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「アフリカの人たちの雇用を生みたい」(株)スカイスターツアーズ 代表取締役社長 ”高井 英子さん”

”お客様の心に残る旅を提案したい”という想いで、25年旅行業に従事し、12年アフリカに行き続けた高井 英子さん。なぜ「アフリカの人たちの雇用を生みたい」という夢を掲げるようになったのか。そして、高井さんの明るさや勢いはどこから来るのか。お話をお伺いしてきました。

高井 英子さんプロフィール
出身地:福岡県福岡市
活動地域:地球と言いたいのですが、、、九州を中心に全国どこでも。
経歴:大学を中退後、某大手企業を経て家業である旅行会社へ就職。ワーキングホリデーで渡豪。25歳で帰国し旅行会社へ復帰。以来、旅行業一筋。ひたすら世界を飛び回る。
現在の職業および活動:旅行会社経営と一般社団法人マチビトの理事として地元大橋駅近辺の活性化活動に取り組む。
座右の銘:初心忘るべからず

「アフリカの人たちの雇用を生みたい。」

Q1.高井 英子さん(以下、高井 敬称略)どのような夢やビジョンをお持ちですか?

高井 アフリカで旅行会社と、ビジネススクールをつくるのが夢です。

私は今まで、アフリカ54か国中37か国を周ってきました。今の時代、確かにアフリカは発展していますが、今もまだ子供達が働かないと家族を支えれず、子供たちが学校に行けない現状がたくさんあります。学校に行けないのなら、子供たちが今やっている家業でちゃんと稼がせてあげたい。アフリカ人の雇用を生みたいと思っています。

「アフリカで旅行会社とビジネススクールをつくる」

Q2.「アフリカの人たちの雇用を生みたい。」という夢を具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

高井 今は情報の量も多く変化も速いので、目標は変化もしますし、縛られるのも違うと思っています。あまり目標を立てるのが得意じゃないく、「今」やりたいことを大切にしたいですね。

その上でですが、今の目標は旅行会社をつくり、その後にビジネススクールをつくりたいと思っています。

旅行会社は、日本のよいおもてなしを入れて行きたいです。アフリカはどんどん発展していますが、まだまだ観光客が満足するようなインフラや、ガイドの質など行き届いていないんですね。なので日本では当たり前に提供されてるサービスを提供したいです。たとえばアフリカウエディング、記念日の旅行でサプライズ企画など。色んなサービスをつくることで、気軽に「アフリカに行こうよ!」としていきたいです。

そして、その後にビジネススクールを立ち上げて、子供たちが今やっている家業で稼ぐ術を手に入れることで、雇用を生み出したいと思っています。

私は何十回とアフリカに行きましたが、まだ現地に住んだことは無いので、まずは来年(2020年)に、モザンビークのスラム街で「いのちをつなぐ会」という寺子屋をつくられてる榎本さんの元で、現地に住みながら修業をしたいと思っています。

「お客様の心に残る旅を提案したい。」

Q3.高井さんは現在どのような活動指針を持って活動していますか?

高井 この25年間、朝起きてから夜寝るまでの間、仕事しかしていなかったと思います。もちろん遊びには行きますが、旅のことを聞かれた時に即答したくて、毎日情報を収集し頭に入れる努力をしてきました。知ることが好きなんでしょうね(笑)。歴史や人口、産業、面白い情報など全て説明できるようにし「高井さんに聞けば分かる!」と、お客様の期待に応えたい想いがありますね。

理念は、”心に残る旅のお手伝い”です。弊社を選んで旅をしていただくお客様のために、心に残る旅を提案したい。安さばかりを求めた旅行は余り売りたくないのです。

お客様のご要望にはNoを言わず、できる限りのことを考えます。ある団体旅行の時に、普通のツアーや団体が絶対に行かないところにご案内したくて、現地のお店に交渉しお連れした時「最後にこんなサプライズが待ってたなんて!」と、凄く感動して喜んでくれました。

お客様から「今までの旅で一番良かった」と仰ってもらえることはとても嬉しいです。

「ガイドさんからの一言で、モヤモヤが全部スッキリ晴れた。」

Q4.そもそも、「アフリカの人の雇用を生みたい。」という夢を持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

高井 2012年に、中央アフリカに行った時のことです。中央アフリカは1960年代に独立してから安定政権が無く常に内戦状態の国で、交差点ごとに国連軍の戦車が取り締まり、観光も危険で行けない、少年兵も居て、レイプ犯罪も多い国なんです。

