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郵便仕分けの現実にショック

今日は、深川郵便局と新東京郵便局で、郵便の仕分けの現場視察でした。

深川郵便局は深川地域への郵便物やゆうパックなどを届けることと、郵便局に届けられる郵便物の集配。そして、新東京郵便局は、東京17区から集まってきた郵便物の全国への発送と全国から集まってきた東京17区への配送です。

視察が始まった夕方から夜にかけては、大量のゆうパックや郵便物が届き、朝までに仕分けと配送を終えるという現実、さらに、それを担う人材採用が困難となり、既存の社員に残業を強いるしかないという現実を知り、郵便のスピードが本当に今必要なのかも疑問に思えてきました。

新東京郵便局は、さすがにかなりの自動化がされていますが、それでも、まだまだ手作業が多くあります。取り扱いが伸びているというレターパックも仕分けは全て手作業です。「熟練の社員の手にかかれば1500通くらい仕分けができる」とのことですが、人手不足が続く今、この作業を責任を持って続けてくれる人がどれくらいいるか不安です。近く、この作業も一部実験的に自動化に取り組むとのことです。

深川郵便局では、各世帯への配達を担うため、多くのプロセスで手作業があり、配達の指示書は紙にプリントアウトをして使っているなど、至る所でアナログな対応がたくさん見られ、配達間際の郵便局の負担の大きさに、胸が痛みました。 

現場の手作業の数々を見ていると、私たちは郵便というものに対して、過大に期待しすぎていたのではないかと思えてきました。いろんな形状のものを切手を貼ればどこにでも届けてくれます。宅配便のような距離に応じた価格差もありません。

また、企業から大量に送られる郵便物などは、まとめて輪ゴムがはめられていて、その輪ゴムを外さないと、自動仕訳機械にかけることができないために、機械の前で、輪ゴムをせっせと外して作業をする人がいました。大量割引を受けているはずの企業が、実は余分な作業を発生させている現実もありました。

この現実は、単純に値上げをすれば黒字化するというものではなく、郵便を出すところから受け取るところまでのプロセスを洗い出し、一体どのようにプロセス改善をすれば現在の人員とコストで郵便が成立するのかを見直すべきだと思いました。

もしかしたら、今の郵便は、送り主に自由度を与えすぎなのではないかとも思います。もっと郵便物は定型化して、機械での仕分けができる形状に限ってしまってもいいのではないだろうか・・。

私たち郵便ユーザーも、今のままの郵便サービスを求めるのではなく、郵便のユニバーサルサービスを求めるならば、ユーザー側も譲れることは譲っていくという姿勢が必要であり、郵便局側も、効率化に向けて抜本的な業務改革に着手する勇気が必要ではないかと思いました。

民営化以降、効率化に着手したそうですが、それでもやはり、郵便事業の限界を痛感する視察でした。





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