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歩みよりで働き方改革に挑む。NPO法人福岡県ママのキャリアセンター 理事長”藤高昌子さん”

社会保険労務士として職場環境づくりに取り組むと同時に、NPO法人にて子育て女性のキャリアアップ支援をする”藤高昌子さん”一貫性を持ち、全力で取り組む彼女の原動力は何なのでしょうか??伺ってきました。

藤高昌子さんプロフィール
出身地:福岡県
活動地域:福岡県内(次男が小学生になるまでは)
経歴:福岡教育大学卒業後、教育現場を経てベンチャー企業の管理部勤務。
平成20年 社会保険労務士事務所に勤務し、長男育休時に社会保険労務士試験に合格。次男育休時に行政書士及びキャリアコンサルタント試験に合格。平成27年独立。NPO法人福岡県ママのキャリアセンター理事長。
現在の職業および活動:
社会保険労務士・行政書士 ステア法務労務オフィス 代表
NPO法人福岡県ママのキャリアセンター 理事長
合同会社ステア総合研究所 代表社員
座右の銘:失敗したら初めからやり直せばいいの。そのたびにあなたは強くなれるのだから。

「自身の出産をキッカケに、子育て世帯の働き方に対する意識が強くなりました。」

Q1.どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?

藤高昌子さん(以下、藤高 敬称略) 私が大学4年生の時、母親が白血病を発症したのをきっかけに『生きやすさ』を考えるようになりました。

そこから、産業カウンセラーや教育カウンセラーの資格を取得し、その研修会で知り合った先生との御縁から、学校で非常勤講師として勤務し、その当時の経験は今の仕事に繋がっています。

子どもの人格形成には家庭環境が大きく影響しますので、社会保険労務士として働く人のワークライフバランスに寄与することは、親子の時間を創出する上で非常に重要だと思っています。
とはいえ、ワークライフバランスに対する意識が高まったのは自身の出産がきっかけでした。

記者 出産をキッカケに、どう意識が変わったのでしょうか?

藤高 社会保険労務士とは、「人、物、金」のうち「人」に関する専門家で、入社から退社までの労働社会保険手続きを始め、就業規則の作成や人事制度の構築など、快適な職場づくりを支援する仕事です。ですので元々、育児や介護と仕事の両立に取り組む機会は多かったのですが、自身の出産をきっかけに、子育て世帯の働き方にこれまで以上に注目するようになりました。
多くの社会保険労務士は企業と顧問契約をするので、企業側の立場で制度を整えます。私もそうでした。しかし、企業がどんなに努力して働きやすい職場を作っても、労働者側が歩み寄らなければ、働き方改革なんて進まないんですよね。特に育児中や介護中の従業員を積極的に雇用するには、相当の企業努力が必要です。

記者 労働者側が歩み寄らないと・・・というのは、どういう事ですか?

藤高 例えば、子育て女性を雇用する場合、子どもの病気による欠勤を考慮するだけでも、通常より多めの人員を確保する必要があります。人件費が増えるわけです。それを考えると「子どもが熱なんだから仕方ないでしょ」とか「給料が安くて不満」といったマイナスの感情ではなく、「今日は早退しますが、子どもが元気になったら取り戻せるように頑張ります」とか「残りの仕事は〇〇さんに引き継いでいます(代行者を自分で確保する)」といった歩み寄りの姿勢が重要なのではないでしょうか。

企業側も、将来を担う子どもたちを社会全体で育てていくために、「また休むの!?困るなぁ」ではなく「誰が休んでも大丈夫なように△△の設備を導入してみようか」等、可能な範囲で業務改善策を練るとか。実際、企業も労働者も双方が歩み寄り出来ている企業は、離職率が低く業績も向上しています。

ただ、核家族化が進み、共働き世帯が増えている現代において、子育てを1人で背負いがちな女性が、自分だけでそこまでの意識を高めることは難しいのが現状です。

そこで、子育て女性の意識改革や託児つきの教育訓練、企業へのインターンシップ等を通して、労働者(就職活動者を含む)側のコンサルティングをしようとNPO法人を立ち上げました。実際にNPOの事業を通じて、資格を取得したり就職を実現した方も多数いますし、父親の家庭参画のためのイベントも賑わっています。

記者 人の支援をすることに、元々関心があったのですか?

