「オンラインマガジン騒人」のこと

元々はFBOOKであった。FBOOKとは、かつてあったパソコン通信「NIFTY-Serve」の本と雑誌のフォーラムのことで、作家志望者たちが日々、文章修行に明け暮れていた。フォーラムとは今でいう掲示板のようなものだ。FBOOKに出入りしていた人の中で作家、あるいはライターとしてデビューした人は何人もいて、具体名は挙げないが、驚くようなビックネームも含まれている。主な活動期間は1990年から2000年にかけてで、インターネットが一般的になって徐々に衰退していった。

そこで面白い原稿をまとめてシェアテキストとして売っていたのが騒人の前身となる「QuickSand」である。電子書籍のはしりであった。その後、「QuickSand」は、パソコン通信からネットに移行して「騒人」と改め、ホームページとして公開するようになった。ちなみに、当時掲載していたテキストはいまでも騒人で読める。「QuickSand Vol.1」は1995年だったから、もう20年近くなる。正直コストを考えたらやっていられないが、面白いのだから仕方がない。

騒人は単なる「投稿サイト」ではない。同人でもない、開かれた「読み物サイト」である。投稿サイトでは、ハッキリ言うけど小説にすらなっていない文が数多くあるが、騒人に投稿されるのは、それなりに書けている作品が多い。原稿募集のページに「基礎的な文章力やオリジナリティ、内容の面白さなどから編集者が判断」と書いた。すべて採用するわけではない。採用の場合、基本、顔写真も公開してもらう。本気でなければしないだろう。むろん狙ってのことだ。

採用されるコツは、ぶっちゃけ騒人を作っている熊切を悦ばせることにある。小説賞と同じで、掲載(受賞)作品の傾向と対策を練るのが大事で、自信のある作品を投稿しても不採用だったのは熊切の好み(騒人の傾向)でなかった可能性がある。むろん、好みに関係なく、すごい作品はあるからそれはもう「参りました。ぜひ掲載(あるいは電子書籍化)させてください」と頭を下げますけどね。そう言いたくなる作品を読みたい。読ませて下さい。

電子書籍化は、いまでは誰でもKindleで出版できるから、わざわざ騒人から出す必要はないと思われるかもしれない。しかし、Kindleはもちろん、パピレスやBookLive!、honto、どこでも読書、BookPlace、紀伊國屋書店、Reder Store、BooksVなど各電子書籍販売サイトに載るのだから、使っていただかない手はない。「騒人選書」を冠し、適当なものは出しません。原稿料はありませんが、印税15%を支払います。
騒人掲載作品は、書いてもらうのも、サイトの運営も(ほぼ)ロハゆえ、あまり厳しくできないのだけれど、電子書籍化では手直しをお願いしたり、こちらで書き換えることもある。時間はかかるが、そこから多少は勉強になるのではないかと思う。しかし、ここだけの話、編集どころか校正も行わない出版社もあると聞く。コスト的に厳しいのは分かるが、それはその作品や著者のみならず、文芸のレベルを低下させる無礼な行為だ。担当者が読んでいない可能性すらある。電子出版だからと舐めないで、もっと人を感動させる、あるいは影響力を持つ作品に取り組んで欲しい。ちょちょいのちょいでできるものなどたかがしれているし、その人間と人生を現すことにもなるからだ。

ぜひ、熊切を面白がらせ、感動させる作品を書いてください。投稿、お待ちしております。→ http://sohzine.jp/

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熊切 丈晴

コメント2件

「なんだこれ~!ちょーおもしろい~!」と、いつか熊切編集長を悶絶させてみたい。
ぜひw。
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