世界で一番 作家と読者が近い出版社

2018年1月11日。
出版社KuLaScip(クラシップ)を創業しました。

なぜ、この時代に? 出版社?

実は、この質問をよく受けます。
そして私自身、面白いなぁと思うのは、
この質問を一番真剣に投げかけてくるのが出版業界の方々だということです。
とても不思議そうに、
とても変な人をみるかのように、
でもどこかで納得のいく回答を期待しているかのように、
質問されます。

「どうして、出版社を?」

いくつかの必然と、
いくつかの偶然と、
いくつかの導きと。
そして、最後は覚悟で。

誰もが、なるほどぉと思っていただけるような
そんなすっきりとした、立派な回答はないのですが、
そのいくつかを、お伝えしていきたいと思います。

まずKuLaScip (クラシップ)という名前に込めた想いから。


■ KuLaScip(クラシップ)の名前の由来

KuLaScipとは、”KuLa" と”Scip” の合わせた造語です。

まず”KuLa”。
”KuLa” には2つの意味を込めています。

1つは、”クラ(KuLa)交易”の ”KuLa”。
クラ交易は、ニューギニアの東端の北および東になる多数の島々の諸部族間において、広範に行われる、交換の一形式です。
交換されるものは、商品ではなく、ヴァイグアと呼ばれる贈りもので、
それは、換金できる富、金目を含んだ装飾品でも、権力の道具でさえもなく、
それ自体このうえなく良いもの。
そして、ヴァイグアを所有することは、うれしいこと、心の安まること、ほっとすること、なのだそうです。
(『互酬 惜しみなき贈与』著:東條由紀彦、志村光太郎 明石出版より抜粋)

本というものを通じて、
作家から読者へ、そして、それを読んだ読者から作家へ。
ここで届けられるものは、まさに、このクラ交易のように、
それ自体このうえなく良いもの、うれしいこと、心の安まること、ほっとすることなのではないか。
そして、そういう本づくりに携わっていきたい。
それが ”KuLa”に込めた、1つ意味です。

もう1つは、古来サンスクリット語のクラ(KULA)。
古来サンスクリット語で、クラは、コミュニティを指す言葉で、家族や仲間を意味するそうです。

KuLaScipでは、1つの挑戦として、クラウドファンディングを活用した出版を考えています。
なぜ、クラウドファンディングなのか。
クラウドファンディングの出版で、何を目指しているのか。
これらについては、また別の機会に書いていきたいと思っていますが
そう考えた背景の1つに
本を通じて、いくつかのコミュニティをつくっていきたい、
という思いがありました。

本は面白い。
そして、その本の読み方、本との関わり方は、自由です。個人個人、好きな時に、好きなように、好きな場所で、自由に、本と触れ合って欲しい。

その本との関わり方の”幅”を、もっともっと広げたい。
その幅に興味を持ってもらっても、もわらなくても、それも自由。
でも、本との関わり方の選択肢が広がるのは、よいことではないか。

その選択肢を広げる1つとして、
クラウドファンディングでの本づくり
本を通じたコミュニティづくり、
を考えました。
それが、”KuLa"に込めた もう1つの意味です。


そして ”Scip”。
”Scip"は ”Ship (船)” の Old English です。

実は ”船” という言葉を使うことは、KuLaよりも最初に決めていました。KuLaScipの ロゴも 船が海に漕ぎ出ていく姿をモチーフにしています。

なぜ”船”なのか。

それは、
本は、作家の想いを乗せて読者に届ける”船”のようなものではないか、
船で人を運ぶように
本という”船” に、作者の想いを乗せて、読者まで運ぶ。
作家と共に、作家の想いを読者に運ぶ舟の役割を果たしたい。
だから ”Scip” 。

まだ船出したばかりの、小さな出版社ですが、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

KuLaScip

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