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#236 倦怠期

前回までのあらすじ

先週のデートの里芋(&シャトレーゼ)事件から急速にマーへの熱が冷めていくひなたぼっこ。彼が来ている間は何とか気持ちを立て直し平静を装ってはいたものの、彼を見送った後の月曜から金曜までの間、毎日のようにマーとの別れを考えていた。
もしかしたらほんとにこのまま…気持ちは立て直せないかも🥺

でも、今週末もう一度彼と会って自分の気持ちを確かめてみよう。
そこで完全にマーのことを受け入れられなかったら…終わりかも。
そんな思いで、あまり会いたい気持ちではなかったのだが、いつものように彼を迎え入れることにした。


3月1日(金)の夜

重い気持ち

彼が退社をした頃、この日はLINEではなく通話をしてきた。文字交換だったら何とか感情を隠せるのだが、いきなりの呼び出し音に戸惑うひなたぼっこ。
7割がた別れに向いているので、とにかく気持ちが重くて重くて仕方がない。
振り絞るように喉の奥から声を出す。

事前に「私は食欲がないので、晩御飯はどこかで弁当を買うか、自分の行きたい店で食べてきて」とLINEした後の彼の返答。
「今日は昼はラーメンだったからなあ〜、夜もラーメンだと…」
うちの近所に口コミ評価の高い家系ラーメン店があり、前からマーはそこに行きたがっていたが、私は「家系は好みじゃないから1人で行ってきて」と言っていた場所だ。

「ラーメン、ラーメン、○ーメン😄」
いきなり寒い下ネタギャグを飛ばすマーに、どう反応していいか困るひなたぼっこ。ハハハと笑うテンションでもなく…
「ほんっと下品だよね😒」
と、気持ちを悟られないように、いつもの自分らしく返答する。

マーと対面

ほどなくして彼が到着した。
いつも彼が来るタイミングに玄関の鍵を開けておき、勝手に入ってきてもらうのだが、この季節はコートや衣類に付着しているであろう花粉を払うため、急いで外に出て彼の衣類をブラッシングする。

何とか会話はできているものの、全くぎこちない。
おそらく私の顔は無表情なんだろうな。でもきっと、マーには悟られてないと思う。
前から食べてみたいと言っていた弁当屋で唐揚げ弁当を買ってきたマーは、入浴する前にまず弁当を食べ始める。
おいしいものを食べた後はご機嫌だ。
そしてお風呂に入ってもらい、部屋の中でいつも通りこたつに入ってテレビを見たりくつろいでいる。
私が別れを考えてることなんて、これっぽっちも予想だにせず…。

そんなマーを横目で見ながら、あれ?意外とかわいいじゃん!
もしかしたら大丈夫か?
起きているときは、顔の皮膚が(重力の関係で)たるむから、年齢相応(またはそれ以上で)おじさん臭いけど、寝転がっているときの顔は幼くてほんと子供みたい。
おそらく若い頃はこんな顔してたんだろうなと思わせる。

余談だが、以前彼の娘の名前を聞いたとき、珍しい名前だったので記憶に残り、なにげにネット検索するとすぐに画像が出てきた。
どうやらかなり子供の頃からアイドル活動をしていたらしく、アイドルオタクらしき人のブログに、こんなかわいいアイドルがいるよっていう紹介として、マーの娘の画像がたくさん載っていた。
それがまた、笑っちゃうほどマーにそっくりで😂

というか、その娘にマーがそっくりで…。
きっと若い時はこんな顔だったのだろうなと想像させる。
色白できめの細かいつるんとした肌。奥二重のタレ目。人懐っこい茶目っ気のある笑顔。
今は加齢と(日焼けとかお肌の手入れをしないため)皮膚の劣化によりちょっと別人なんだけど、若い頃は女性にモテてたというのもなんとなく納得かな〜。

散々タイプではないと言ってはきたけど、別に嫌いな顔ではない笑。ほんとに色気を感じない相手だったら、そもそも付き合わないし。
欲を言えば、顔がもうちょっとすべすべで髪の毛ももう少しふさふさだったらよかったのにな〜とは思うが。
見た目は自分も劣化しているので、人のことはとやかく言えないか。

