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メメント と コーヒーアンドシガレッツ

新装オープンした、ミニシアター:テアトル梅田(元シネ・リーブル梅田)にて、二本立て自主興行。
15年程前、梅田スカイビルのご近所で働いてた時期、自分好みのマイナーな映画がかかると仕事上がりによく観に行ったものだ。
改装後はカフェスペースも生まれ変わり、緑のガーデン見下ろしながらの珈琲タイムもまったりくつろげる。いま大阪で最旬デート処かもしれない。


メメント

2001 日本公開 Memento

この映画は相方とビデオを借りてきて二人で深夜に観た。10分前の記憶すらできない記憶障害の主人公レナードは名前と顔と行動をよく間違え、忘れないためにポラロイド写真にメモを残し、tattooで身体中にfact(事実)を刻んでいく。ついに誰が復讐相手さえ忘れてしまう。
...と言う話の筋はわかるのだが、いったい誰が犯人だったのか、主人公を騙していたのは誰だったのか、私も相方も分からなかった。
え? とあっけなくジ・エンドとなり、ずっとモヤモヤの記憶だけ残っていた映画だ。

で、今回わかったこと

・クリストファー・ノーラン監督の長編2作目、つまり時間の逆流、過去と現実入り交じるのが常套手段(映画テネットで慣れたので大丈夫)
・みんな嘘つき、みんなレナードをハメる
・愛車ジャガーもスーツさえ、まさか!
・復讐すべき犯人は闇の中(登場しない)
     
あくまで自分の考えだけど。20年越しのモヤモヤはスッキリできたので◎
 
※ネタバレ考察:たくまるさんnoteでスッキリできます ↓

コーヒーアンドシガレッツ

2006日本公開 出演者陣がすごい

ジム・ジャームッシュ監督の作風が好き。日本公開時に観たが、カルト映画としてここまで人気がでるとは思わなかった。
とにかく芸達者揃いの配役で、役名は本名、つまり役を演じるのではなく本人役で登場。
イギー・ポップをジミーと誤って呼ぶトム・ウェイツに白目むいたが、ジュークボックスにお互いの曲が全然入ってない、のくだりに失笑した。
メンフィスで黒いツインがプレスリーの都市伝説を馬鹿にしたり、パリでサイコロ振る訳あり顔のアレックスとアイザックの再会だったり、ケイト・ブランシェットのお嬢女優とあばずれ女の1人二役も皮肉たっぷりだった。
珈琲と煙草と音楽。ただそれだけなのに超クールなジャーミッシュ世界観、モノクロの余韻はきっと紫煙の残香かもしれない。


ところで、映画を観る間、観客はスマホの電源を切る。電話もSNSも着信音も動画も無縁の貴重な時間を私は、デジタル・デトックス と呼んでいる。
二時間の非日常体験、しかももう一度観たかった旧作のリバイバル上映、ありがとう。

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