履歴症

周りに合わせることで失ったものを数えたら
たった一つの言葉が浮かんだ
見失ったものは代用の効かないもので
私自身を支配している

いつの日からか忘れていたし
不必要なものだと見切りを付けていた
でも、いざ
私を司るものは何かと聞かれると
言葉に詰まり
息も出来ないほどに
私は私が見えなくなっていた

自分の人生を語るときですら
履歴書のように事柄を並べるだけで
まるで他人のことのように話してしまう
消えたものは「自分らしさ」

もういいや
って全部、消し去りさえすれば
また君のように飛べるのでしょうか
もうダメだ
って全部、捨て去りさえすれば
本当の自由ってのが手に入るのかい
胎盤あたりで落とした
あの真っ新な羽根は
まだアナタの身体に残ってますでしょうか

ニュースから流れる情報の大半は
「何処かの誰かが死にました」
というものばかりだ
その時に脳を駆け巡るのは
ほんの少しの哀れみと
自分でなくて良かったという安心感

結局の所
私たちは自分じゃない人の不幸など
共有することなど出来ないということ
でも、いざ
私は誰の為に生きているのかと聞かれると
息も付かないほどに
私は私の人生で手一杯になっていた

自分の人生を語るですら
診断書のような事柄を並べるだけで
まるで君の名前なんて載っちゃいない
消えなかったは「自分への保身」

やっぱいいや
って全文、取っ替えてしまえば
また君のように笑えるでしょうか
やっぱダメだ
って前言、撤回してしまえば
あの醜い過去は燃えますでしょうか
人生を象った
あの上っ面な紙は
もう僕を忘れてくれますでしょうか

消えないけど
向き合いたくもない
方便に身を委ね
癒えないけど
直す事もできない
道に僕を映して


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POEM2

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