おいおい、気持ちが急降下して別れたいと思っていた話はどうなったんだよ!って感じだが😅
私が心の中でそんなことを考えているなんて微塵も思っていないであろう呑気なマーの様子を見てたら、なんだかどうでもよくなってしまった。

葛藤

もちろん、マーの顔を見て急に気持ちが持ち直したわけではなく、私なりにこの1週間よくよく考えてみた。

感情の生き物である女性にとっては、男性より多くある現象なのかもしれないが、ふとしたことで急に思いを寄せている相手への感情が冷める瞬間がある。
例えば、中高生時代の片思いの男の子に対して、ちょっとズボンからシャツがはみ出ているとか、鼻毛が出ているとか、箸の持ち方がおかしいとか・・・ほんとにささいなことで100年の恋もいっぺんに冷める的なことがありがちだ。
推してる芸能人でもそうだけれど、例えばネットの画像で一目惚れしたDEAN FUJIOKAのライブに行ったら、歌があまりにも下手で急に気持ちが冷めたとか😅。
嵐のニノに熱を上げていた時もあったのだが、佐々木希とのスキャンダル記事が出た時に、馴れ初めを調べて急に気持ちが冷めたとか、、

でも相手が恋人となると…そんな単純な理由で別れちゃっていいの?ってことになる。

今回に関して言えば、そもそもマーが金に対する執着心が強くてケチなことも、損得勘定をする人だということも、神経質で器が小さいということも、付き合っていくうちにわかってはいたことなのだが…。

何かお互いを罵倒するような激しい口論があったわけでもなく、
DV的な暴力とかハラスメントがあったわけでもなく、
借金や負債を抱えているわけでもなく、
難病とか感染症とか何か健康上の問題があるわけでもなく、
女や約束事にだらしないわけでもなく、
賭け事やギャンブルをするわけでもなく、
酒癖が悪いわけでもなく、
金遣いが荒いわけでもなく、
絶賛子育て中というわけでもなく、
介護が必要な親や子供がいるわけでもなく、
転勤族とか遠距離恋愛というわけでもなく、
離転職が多くて仕事が長続きしないわけでもなく、
仕事や自分の趣味に忙しくてなかなかデートに時間を割いてくれないわけでもなく・・・。

たかだかケチ(よく言えば倹約家?)
たかだか損得勘定が多い(冷静に物事を判断するってこと?)
たかだか潔癖症(きれい好きで衛生意識が高い)
たかだか神経質(几帳面)
たかだか口が悪い(自分の気持ちに正直で裏表がない)
たかだか人に対して厳しい(自分に対しても厳しい)
たかだか短気ですぐ怒る(感情表現が豊かな熱い男)
たかだか考えがすぐ変わる(柔軟性がある)

性格も特性も、長所でもあり短所でもあり、表裏一体。
問題は、それを許せるか許さないか。受け入れられるか受け入れられないか。むしろ、私自身の(心の寛容さの)問題なのだろう。
それを考えると、「もう付き合うのなんて無理っ!!」っていうほどの決定的なものでもないのかな?🙄

そう考えたとき、もしかしてこれって倦怠期なのかな?という考えが頭に浮かび、ネットで調べてみた。

倦怠期

■3ヶ月
一般的に言われているのは、付き合って3ヶ月目の時期。 それは、付き合い始めから抱いていた「何か違う」という 違和感が、徐々に不満に変わる時期と言われています。 100%完璧な人なんていません。 生まれ育った環境が違えば、多少の感覚のズレも出てきます。 相手に対し「何か違う」と思った時は、我慢せず気になることをはっきりと伝えるのがベターです。 違和感を抱いたまま付き合っていると、相手との居心地が悪くなってしまうとともに、相手にも失礼ですよ。

