生まれてきてくれてありがとう。

あなたが私の誕生日になる瞬間隣にいてくれたように、私もあなたの隣にいたかったのですが、それは叶わないのが確実らしいね。あなたの側にいることになる人たちを羨むと同時に、少しでも幸せであってほしいです。

あなたの誕生日、ちょうどこちらではクリスマスマーケットが始まります。チョコレートのお祭りもあるらしいです。一緒に居られるかと夢見て過ごしてきて、それは夢でしかあり得ないと判明したのは哀しい事実だけれど、夢でもいいから会いたいと言ってもらえる今を大切にします。

夏休み真っ盛りが誕生日の私は、その日が大嫌いで、他人からのプレゼントやおめでとうの社交辞令も欲していなかったのですが、今年は欲を出してあなたを誘ったら日付けが変わる夜一緒にいられることとなって、それだけで充分でした。他に全く何も求めてはいなかった。

私は気狂いなんです。対面して、側にいなきゃ気が済まない。物や音信では足りないと思っている。会わなきゃ駄目で、別に会ったところで革命が起きると決まったものではないのにとにかく自分で会ってやらなきゃ自分自身で居られないようなのです。

でも今回は、というかあなたと出逢って初めてのあなたの誕生日だけれど、もう隣にいることは無理だとわかった。飛んで行きたい、泳いでいきたい、細胞分裂してワープしたい。寒い季節に、あなたの手を握りたかった。寒いねと言い合って、でも星が綺麗だねと夜空を見上げてみたかった。

言っても仕方ない。忍耐の季節だ。春、待ってる。

それで会えない間、ずっとあなたを側に感じて一人で泣いたり笑ったり悔しくなったり虚無感に襲われたりボロクズになるわけですが、そんな一瞬もすべて大切にして生きていきたい。あなたの誕生日に、何か贈りたいと思いました。考えるだけでも哀しくて擽ったくて遠くて、ごちゃごちゃの気持ちになりました。いつもだけどね。

それで決まりました。本当は、一番届けてやりたいものが、計画が、夢があったのですが、それはさすがに間に合わなかった。
なので私の代わりにあなたの側にいられるものを贈りたいと考えています。無事に、届いてほしい。

#エッセイ #誕生日

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