藤高 どうでしょうか・・・。ただ、障害をもった弟が幼い頃にいじめられていて、よく助けに行っていました。弟にとって過ごしやすい学校にしたかったのだと思います。『過ごしやすさ、生きやすさ』といったテーマには、その頃から関心があったのかもしれません。
でも、今思うとその支援は間違っていましたね。私が助けるのは簡単。でもそうではなくて、自分で解決する方法を習得して貰わなければいけなかったんです。

記者 このエピソードが、今の藤高さんのスタイルのきっかけに感じます。与えるのではなくて、自分で身につけるための支援。

藤高 そうかもしれないです。本当、教えるのは簡単なんです。でも、自分で調べたり勉強した方が覚えるし、努力する癖がつく。自社の職員にもあまり教えません(笑)。

Q2.AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか?


藤高:
AIのメンテナンスやプログラミングをするエンジニアさんが活躍すると思います。また、0から1を創造したり、人と人とのコミュニケーション等、人間らしさを生かす立場の人も重要ですよね。

そうすると、理系、芸術系みたいに対峙しそうですね。なので、両者が対立してしまわないように、相手の立場に立ったりバランス感覚をもつことが、大切になってくるのではないでしょうか。あ、歩み寄りですね。

Q3.どんな美しい時代を創っていきたいですか?

藤高 私は今、職場環境の改善や、子育て女性のキャリア支援をしていますが、例えば高齢者の支援をしている方や障がい者の支援をしている方など、世の中には色々な活動をしている方がいます。そういう方たちが、それぞれのフィールドを元気にしていき、結果、誰にとっても生きやすい世の中になったら良いなと思います。

美しい時代というのか分かりませんが、誰もが『笑顔の時間』が増えると良いと思います。生きづらい世界は嫌ですもんね。その変化を創るキッカケを提供していきたいです。

Q4.「チャレンジをしたい。」と思ってるが、なかなか一歩を踏み出せない。という方に、メッセージをお願いします。

藤高 一歩を踏み出せない理由は、色々あると思うんです。

例えば、専業主婦歴の長い方は、よくブランクを気にします。けれども、子どもを育てるということは命がけで本当に素晴らしいことですし、家事や育児をしているうちに優先順位の判断力や柔軟性を身につけている方も沢山います。なので、ブランクではなく「私の強み!」と発想を切り替えることや、どうしてもブランクに感じるのであれば、それを打ち消す何かを身につけることでしょうか。努力は自信に繋がります。
それにですね、一歩踏み出しても、その先は崖ではないんですよ。仮に、踏み出した先がぬかるんでいたとしても、元の場所に戻って、また別のところに踏み出せばいいだけです、恐れずに。

記者 藤高さん自身は、限界に出会ったときには、どう突破してきたんですか?

藤高 私、よく「もう限界だ~」となっていますよ(笑)。今までも突破してきたのかどうか分からないですが、全力でやってみて駄目だったら仕方ないと思っています。ただ中途半端にやって出来なかったら絶対に後悔すると思うんです。なので、泣きながらでも徹夜してでも、全力でやるようにしています。特に自分で決めた事には責任を持つ。全力でやり切ったら、例え突破できなくても新しい道が見えてくるから。

記者 限界を感じても、全力でやる事。なかなか出来る事ではないと思いました。藤高さんの一貫性持った強い意志は、自身に責任を持たれてるからだと思いました。突破できなくても新しい道が見えてくるという力強さに勇気を頂けます。ありがとうございました!

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藤高昌子さんの活動、連絡については、こちらから
↓↓
HP:
http://mamacareer.org/
SNS:
https://www.facebook.com/profile.php?id=100010079791971&fref=ufi

【編集後記】インタビューの記者を担当した熊倉と三浦です。
子供のころから、人の居場所や、良い環境づくりに関心をもって、支援をされ続ける彼女の一歩一歩が「誰にとっても生きやすい世の中」まで繋がっているんだと確信しました。貴重なお話を、本当にありがとうございました!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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