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夢の風景 6

商店街の裏路地。狭い路地の左右には食堂や魚屋、肉屋、惣菜店に薬屋、小さな病院などが並んでいるのです。商店の屋根にあたるところは左右から無数の樹木に覆われています。

裏路地を進むと時折、真っ赤なワンピースを着た若い女性に出会います。ワンピースは頭巾付きで、彼女は顔を隠すように頭巾を深く被っているのです。

さらに進むと、少し大きな商店街に出ます。ここは天井のあるアーケードになっています。古い百貨店「昭和堂」があります。百貨店の従業員と思われる2人の女性が、百貨店を案内してくれるのです。ひとつだけ注意しなければならないことがあります。彼女たちに話しかけてはいけませんし、彼女たちの顔を見ようとしてはいけません。

さらに進むと、路地はまた狭くなり、馴染みの魚屋の前に出ます。店の前には、店番のお婆さんと、数匹の犬や猫が迎えてくれます。

更に進むと、路地全体を使ったビリヤード場が現れます。左右には射的場も数件並んでいます。

噂ではありますが、ビリヤードや射的に興じている人々は幽霊ではないか?と言われています。

さらに路地を進むと、美しい女性の踊り子たちに出会います。彼女たちは路地の道幅いっぱいになって静かに踊りながら歩いて来ます。

これも噂ですが、彼女たちは売れない踊り子で、中にはストリッパーに転身していた人たちもいるようです。

目的である宿泊所まではもうすぐです。その前に「黄泉の看護婦(師ではありません)」たちの祝福を受ける必要があります。そういえば、このようなゲームがあり、ホラー映画にもなったことがありましたね。

看護婦(師ではありません)のひとりひとりに採血をされる必要があるのですが、それは、かなりの血液量になってしまいます。ですから最後の採血が終了するまで生きていられる保証はありません。

採血をためらっていると、黄泉の看護婦たちだけにではなく、黄泉の国から次々に現れる“採血者”たちに襲われて、血を抜かれてしまいます。

どうやら今日も、宿泊所まで辿り着けずに終わってしまう気がします。

目的地の宿泊所では、妻と娘が僕を待っていると思うのですが、仕方がない、次の人生に賭けましょう。

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