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【残されて生きていく】EMNWG vol.2リリース記念!水咲加奈「生残者」で1.3倍生と死について考えちゃうnote

こんにちは!
アキレスと亀のともきです!

今回はついにリリースされたEMNWGことEnjoy Music New Wave Generations vol.2収録曲である

水咲加奈「生残者」

について

どんな曲なのよ?
カーテンコールの裏側
「生残者」

3つのキーワード勝手に深読みしていきます!レッツゴー!


どんな曲なのよ?


いよいよリリースされたEMNWG vol.2
今回はChapterという形で3週に分けてリリースさるわけなのですが、記念すべきChapter #1の1曲目を飾るのが水咲加奈さん「生残者」

水咲さんといえば、ピアノ弾き語りのイメージが強いわけなんですが、今回はなんとバンドサウンド
楽曲の一音目からポップになってる!と驚愕しました。

サウンドとしては結構ポップで聴きやすいのに、楽曲の方はあの凄みというかエグみみたいなものを損なわずギリギリのバランスで成り立っている感じ。

従来のエグい水咲さんが好きだった方も、ちょっとエグいの聞いてみたいぜ!というそこの貴方にも自信を持ってお薦めさせていただける作品となっております!まじで。

ピアニストならではの独創的な変拍子の楽曲と、現代的にアップデートされたマスロック的なバンドサウンドがベストマッチ!1番合う。ビールとウインナーくらい合う。

のっけからリスナーを置いていかないギリギリくらいの変拍子で進んでいく楽曲。息切れしながらやっとこついていった先にある超ポップな四つ打ちのメロディ。これはクセになる。

彼女特有の文学的歌詞も大絶好調なのでそれはこの後お話ししていくわけですが、とにかくこの曲は聞きやすいので水咲加奈入門編にしてひとまずの完成形と言ってもいいような一曲です。ほんとなのよ?


カーテンコールの裏側

それでは歌詞の方についてもお話させて頂こうと思います。

カーテンコールの裏側に君がいた
僕になおざりにされて
どうしても時間がない

こんなフレーズから楽曲が始まります。
カーテンコールとは舞台なんかでおわった後に役者さんや監督さんがご挨拶をするあれのことです。

ちょっと飛ばしてその先の歌詞を見てみます

撫でた髪は無限
さっき見た君の白い服
今夜はここに置いていこう

『讃美歌を聴きながら』

さあ雲行きが怪しくなってきましたね…カーテンコールとはなんのことだったのか…白い服の君を今夜は置いていく?讃美歌?
これは君は亡くなってしまっているのでは…?

ということでこの先、カーテンコール「君」のお葬式、もしくは人生の最後という認識で記事を進めさせていただきます。

その考えでいくとこの先の歌詞がとっても面白いんです。

天に届いた斜陽に
歓喜する僕たちの姿はとても無惨で
世界で一番美しい瞳をしている君がいた
いまさら高鳴る本当の力を
見えない言葉のシャッターを切って
僕の頭の中で保存する
思い出すから

天に届いた斜陽という表現を、仮に君の魂が天に登った。と解釈するのなら歓喜する僕たちの姿はとても無惨でという一文があまり現代日本っぽくないというか、文学の中の世界であったり、もっと宗教的な考え方に感じます。もちろん今の日本にもそのような考えを持った方はいらっしゃるのでしょうが。

「君」が天に登ったことを歓喜する。もちろん単純にあの人は天国に行けたんだね。よかったよかった。くらいならよくあるのでしょうが、なんというかそれ以上の深さを感じます。

ここではあまり深く書きませんが、「聖者の行進」ってお葬式の歌なんだよ?みたいなニュアンスを感じます。気になる方はぜひ調べてみてください。

とはいえ現代の日本人水咲さんが作った歌詞ということで丸めて考えていくときに、引っ掛かるのが先程のカーテンコールの裏側に君がいたというフレーズ。

カーテンコールをお葬式とするならば、主役であるはずの「君」が裏側にいる。主役であるはずの「君」ではなく残された人たち主導の式になっていることに違和感を覚える。というような認識。

それこそ物語のような例えになってしまいますが、人目も憚らず泣いている人に対して「お前そんなに仲良くなかっただろ」とよぎってしまうような黒い部分とか、遺産がどうの残された人がどうのと話している浅ましさとか。
そんな大袈裟なものじゃなくてもふと引っ掛かる違和感のようなものがカーテンコールの裏側という言葉を使わしめているのではないでしょうか?

でも君の瞳、このシチュエーションで言えば遺影でしょうか。それを見るととても美しい。せめて自分だけは美しいまま覚えていよう。そんな決意の伺える歌詞になっています。います。いるんですよ。きっと。


「生残者」


この楽曲のタイトルは「生残者」なかなか音楽に使われることのないインパクトのある言葉です。

この言葉を考えていく上で先の歌詞も見ていきましょう!

さよならは永遠なんて
浅はかなものじゃなくてさ
一時的に違うベクトルの世界線にいくだけって信じてるから
またあおうね

この歌詞。なんというか、他の歌詞に比べてストレートというか年齢が少し下がる感じというか、そんなような印象を受けませんか?普段の水咲さんであれば漢字で書きそうな言葉にもひらがなが使われていたりします。

この辺りから、ものすごく勝手な推測ですが、家族とか幼馴染とか子供の頃から知っている相手への気持ちのように感じます。またあおうねって言葉が自然に出てくる相手って意外と少ないんじゃないかと思うわけです。

そして結びの歌詞

遅いなんてことはない?
それぞれに不自由な心抱えて
残されたこの世界で

カーテンコールの段階でようやくシャッターを切って記憶した。それじゃ遅くないかと不安になりながらも、そして自分ももしかすると相手も感じたさまざまな黒い感情もそこにあるものとして飲み込んで、それでも生きていく。

曲調も相まって「君」に残されたものとしての神聖な誓いのように感じます。

「生残者」という言葉からはただ生き残っただけというよりは、何か事件があって死ぬかも知れなかったがたまたま生き残った人。というようなイメージを受けます。勝手な解釈かも知れませんが。

言葉にすると途端に安っぽくなってしまいますが、「君」をなくしたことで自分の世界も終わってしまうような気持ちを経験して、それでも残された者としてその感情とともに生きていく。というような儚さと力強さを感じるタイトル。

たくさんの人に聞いてもらいたい一曲です。


ということで紹介してきました水咲加奈「生残者」は以下のリンクから!

それ以外の楽曲も名曲揃いですのでぜひお聞きください!よろしく!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!バイバイ!!




おいしいビールが飲みたいのです・・・