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カワイイ文化と着物

今日は、私が着物を好きな理由を書こうと思います。

まずは、すごく簡単な理由から。

【着物を好きな理由その1】
着ているとイベント感があってわくわくするから。
子供の頃から七五三で着物を着たり、
夏祭りで浴衣を着たり、
大人になれば成人式や結婚式で着物を着たりと
イベント事で着る機会の多い着物は
日常で着てもなんだか特別な日の気分になって、
着るたびに毎回わくわくさせてくれる。

【着物を好きな理由その2】
年齢に関係なく楽しめるから。
お洋服だといい歳してこんな格好?って批判されるときもあるのに、
着物だと多少派手でも何も言われないしむしろ褒められる。
着崩れしていれば知らないおばちゃんが直してくれるし、
電車に乗っていれば知らないおばあちゃんが素敵ね〜と声をかけてくれる。
着物を着ることで自然と普段接する機会の少ない世代の人たちと会話をすることが増えるのでなんだか嬉しい。

【着物を好きな理由その3】
日本のカワイイ文化の原点のひとつだと思うから。
これは、いままで日本のカワイイ文化や原宿カルチャーを研究してきた私の持論です。
今日はこのことについてじっくり語りたいと思います。

まず、ファッションにおける「カワイイ」とは何か。
私が思う「カワイイ」は、異性や周りに対してではなく自分に向いている。
ひとつの箱の中に、自分の好きな色や形を自分の気持ち良いと思う感覚で詰め込んでいって、それを眺めたり身につけたりすることで幸せな気持ちになったり、勇気や自信をもらうことが、私にとっての「カワイイ」。
その日のファッションがしっくりハマると、ファッションから自身をもらって、堂々と自信を持ちながら1日を過ごすことができる。

決められた枠の中で心地よい空間作るという作業はお弁当に似ていると思う。
お弁当は毎日同じ箱の中に、いろんな具材をぴたっとはめていく作業をする。しっかり作ろうとすると味のバランスも、彩りのバランスもとっても難しいけど、上手にできたお弁当は蓋をあけた瞬間笑顔になるし、食事バランスも健康的。
毎日違う中身を考えるのは大変だけど、日本のお母さんたちの多くはこれを自然とやっている。
私はこれが普通のことだと思っていたけれど、お弁当文化が日本のものだと知った時にはすごく驚いたのを覚えている。
日本人は決められた箱の中に素敵な空間を作るのが得意なのかもしれない。

私は10代後半から20代前半頃まで、週末はいつも原宿に行ってカラフルなファッションを楽しんでいた。私がしていたのはいわゆる、フェアリー系やデコラと言われるファッション。
しかし、原宿にいる時間はいつも予定より短くなる。
それは準備にやたら時間がかかるからだ。
何枚もの洋服を部屋に広げ、重ね着のコーディネートを何度も考え直して、
アクセサリーの組み合わせを考え、ヘアアレンジやメイクをする。
時にはやりたいファッションのために服やアクセを手作りする日もある。
出かけてる時間よりも準備の時間のほうが長いのでは?って日もあるほど、
その日のコーディネートを考えることが楽しかった。
何枚もの服を重ねながら、自分の世界を作る作業。
それだけ愛情をかけて考えたファッションで家をでれば、私は無敵だった。
ファッションから自信をもらって、無敵な自分と共に街を歩いた。

そんな日々の中で私はファッション好きの延長線で着物を着るようになる。
着物を着始めたときはまだ学生だったか、専門学校を卒業してフリーターになったばかりでお金も無い時期だったので自分で着物や帯を作ったりもしていた。
お洋服同様、コーディネートを考える時間が何よりも好きだったし、今もすごく大好きだ。
この生地を半襟にして、帯はこんな色にしよう。
差し色にはこの色を持ってこれば全然違う印象になる!
同じ着物でも小物の色を変えるだけでこんなにイメージが変わるんだなぁと毎回楽しくコーディネートを決めていた。

原宿ファッションと着物の両方を楽しむ中で気が付いたのは、
洋服はシルエットの変化をつけることができるけど、
着物はいつもだいたい同じ形になるということ。
着物の形は決まっているので当たり前と言えば当たり前なのだけれど、
同じシルエットの中でどれだけ変化をつけたり、自分らしいコーディネートにできるかという戦いに毎回燃えていた。

その作業はなんだかお弁当に具を詰める作業に似ているなと思ったし、
毎回同じシルエットという箱の中で自分の世界を作る作業はまさに「カワイイ」だなと思った。
もしかして日本人って、昔から自然と無意識のうちに「カワイイ」を作っていたんじゃない?
そう思うようになってから、私は着物を着ることがさらに楽しくなった。

現在私は、昔ほど派手な服装ではなくなって原宿にいくことも少なくなったけれど、いまも色やファッションを楽しんでるし、着物を着るたびにカワイイ文化のことを考える。
いままで原宿カルチャーやカワイイ文化を発信してきた私にとって、次の研究材料は着物になった。
現代のファッションも着物も楽しみながら、自分の中のNEXTカワイイをみつけていきたい。


原宿ファッションやカワイイ文化についてまとめた動画はこちら。


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