コロナワクチン「コミナティ」接種1回目報告

2019年に発生したCovid-19感染症(新型コロナウイルス感染症)は2020年1月に本邦で初めて感染者が確認されました。確固たる治療法もないまま1年が過ぎました。12月にアメリカでファイザー社のmRNAワクチンが承認され、その後に諸外国での承認がなされ、また、他社のワクチンの承認も受け、世界でのコロナへの対応が大きく様変わりしてきました。

そんな中、日本では2021年2月14日よりファイザー社のmRNAワクチン「コミナティ筋注(一般名 コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2))」が異例の速さで承認され、2月17日から医療従事者への先行接種が開始されました。私も先行接種の対象となったことで2月17日に早速接種しました。まだまだ少ない接種者数なので、少しでも役に立てるならと思い、接種3日目までのことを書いておきたいと思います。

接種前のこと

まず、今回のワクチンは筋肉注射(筋注)であるということで、院内でも接種方法が分からない、痛いのではないかとの声が各所から聞かれました。小児科の当院では医者、看護師含め筋注の経験が少なくちょっとした混乱となりました。そういう時に役立ったのがこちらです。

新型コロナワクチンはなぜ筋肉注射なのか?

健栄製薬 ケンエーIC News 感染症トピックス 2012年11月 11号 ワクチンの接種法

とにかく取り去ることのできる不安は全て排除するために資料をコピーし、配布しました。

ワクチン接種当日

2021年2月22日、当院での接種第1日目に接種することができました。

こみな

ニプロ社のシリンジが回ってきたようで、一つのバイアルから6人分取ることができました。

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針を刺すチクッとした痛みだけです。ワクチンは0.3mlなので、あっという間に終わりました。30分ほど安静で過ごしましたが、ショックや気分不良などもみられず、こんなものかという印象でした。熱もなく、頭痛もなくそのまま仕事を続け、夕方には帰宅しました。

投与開始初期の重点調査(コホート調査)

今回は優先接種で、調査対象のためいろんな配布物がありました。そんな中、こんなものをもらいました。

もらいもの

1日2回の体温測定のための体温計、発赤や主張が出た時に広がりを見るための定規、発熱や頭痛が出た時のための解熱鎮痛剤です。これを調査対象の全員に配っているようです。

接種6時間後

15時に接種し、その約6時間後の21時頃に副反応がみられました。接種部位の疼痛です!

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インフルエンザワクチンの時のように発赤や腫脹、掻痒感などは全くなく、例えるなら、そう「筋肉痛」です。じっとしていると痛くない、動くと鈍く痛い感じでした。薬が必要かというとそういうわけでもなく、本当に筋肉痛にような痛みでした。その日はこの接種部位の痛みだけで、発熱もなく、頭痛もなく平和に過ぎ、0時頃に就寝となりました。

接種翌日

朝方7時頃に目が覚めると、寝返りをうつと痛い、押さえると痛いという程度に接種部位の痛みは残っていました。眠れないほどの痛みではなく、夜間中途覚醒はありましたがすぐに入眠できる程度でした。その日は2月23日、天皇誕生日で祝日だったため、のんびり過ごす予定にしていたため、午前中は家でダラダラと過ごしていました。お昼を過ぎるとダラダラするのも飽きてきて、家族で出かけました。公園で走り回ったり、買い物で大荷物持ったりしましたが特に問題なく経過しました。

日中は3時間おきに検温しましたが、36℃台で推移していました。頭痛もなく、あるのは筋肉痛のような疼痛だけでした。ただ、この痛みも夕方くらいには気付かなくなり、夜には消失していました。実質24時間ほど痛みは続いていました。この日も0時頃に就寝しましたが、特に問題なく、中途覚醒もみられず快眠でした。

接種後2日目

勤務のためには6時半頃に起床しましたが、特に痛みもみられずいつも通りでした。病院に着くと、同じ日に接種した人たちとのすれ違いざまの会話では、ほとんどの人が投与した日の夜か翌朝から同じような筋肉痛のような痛みがあったようですが、2日目の朝には消失していたそうです。10人ほどの話では発熱は1人だけ一過性にみられたそうです。また、この日は第2回目の接種日で、当院では24人が接種しました。接種後の聞き取り調査では、皆さん痛みは前述の通り接種時のチクッとする痛みだけだったと言っていました。

接種後3日目

この日も前日と同じく、なんともありません。前日に接種した人に聞くとやはり夕方から朝方に接種部位の同様の動かした時に痛みがあり、進行形で痛いと言っていました。ただ、夕方になるにつれ痛みは薄れてきたとも言っていました。

接種後3日経過のまとめ

私のn=1の感想ですが、痛み以外の副反応はありませんでした。聞き取り調査(n=20)でも全員が筋肉痛のような痛みの訴えがあり、1人だけ一過性の発熱が見られたようです。しかし、解熱鎮痛剤を飲むほどではなく、1時間も続かないものだったそうです。

コロナワクチン接種について

接種部位の痛みについては接種前にしっかりと言っておくことをお勧めします。また、接種翌日は休むか軽い仕事にしておいた方が良さそうです。痛みはあくまでも主観なので、周りの人にはわかりにくく、表現も難しくなりそうです。

1回目の摂取が終わった方は自分の副反応をそのまま伝えていただければと思います。事前に聞いておくことで、こんなことが起こるんだという副反応への心構えができるでしょう。幸い私の周囲では周囲では今のところ、重篤な副反応は見られていません。

これから接種される方は実際に接種した人からのお話を聞いたり、ネットなどに出ている正確な情報を入手しておくのもいいと思います。例えば、新型コロナウイルス感染症やワクチンに関する正確な情報を届けるプロジェクトである「こびナビ」や、コロナワクチンへの不安を少しでも減らしたい医師たちのプロジェクトである「コロワくんの相談室」などから正確な情報を収集することができます。

最後に

新型コロナウイルス感染症はいまだに治療法の確立していない感染症です。これまでマスク、手洗い、三蜜回避をベースに活動自粛や緊急事態宣言などでなんとか凌いできました。そんな中、今回のコロナワクチンが登場し、すでに各国で接種後の効果とも思える感染者数の減少が報告されています。イスラエルでは死亡や重症化をそれぞれ約99%減らすことができるだけでなく、入院や発症をそれぞれ95%以上減少させることが報告されています(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2101765)正直ここまでの数字とは思っていませんでした。

日本ではワクチン摂取が始まったばかりです。未来のことは誰にもわかりませんが、このワクチンによりとても希望が持てるものだと信じています。みんなでコロナ禍を乗り切りましょう!

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