秋の訪れはデンマークの妖精とともに (2021.09.03)



9月に入り、早くも秋の訪れを感じさせる気温だ。

今日はワクチン二回目接種日だ。
今日から3日間、3連休をもらった。
例の上司が夏休み代わりにと組んでくれたシフト。
3連休なんてステイホーム以来休んでないから、嬉しすぎる。
副反応がどうであれ、3日間はゆっくり休むつもりで迎えた。

記事を書くとかあまり頭を使わないようにして、代わりに好きな音楽をたくさん聴こうと。

無性に聴きたいバンドがあった。
デンマークのオルタナティヴロックバンド

Mew

2003年、1st「Frengers」で日本デビュー時から虜だった。
この頃、私は推せる邦楽バンド不在の中、遥か北欧に憧れを抱いていた。
聴くきっかけは失念していたが、このスケールのバンドは日本ではなかなか出ないんじゃないかと思った。それもそうだ、デンマークの至宝と言われているようなバンドだ。日本デビューということは本国及び周辺国ではかなりの存在だというのは考えなくてもわかる…ありとあらゆる日本のバンドと比較してはいけないのである。違うものとして考えたほうが良い。その時も日本のバンドに対して希望を失っていたわけではなかった。日本には日本の良さを生かしたバンドがいると。

北欧のバンド特有の凍てつくような質感、繊細で研ぎ澄まされた音の織り成す叙情的夢幻世界、ボーカル・ヨーナスの耳に心地よいが僅かに刺さるハイトーンボイス、胸の琴線を鳴らしまくる。
楽曲の構成が複雑で引っ掛かりが多いのも個人的には好み。
はっきり言って余計な説明は不要だろう。

私は勝手にデンマークの妖精などと安直なネーミングの冠言葉を付けて呼んでいるが、ネットで調べてみるとその呼称をちらほら見かけたので、以前から刷り込みされていたのかも知れない。

彼らの2ndアルバム「And The Glass Handed Kites」の15thツアー、来日公演は2020年6月に予定されていた。
東京は6月11日、マイナビBLITZ赤坂。
私はこれに行くつもりでいた。
私は誕生日6月10日前後に行くライブを自身へのバースデープレゼントとしているが、2020年はMewというビッグネームでかなり喜んでいた。しかし、このようなご時世、延期に中止となってしまった。

本国やヨーロッパでは、ライブが再開されているニュースが入ってきている。


いつかまた、日本に来られるようになったら、必ず行きたいバンドの一つだ。

最近、行く予定のライブに不安しか覚えない気持ちを切り替えるために、今は来日できない海外アーティストが来られるようになったら、まずどのバンドを観たいかと考えたら、真っ先に浮かんだのがMewだった。
行くつもりでいた公演が中止になったこともあるが、一気に涼しくなってきた気候に何故か気分がMewに行ってしまった。

YouTubeで動画を探したら、2015年のサマソニが出て来た。
1st「frengers」
01.Am I Wry?No~02.156
ソニックステージのトリで、イントロが流れた瞬間から鳥肌ものの美しさに圧倒された。

私は2015年、サマソニ東京1日目のみ観に行った。
Mewは2日目だった。
当時、私の仕事はシフト曜日固定で土曜休み日曜出勤だった。交換するには誰かにお願いしなくてはならなかったが、2015年はうつ病がひどく、サマソニに行くからシフトを交換してくれというのも億劫だった。(まずフェスに1人で行く気力はあったのかと言われれば、フェスは分かりやすい非日常の気分転換だから、どうしても行きたかった)

1日目はケミカル・ブラザーズにマニックス~が出るし、そちらでも良いかと思って行った。
暑かったが、1人でのんびり海風に吹かれて気分が晴れたので行って良かった。

2日目のMewのステージを映像で観て、やっぱりこれは生で観なくてはと思ったのだ。

朝からMewをヘビロテして、接種に出かけた。

ワクチン接種は近所のかかりつけ内科医院。
接種後、先生に、22日に東京渋谷のライブへ行く相談をした。行きたいが不安があると。
先生は、日数的には大丈夫でしょうと言ってくれた。
私は2回目接種が終わったことと、先生の言葉で先日まで抱えていた不安が少し軽くなった。

副反応で体調が悪くなったら、長文を書くのを控えようと思ったが、今の時点で一回目同様、接種した腕と肩がやや重いくらいで体調は悪くないのでこの記事を書いている。

今日は1stと2ndを交互に聴いた。
不安に揺れる現実世界をひととき忘れ、異国の冷たい空気に想いを馳せる。

2ndのジャパンボーナストラック「白い唇の誘い」の美しさに震えた。
日本語が母国語の側からすると英詞は音と意味にワンクッションがあり、一定の距離感を持って聴ける。
しかし、これはオリジナルは英詞の日本語訳詞。
日本語で歌われるMewの歌詞の美しさ…!
私の好きなタイプである情景を映す描写の歌詞だ。
「凍てつく」「雪」「吹き寄せる」などのワードをダイレクトに聴いてしまうと脳内は青白い雪景色に埋め尽くされてしまう。

これはもう秋じゃなくて冬だ。
一足どころかかなり季節を先取りしてしまった。
秋を感じるには日本のバンドが良いか?

明日になったら、ライブラリーを漁ってみよう。



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