歳をとると見えなくなるもの?
青森で開催されたG1サミットから戻りました。今年で11回目のG1サミットですが、私は2回目からの参加なので、初参加から10年が経ちました。
当初、当たり前ですが、みんな10歳若くて、日本を良くするために希望に溢れていて(もちろん今も!)、大胆なことをたくさん語り合っていました。そして10年経ち、当時の自分たちと同年代、または、それよりも若いメンバーたちの意見を聞いていて、ふと思ったのは・・・
10年前より自分は丸くなってしまっていないか?
知識も知恵もネットワークも増えて、10年前には見えなかった景色が見えるようになったけれど、かつて見えていたものが見えなくなっていないだろうか?
そんな不安がよぎりました。
今日も、落合陽一さんやプリファードネットワークの西川徹さんが、大学改革や産学連携について、語っていたことは的確で、
・イノベーションは確率的に生まれるものであり、大学の運営交付金は一律に配るべき。一律に配り、科研費のように自由度のある使い方を認めてくれた方が、イノベーションは起こりやすく、大学間で取り組みに格差ができることを認めるべき。
・大学には、論文以外にも評価軸を作るべき。論文以外にも社会実装など様々に評価できる軸はある。
・大学の学長の権限を強めたとしても、大学の経営が教授陣の互選と持ち回りで行われている限り、経営は強くなりにくい。経営人材の育成または招聘が必要。
・科学技術への投資において、市場原理で伸びるところは伸ばし、市場原理に乗らないところには、その芽を潰さないように均等配分するべき。
・産学連携において、企業側は自由度とスピードをあげてほしい。ベンチャーを囲いこもうとしないでほしい。
などなど、もっともな意見が次々に飛び出しましたが、現実の大学改革に向けた政策はちょっとずれている・・。いざ権限を発揮できるポジションに就くと、現場が遠くなってしまう、そんな課題もあるのかもしれません。そんな意味でも、G1サミットのような世代と分野を超えた意見を交換できる場は、とても重要だと思いました。。
大学改革は、私が文科省の参与だった時も着手していて、自分の反省の意味で書きましたので、今の文科省の方々を責めているわけではありません。
*写真は会場の青森屋のお部屋からの景色です。
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