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突然現れ、素早く立ち去る野鳥 レンジャク

 先日、突然、我が家の近くにヒレンジャクの群れが現れました。50羽以上。多数のヒレンジャクが我が家の近くに現れたのを確認したのは、10年ぶりです。

ヒレンジャク(2024/3/8)

 ヒレンジャクは、群れで行動します。食べ物を求めて移動し、発見すると暫く滞在。食べ尽くすと、次の食べ物を求めて、移動していきます。タイトルの通り、突然現れて、素早く立ち去ります。
 今回は、たわわに実ったクロガネモチの実を2日程で食べ尽くして、去っていきました。おまけに、周辺の公園や道路沿い、民家にあったピラカンサなどの実も綺麗になくなっていました。

クロガネモチの実に群がるヒレンジャク(2024/3/8)

 ヒレンジャクの群れには、キレンジャクが混じっていることがあります。残念ながら、今回はキレンジャクの姿を確認できませんでした。

 ヒレンジャク・キレンジャクは、シベリアなどで繁殖し、越冬のために日本に飛来します。ヒレンジャクは、本州中部より南、キレンジャクは北に飛来します。
 関西では、毎年、ヒレンジャクが現れますが、キレンジャクを観察できるのは、稀です。私もキレンジャクを観察したのは、1回だけです。
 キレンジャクは、食料となる木の実の量が少ないと、食べ物を求めて、南下してくるようです。

 ヒレンジャクは、体長約18cm。全体的に淡い褐色をしています。頭部には、尖った冠羽があり、冠羽の縁から眼までの過眼線と喉が黒色、顔は赤みのある色、嘴は黒色です。尾羽は黒色、先端が赤色です。翼の先端部分は黒色で白斑があり、腹は黄色みがあります。

ヒレンジャク(2023/3/4)
ヒレンジャク(2024/3/8)
ヒレンジャク(2024/3/8)

 キレンジャクは、ヒレンジャクより少し大きい全長約19.5cm。キレンジャクとヒレンジャクは似ています。明らかに異なるのは、尾羽の先端が赤色ではなく黄色という点と腹が黄色でないというところです。他にも違いはありますが、尾羽の先端が赤色か黄色かで、見分けがつきます。

キレンジャク(2020/1/25)
キレンジャク(2020/1/25)
キレンジャク(2020/1/25)

 ヒレンジャクを漢字で表すと「緋連雀」、キレンジャクは「黄連雀」。「緋」は濃く明るい赤色を表し、「黄」は黄色を表すので、尾羽の先端の色で2種を分けています。
 「連雀」は、ヒレンジャク・キレンジャクが多数の群れで行動する習性を見て、雀が連なるということで名付けられたようです。電線などに連なってとまる姿は、まさに連雀です。

民家のアンテナに連なってとまるヒレンジャク(2024/3/8)
キレンジャクの群れ(2020/1/25)

 連雀は、平安時代に既に認識してされていたようですが、ヒレンジャクとキレンジャクが区別されるようになるのは、江戸時代からです。確かに、よく見ないと区別はつきません。ヒレンジャクに混じるキレンジャクを探すには、双眼鏡で1羽づつ確認するしかありません。

 ヒレンジャクやキレンジャクを観察するとしたら、ネズミモチ・ヤドリギなどの好物の木の実があるところに出かけることが必要ですが、いつ現れてくれる分からないので、観察は容易ではありません。昨年、大量に現れてくれたからと言っても、今年、現れてくれるとも限らないのが、レンジャクです。

ヤドリギに現れたヒレンジャク(2023/3/4)
クロガネモチの実を食べるヒレンジャク(2024/3/8)
クロガネモチの実を食べるヒレンジャク(2024/3/8)
ネズミモチの実を食べるキレンジャク(2020/1/25)
ネズミモチの実を食べるキレンジャク(2020/1/25)
食事の後、のんびりしているヒレンジャク(2023/3/4)

 観察しようと思ったら偶然に期待するか、現れたということを聞いたら直ちに訪問するしかないようです。土日しか休みがない者からすると、休日になったので行ってみると既に立ち去った後ということは、何度もあります。
 そもそもレンジャクは、毎年、現れる種ではなく4〜5年ぐらいの周期で現れるというような話もあり、我が家の近くに10年ぶりに現れたのも頷けます。

10年前のヒレンジャク。当時のカメラではこの程度の写真(2014/3/21)
10年前のヒレンジャク。当時のカメラではこの程度の写真(2014/3/22)

 こんな感じで、ヒレンジャク・キレンジャクを観察しています。


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