経営者として６０年。常に進化する経営者
２０歳に飲食業を開業し、６４歳で、PCもネットも未経験ながら、ネットベンチャーを設立。時代に対する感度と柔軟性の秘密はどこにあるのか。究極のプロ経営者ここにあり。

１）６４歳、PC未経験で、ネットベンチャー設立

藤沢：藤沢久美の社長Ｔａｌｋ、今日のゲストをご紹介します。今日は東証マザーズ上場企業です。証券コードは４３８０、株式会社Ｍマート代表取締役社長、村橋 純雄さんです。村橋さん、よろしくお願いします。

村橋：よろしくお願いします。

藤沢：はい。Ｍマート、不勉強で知らなかったんですけど、ものすごい食材の卸売のサイトなんですね。

村橋：はい。

藤沢：数多くのお肉だとかハムや、飲食店の方が使われる物がたくさん。

村橋：ほとんどそろっております。

藤沢：ね。見た瞬間に私も買いたいと思ったんですけど、個人は買えない。

村橋：そうですね。個人はお断りしています。

藤沢：あくまでも、ご商売をされている方。

村橋：そうですね。

藤沢：こういう、ある意味ネット販売？

村橋：ｅマーケットプレイスと言いますけどね。

藤沢：ｅマーケットプレイス。これを創業されたのが２０００年なんですね。

村橋：そうですね。

藤沢：２０００年というと、まだ、楽天などはありましたが、インターネットで物を売買する人は本当になかった。

村橋：少なかったですね。

藤沢：その時代に、なぜこれを立ち上げられたんですか？

村橋：私は長年飲食店をやっておりますけど、ちょうどその当時、新宿でも何軒か店をやっていたんですけど、お米が、混ぜ物が多くて、お米屋さんに注意するとまともな物を持ってくるんですけど、また１、２回すると、また雑な物を持ってくるということを何回も繰り返していまして、私が直接厨房にいないものですから、見るたびに注意をしないといけない。それにちょっと困りまして、とにかくどこか米屋さんを替えようと思いまして、電話帳で探したけれど、うちは新宿に配達していませんとか、うちは業務用はやっていませんとか、そういうお応えばかりで、そういえばインターネットがあったなと思いつきました。けれども、私はパソコンも見たことないし、インターネットなんて当然見たこともありませんでしたので、息子を呼んで息子にお前パソコン持っているかと言うと、持っていますと言うので、持ってきて見せてくれということで、持ってきてもらって、インターネットをそのとき初めて、パソコンも初めて見たんですけど、食材卸売しているところがあったら探してくれということで、そうしたら、あったんです。うちより２年早かったですけど、じゃあ、中を見せてくれといったら、会費を払わないと中には入れないというわけです。食品スーパーに入るのに入場料を取るのかと。それはおかしいよと、日本人の感覚にはない、それはおかしいと。無料で見るぐらい、当たり前じゃないかと思ったんですけど、金を払ってこいということで、６万円を払いに行って。

藤沢：そんなに払うんですか。

村橋：はい。１年間、６万円、月に５０００円です。中に入ってみましたら、見た瞬間に、私は飲食店が長いものですから、中小の飲食店はこれは使いづらいなと、すぐわかりまして、９９％は中小企業ですから、これはもう使えないということで、すぐにやめまして、どうしようかな。じゃあ、自分でやるしかないかなと、そのときに。