そこでガイドをしてくれたのが、中央アフリカのレイプ犯罪の研究に取り組んでいるカメルーン人の学生さんでした。

そのツアーの中で、内戦で親を亡くしているストリートチルドレンの子達と出会いました。とても純粋なその子たちを見て、日本のお客様がお金や飴をあげると、子供たちも大興奮で大喜びだったんです。ただ、私はそれまで、アフリカの子達に継続して支援ができないシーンに対して「この1回でいいのかな」とモヤモヤしていた気持ちも少しありました。

しかし、その時にガイドの彼が、「彼ら(ストリートチルドレンの子供たち)は内戦で親を亡くしてから大人からひどい目にあわされている。大人から優しくされた経験が無いんですね。今日あなたたちからお金や飴を貰った思い出を糧に、彼らはこれから笑って過ごせます。」と言われたんです。

その瞬間に、今までモヤモヤしていた気持ちが全部スッキリと晴れて、「そうか!これで良かったんだ!」とハッとしました。彼らの将来につながる支援ができるんじゃないかと希望に変わったキッカケになりました。

ガイドをしてくれた彼が、昨年、地元のカメルーンで旅行会社を設立。手伝って欲しいと言われているのですが、今すぐは無理なので、4年以内を目標に行きたいと思っています。そして、子供たちのためのビジネススクールも立ち上げ支援していきたいです。

「アフリカ人の生き方に憧れがある。」

Q5.その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

高井 アフリカで仕事をしだした2008年頃から、ずっとアフリカが好きで仕事がしたいと思っていました。

記者 なぜアフリカにそこまで魅力を感じたのでしょうか??

高井 アフリカの人たちの人柄ですね!彼らには日本の常識がまったく通用しないのでトラブルもたくさんあります。「コンチキショウ!アフリカ人!」と思うこともあるけど、手を差し伸べて助けてくれるのもアフリカ人だったんです。優しさや気遣い、心配りが家族的でとても温かく、警戒心や猜疑心も全く無いんですね。怒ることもありますが、それに対しても平気で言い訳してきます(笑)。自分の都合が一番で、人の目も気にせず、こうしなきゃとかも無い。それがストレートでとても気持ちが良いんですね。

内戦の環境下で色々あるだろうに、それを受け入れて、毎日を楽しく、たくましく大らかに生きている。友達や家族も大切にしているので、少し話しただけで仲良くなれるし、仲良くなったら家族のように接してくれてとても温かい。

私は、そんな彼らの生き方に憧れがあります。

「自分たちのルーツや民族にプライド。」

Q6.アフリカは今も貧しさや内戦も続き、差別の歴史もあったと思います。なぜ、彼らはそこまでたくましく優しく生きられると思いますか?アフリカの方たちは、自分たちのことをどう思っているのでしょうか?

高井 アフリカの人たちは、自分たちのルーツや民族にプライドを持っています。DNAレベルで誇りが高いのではないかって思います。彼らは自分たちの奴隷だった時の歴史もしっかり学びますが、それを怒りに変えるのではなく、自分たちの事を理解して世界へ羽ばたこうという考え方に転じていて、本当に凄いと思っています。アフリカ人は、いろんな民族で結婚するので、家族の中でも多くの言語が飛び交うのですね。なので、ひとりが6カ国とか7ヶ国語を話すほど、語学習得能力が長けていて優秀な人もたくさん居ます。

彼らのプライドや誇りが、たくましさや力強さにつながっているのかも知れないですね。

記者 ありがとうございました。高井さんご自身から感じる、優しさや人に対する温かさや、力強さが、アフリカの方たちの生き方ともオーバーラップしているように感じました。アフリカの方たちの生きる姿勢は、今の日本にもとても必要だと思いました。貴重なお話をありがとうございました!!

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高井 英子さんの活動、連絡については、こちらから
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書籍:珍国の女王(2016年発刊)

HP/Blog:ミエルタビ


【編集後記】インタビューの記者を担当した熊倉と丸山です。

とっても楽しいインタビューでした。高井さんのお客様に喜んでもらいたい、思い出に残る旅をしてほしいという、優しさやおもてなしの心が、アフリカでの旅行会社を通しても伝わって行ったら良いなと思いました。これから世界に向けてのご活躍を心から応援しています!貴重なお話を、本当にありがとうございました!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。



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