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被写界深度内に主題と何かを収めたい!(焦点距離との”意外な”関係)

想定読者

被写界深度とは何かを調べに来た方→混乱する可能性があります。他の方の記事をご参考にお願いします。
レンズを広角にすれば被写界深度は深くなるか?と聞かれて、そんなの当り前だよ、という方→想定読者となります。

きっかけ

モデルさんと喫茶店に入り一服をした際に、正面でソーダを飲むモデルさんを撮りたくなりました。喫茶店は暗く、ISO3200でも絞りを開かないとブレてしまいます。当然、被写体ブレもします。
モデルさんとの距離が近いこともあり、被写界深度も浅くなり、ソーダとモデルさんの顔の両方にピントを合わせるのが困難でした。この時、F2.8の標準ズームを使っていたのだけど、ちょっと考えたのが「めっちゃ近いから被写界深度が浅い、物理的に離れてズームで寄せたほうがかえって被写界深度が増すのではないか?」という疑問でした。(以後、である調)

予想

計算で予想できる問題であるため、計算条件を設定する。

撮影倍率

モデルさんに2人掛けのテーブルの正面に座ってもらって、アップで撮影する場合の撮影倍率は0.1くらいではないかと思う。
概算根拠は言葉で説明するより図で説明したほうが早い。

撮影倍率0.1とした理由

焦点距離と撮影距離

次に撮影倍率が0.1の時にどのくらい被写体から離れているのか、つまり撮影距離の計算を行う。
条件として、手持ち標準ズームの開放広角端、開放望遠端である以下を想定する。
① 28mm
② 70mm
撮影倍率=焦点距離÷(撮影距離-焦点距離)
の関係があるので
撮影距離=(焦点距離÷撮影倍率)+焦点距離
となる。
従って、①の撮影距離は308mm、②の撮影距離は770mm

被写界深度の計算

被写界深度の計算は以下のカシオ計算機株式会社様のサイトを利用させていただいた。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1378344145

①条件として焦点距離 28mm、絞り F2.8、距離 0.308m を入力。
許容錯乱円径は初期値の0.03のままとした。

28mm/F2.8 撮影倍率0.1の時の被写界深度

②条件として焦点距離 70mm、絞り F2.8、距離 0.77m を入力。
許容錯乱円径は初期値の0.03のままとした。

70mm/F2.8 撮影倍率0.1の時の被写界深度

驚きの結果が出た。なんとほとんど違いがない!

検証

<<準備中>>

結論

顔面アップほどの寄りでは、画角による被写界深度の違いがほとんど出ないと言えるためいったん思考放棄し、顔の歪みの点からは引きが好ましく、逆に距離の近さを演出する場合などは広角が好ましいと考えられるので、撮影意図に応じて使い分ければよいという事になるかと思う。

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