母のチャーハン

実家に帰ると、たまに昼食にチャーハンを出されることがある。

しかしチャーハンというより雰囲気としては焼き飯の方が近いかも知れない。パラパラではなくて、ちょっとぺちゃっとした感じ。母が炊くご飯が柔らかめというのも大きな原因なのかも知れない。

子供のころは家のチャーハンがあまり好きではなかった。お店みたいにパラパラしたチャーハンが食べたかったし、それが美味しいと思っていた。スーパーの買い物について行ったときは、チャーハンの素なるものを眺めてこれを使えばお店のパラパラチャーハンが家でも食べられるのだろうか、と憧れていた。

(自分で料理をするようになってから、チャーハンの素を使おうが卵をご飯にあらかじめ混ぜてから作ろうが、家庭の火力ではお店のようなチャーハンを作るのは難しいと知るのだが)

文句こそ言わなかったものの家でチャーハンが出される度、『ぺちゃっとしてる……』と内心ため息を吐いていた。

けれど、今では家のチャーハンも好きになった。

昔から親しんだ味がするとなんとなくほっとする。

使っている調味料やチャーハンの素も昔とは違っているようだが、どういう訳か母のチャーハンの味は変わらない。ちょっとぺちゃっとしているところも。

具は昔と少しだけ違うところがあって、細かく刻んだピーマンを入れなくなった。もう今は食べられるので、その必要もない。昔はとにかく野菜嫌いの子供だった。

作り方を尋ねたことはない。
母の料理の隠し味や作り方を教えてもらっても、私が作るとどうも味が違ってしまうからだ。

そういう、作り方を知っているけれど再現ができない料理はいくつかあって、たぶんこれから先も再現はできないままだろうと思う。

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柊クイチ

雑記

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