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イーソル株式会社 代表取締役社長 長谷川 勝敏さん

世界標準の自動車OS開発で世界をめざす
かつて、複合型コピー機のOSを開発した同社は、今は自動車用OS開発で、欧州の標準化の取り組みに参画し、世界を目指す。世界の標準化の動きの裏側と同社の戦略を聞いた。


1)コピー機の複合機化の実現は、イーソルの技術

藤沢:藤沢久美の社長Talk、今日のゲストをご紹介します。今日は東証マザーズ上場企業です。証券コードは4420のイーソル株式会社代表取締役社長、長谷川 勝敏さんです。長谷川さん、よろしくお願いします。

長谷川:よろしくお願いします。

藤沢:イーソルさん。会社のお名前もそうなんですけれど、ロゴがとっても素敵。太陽のマークが付いている。

長谷川:そうなんですよね。イーソルのはじめのロゴのeは、embedded、これ、組込みソフトウエアの組込みという意味です。それとあと、enabling、なんでも可能にしていこう。それとあとエンジニアリングのeという思いを込めてeと。SOLというのが、よく一般的なソリューションというふうに取られる方、いらっしゃるんですけれど、実はもう一つ意味があります。ソーラーなんですよね。

藤沢:太陽?

長谷川:はい。なので、ロゴがeがなんか。

藤沢:太陽のように。そうなんです、eがね、太陽なんですよ。

長谷川:そうなんです、そうなんですよね。

藤沢:なんか、すごく元気で明るい感じのロゴなんですけれども、お仕事の内容はというと、最初にちょっとおっしゃった組込みソフトということでいいですか。どういう組込みソフトになるんですか?

長谷川:皆さん、パソコンとかスマホでしたら、必ずアップルのOSが乗っていたり、マイクロソフトさんのOSが乗っていたりというのをご存じなんですが、ふだん皆さんが使われている色々な機械にも、実はプラットフォームというものが存在しています。そういったものはほとんど24時間、365日動き続ける機械なので、ああいった一般的なOSというかプラットフォームは使われていないんですね。なので、実は見えないところで独自のプラットフォームというのを必ず採用いただいているというものを、私どもは自社で開発しまして、世界に向けて販売をしています。さらに、その半導体部分でしたり、お客さまの付加価値をつけるための機能をプラットフォームに組み込んだりというエンジニアリングサービスを提供させていただいております。

藤沢:なるほど。何か、ごめんなさい、わかるようでわからないというか。本当こう、色んな機械を使って、今、目の前にストップウオッチがあったり、デジタルの時計があったりするんですけれど、こういうものにもOSというものが入っている。

長谷川:ストップウオッチには多分入っていないです。

藤沢:ストップウオッチには入っていない。

長谷川:なぜかというと、プラットフォームが入るほど高機能ではないですね。ソフトウエアは入っています。

藤沢:そうか、だから、色んな機能がついているもの。例えばイーソルさんは1984年に複合機用のOSを作られたんでしたっけ。

長谷川:複合機用というか、当社のプラットフォームはすべての産業に横断的に使っていただいております。当時、一番のお客さまが複合機のメーカーさまでした。というのも、複合機が出る前というのは、コピー機というものがありました。コピー、皆さん取られることがあると思うので、すぐ想像できると思うんですが、紙をスキャニングして、スキャンしたデータを印刷するという、順番に処理をすれば済むという機械だったのですが、複合機、最近だとMFP、マルチファンクションプリンターと呼んだりもするものには、コピーにファクスが付いたんですね。ファクスが付いた瞬間に何が起きたかというと、紙をスキャンしている間にも、電話がかかってきてデータがやってくる。はたまた、印刷をしている間にも電話がかかってくるということで、複数の仕事を同時にできなければいけないという機械になった、ということですね。そういった用途で、私どもの、複数の仕事がいっぺんにできるプラットフォームというものを採用いただいたというのが1984年の当時ですね。

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