました。

最後は「これからも期待しています」という激励のお言葉をいただき、口頭試問は終了しました。指導教官からも「口頭試問は落とす為の試験ではないので」とは言ってくださっていましたので、これで落ちるということは無いだろうと信じたいですが、結果が出る3月まで、「果報は寝て待」とうと思います。

思い返せば2020年の夏からデータ収集を始めて、2022年の今日、修士課程が終わろうとしています。初回の研究発表をした当時は「こんなテーマを論文に書いて大丈夫なんだろうか?」という不安しかなかったのですが、思い切ってこれを書きたいんですと指導教官に伝えると、推薦図書を教えてくださり、これこれの本を読むと良いよとガイドいただき、修士論文の方向性に光が見え始めた瞬間を今でも覚えています。

その経験から私が学んだのは、大学院は院生がやりたいという研究を潰したりするところではなく、その研究ができるためにはどんな本を読んで、何を知っていなければいけないかを院生に気づかせる、というより前向きな研究指導でした。

605教室では、同級生の二人も口頭試問を受けている頃ですね。試験前にうち一人と合流しましたが、昨夜は眠れなかったようです。転職をしまくった僕はこういう場面では緊張しなくなってしまったのでしょうか・・・(汗)。

全員が無事修了できますように。修士生の皆さん、お疲れ様でした!


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