■半年
また次いで多いと言われるのが、付き合って半年の時期。 特に辛抱強いとされる女性にとって、溜め込んだ不満が爆発する時期です。 3ヶ月の時期よりさらにお互いを知ると、小さいことで感情的になり、ケンカに発展するケースも多いもの。 不満はそのままにせず話し合ったり、お互いに歩み寄るための妥協策、対策を考えることも大切です。 どちらが悪いとけなし合うのではなく、相手に対する思いやりを持つことが重要なのです。

ネットから引用

そう。
私って…かなり今まで言いたいことをマーに言えずに我慢してきたかもしれない。美容院のスタイリストさんとかゆうたくんとかLINE交換している男友達とかブログとかで、彼に言えないことを別の場所で発散してきたが…結局それじゃ堂々巡りなんだよなぁ。
肝心の彼に気持ちを伝えないと。

「相手に対して違和感があった時、我慢せずにはっきりと伝えるのがベター」って、この記事にも書いてあるじゃない。
今までは、こんなことを言ったら嫌われるのじゃないか、別れを告げられるのではないかという恐れから、なかなか言えずに飲み込んでいたのだけれど、相手はそんなことも気にせず、私には思ったことをガンガン言ってくる。
もちろん、それによって私が別れを考えたかというとそういうわけでもなかったので…。
私が本音を言ったことによってカチンときて「別れたい」と言ってきたら、所詮それまでの男ということだし。

ため込んじゃいけないってことなんだなー。

マーも正式に付き合う前に私に言っていたが、
「100%の人間なんていないので、70%位の人であれば問題ないと思っている」という言葉。
マーの「たかだか」は、おそらくこの30%にあたるのかもしれないな。

そしてこうも言っていた。
「ひなたぼっこさんは、そういった意味では完璧だと思う」と。
この会話はまだ付き合い始めの頃だったし、もちろん私が完璧なはずもなく欠点はたくさんあるのだけれど、それを差し引いての70%であり、こういう言葉になったのだと思う(おそらくこんなことを言った事は本人は忘れていると思うけど)。

刺激は毒

「いやいや、ひなたぼっこさん!世の中には、こんな損得勘定するようなケチな男ではなくて、神経質でもなくて、器も大きくて、いい男なんてたくさんいるから、こんな男とはさっさと別れて、新しい人を探したほうがいいよ」

そういう意見が大半かもしれないし、おっしゃる事はごもっともなのだけれど。

そもそも、50〜60歳位の独身男性が圧倒的に少ない(見た目含めたトータル的にいい男はほとんど既婚者)。
そして、この年齢になると出会い自体が難しい。
死別ではなく、50代以上で未婚や離婚歴のある人は何かしら問題あり。

「いやいや、それでも今までに、もうちょっとまともそうで性格の良さそうな人と何人か出会ってきたじゃない!」

確かにそうなんだけどさぁー。
でも「いわゆるまともそうな人」の中に、ひなたぼっこが好きになれた人がいるかっていうと、結局ぴんとこなかったから交際に発展しなかったわけで…。

何度もブログに書いてきたことだが、いかにも真面目で誠実そうで私1人に尽くしてくれる人って…私にとってはつまらない男。
まあ付き合うに至らないだろうけど、たぶん付き合ったとしても…すぐに他の人に心変わりして捨てちゃうのだろうなぁー(過去の経験から想像できる😅)。

強烈な個性で刺激の強いアキヒコと19年付き合ってきて、もう自分も歳をとったし、今度は情緒が安定してあまり怒らない穏やかな性格の人と付き合おう、なんて思ってはいたものの…。
結局また似たような人に惹かれていく。
この年になっても、いまだに刺激的な人が良いのかもしれないし、おそらく一生これは変わらないのかな?

刺激がある人は、一緒にいて楽しくて、お互いに自分を出せるので気が楽なのだけれど、その分毒も強い。
どっちがいいのかなぁ〜なんて…そんなのはわからないけど、なんだかんだ言っても、マーとは最初から波長があってたからなー。
クセはかなりあって面倒くさい男だけれど…。
そういう相手とは、一緒に暮らすとしんどいから、今みたいなある程度距離感のある付き合い方がベストなのかもしれない。

(今日は朝から息子夫婦のことでいろいろ疲弊してしまったので、途中だけれど執筆終了)

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