もしも一億円当たったら

100万円ならまだわかるけど、一億円って想像つかない。ってのは友だちの言葉。宝くじのコマーシャルを見ていたのです。


マクドナルドのCMで、キッズがハッピーセットにいちいち発狂して喜びをぶちまけている回があった。そんな風なキチガイとなって、「ファミリーマートの入店音」だとか「ドンドンドンっドンキ~」になっつかしいいいいいいいいいいいいいいいいいいって大興奮していた。こんな日がくるなんて、自分の中のギネスブックに記録しておこう。日本、なっつかし。2000年初期なっつかしい。

居酒屋、あんこ、桜、牛丼、たっらっこたっらこたっぷりたーらーこー。
ふりかけ、納豆、豆腐。ああこんにゃく食べたい。
新歓期のビラ配り。くだらないコール。居酒屋に行きたすぎる。どうでもいい安酒。梅酒。たまごやきイイね。
ポテトチップスうすしお。最高。ドイツじゃパプリカ味が多すぎる。

友人と通話中に電話越しに 駅のホームの音が流れてくるときなんか、目玉が飛び出そうになる。ずるいと叫びそう。

宝くじなんていう隕石に衝突するよりも当たる確率の低い商売も日本っぽい。

一億円当たったら?


たぶん私は、幸福を受け入れる能力が低いので、まず税金いくら奪われるんだろうとかそこだけ異様に冷静になって現実を管理しようとするだろうな。3億円当たった場合はその半分が税金として剥奪されるんだとか恐ろしい話。


あとは親に借金を返さなければならない。生活能力が地に落ちている私のためにいろいろ手を尽くしてくれる友人たちにもお返しをしよう。


さて、ようやく残りのお金に目を向けられる。
あの娘と住む、本を出版する、キューバとインドとカンボジアとモロッコに行く。もちろんあの娘と。

ドイツで今いる部屋は無駄に広くて少し落ち着かない。二人で住んでようやくちょうどいいんです、ってまた惚気みたいになるからがんばって控える。
フランス人は十着しか服を持たないとか言いますが、空衣は五着しか服を持たないと言っても過言じゃない。体はひとつしかないもの。

豪邸なんて勘弁してくれと思うだろう。人間の大きさはこれくらい、と決まっているのにバカでかいサイズにしたらまじで埃がたまるだけだ。誇りなんて何もない。幽霊が住みつくよ。


一億円当たったとしても、たまにすき家の牛丼食べてあーうまーって言っていたい。
いろいろな国のコーヒー集めて飲み比べするのはステキかもなあ、ってたった今とってつけたように思いついた発想。

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