見出し画像

災害の多様性「日本海と太平洋」

「日本列島の危険な地体構造」

度重なる能登半島の地震と太平洋側で起きる地震と関連性があるという専門家がいます。僕は専門家ではありませんが、同じ意見です。

皆さんもご承知のように日本列島は、いくつもの大陸プレートの上に位置します。北海道から東北地方、関東地方を載せている「北アメリカプレート」、静岡以西が載っている「ユーラシアプレート」、その中間である、日本海側の新潟・糸魚川、柏崎から長野、山梨を経て静岡市、さらに房総半島にかけて、日本列島を東西に分けるように「フィリピン海プレート」に至る「フォッサマグナ」、太平洋側の沖合の千島カムチャッカ海溝、日本海溝、伊豆小笠原海溝に沈み込む「太平洋プレート」と、実に複雑な地質構造(または地体構造)の上に位置しています。それらの地体構造は、日々、僅かずつ日本列島に亀裂を与え続けています。

ユーラシアプレート
大西洋中央海嶺から西日本に至る広いプレートである。西南日本弧のうちの内帯がユーラシアプレート本体である。外帯はフィリピン海溝によって運ばれた珊瑚礁などが南海トラフ・南西諸島海溝に一度沈んだ後、再度、あとから来た珊瑚礁によって押し上げられてユーラシアプレートに付加したものである。
ユーラシアプレートの端がフォッサマグナである。フォッサマグナで北アメリカプレートと接する。フォッサマグナは大断層帯で、西縁は糸魚川静岡構造線、東端は不明である。糸魚川静岡構造線に沿い、飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈が並ぶ。

フィリピン海プレート
出発点となる中央海嶺はないが、南海トラフで沈み込む奇妙な海洋プレートである。赤石山脈、富士・箱根、伊豆半島などを押し上げたプレートである。西南日本弧に沈み込んで、西日本火山帯を形成する。
太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込んで、フィリピン海プレート内部に伊豆小笠原弧の火山列をつくる。伊豆小笠原弧は太平洋プレートの沈み込みによるので、東日本火山帯に含まれる。

太平洋プレート
東太平洋海嶺を始発の中央海嶺とし、千島カムチャツカ海溝・日本海溝・伊豆小笠原海溝などに沈み込む。千島カムチャツカ海溝と日本海溝は、太平洋プレートと北アメリカプレートの境界である。伊豆小笠原海溝は太平洋プレートとフィリピン海プレートとの境界である。これらの境界で、太平洋プレートがもぐり込むが、その時に海溝型の大地震をと巨大津波を起こす。また太平洋プレートのもぐり込むことにより、東日本火山帯がつくられている。

北アメリカプレート
大西洋中央海嶺を始発の中央海嶺とし、フォッサマグナあるいは糸魚川静岡構造線を終点とする。沈み込みのないプレートである。フォッサマグナを終点とすることには異論も多い。東北日本弧はオホーツクプレートという別のプレートが考えられている。
北アメリカプレートは大西洋では海洋プレートだが、北アメリカ大陸では大陸プレートである。終点の沈み込みのない奇妙なプレートである。なお、北アメリカプレートはカリブプレート東縁で沈み込んでプエルトリコ海溝をつくる。
また、オホーツクプレートは巨大地震の震源をつないだだけであり、北アメリカプレートとの相違が明確ではない。

gooブログ地理講義より転載

「能登半島と南海トラフ巨大地震」

能登半島は、ユーラシアプレート上にあります。先にお話ししたように日本列島の静岡以西はユーラシアプレート上にあり、太平洋側ではフィリピン海プレートが、和歌山沖、四国沖、九州南部沖に位置する南海トラフ、南西諸島海溝に沈み込んでいます。

「日本で起こる地震」PDF

https://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/eq_mech/eq_mecha2.pdf

東日本大震災後に相変わらず太平洋側では地震が多発しています。東日本は北米プレートの上にありますから、日本海溝に沈み込むプレートの活動によっての地震です。それが今や日常茶飯事になっています。地震が日常のようになれば、慣れが生じて地震への警戒感が低くなると同時に「危険性が高く」なります。太平洋側で近い将来発生すると思われている「東京首都直下型地震」「北海道・三陸沖後発地震」などには充分な注意が必要です。東日本大震災のように津波を想定できずに「地震後に高台に避難する」ことを忘れることになってしまうのです。批難されるかもしれませんが、僕の故郷である東北の方々は過去の津波災害を教訓としていなかったのです。人間は100年ほど時間が経過すれば、

素人の僕が考えるに、今回の能登半島の地震と東日本沖の太平洋側の地震とは「別な地震活動」と考えます。

しつこいようですが、能登半島はユーラシアプレートの上にあり、静岡以西(近畿、中国、四国、九州)も同じです。ですから能登半島の地震は「南海トラフ巨大地震」の前兆かもしれないのです。

国土交通省・気象庁のサイトには「南海トラフ地震」に関して以下のような記載があります。

 政府の中央防災会議は、科学的に想定される最大クラスの南海トラフ地震(以下、「南海トラフ巨大地震」という)が発生した際の被害想定を実施しています。
 この被害想定によれば、南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。

気象庁サイトより転載

さらに内閣府の防災情報のページには南海トラフ地震による被害想定資料が記載されていますので参照ください。

ネットを検索していたら昨年1月の朝日新聞デジタルに「能登半島の地下水が地殻変動を引き起こしている」という記事がありました。

昨年1月の朝日新聞デジタルには「石川県能登地方で謎の地殻変動が1年続いている。3センチほど隆起した観測点があるほか、震度5弱など震度1以上の地震は70回を超えた。専門家は、地下から上昇してきた水が地殻を膨張させた可能性を指摘する。しかし、仮にそうだとして、その水はどこから来たのか。詳しい原因は不明なままだ。変動が終息に向かう兆候もなく、注視するしかないのが現状だ。

朝日新聞デジタル2022年1月2日付より

「能登半島の異常な地殻変動は何を意味するのか?」

重力異常から見た能登半島北部地域の地塊構造(PDF)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin/64/4/64_235/_pdf

南海トラフ地震が発生すれば、千葉から鹿児島まで東日本大震災以上の被害が発生すると想定されています。

フィリピン海プレートが西日本に沈み込む際にプレート境界面で発生する巨大地震が「南海トラフ3連動地震」です。最悪の場合、東海地震、東南海地震、南海地震の3連動で発生すると予測されています。そのために被害は、房総半島から東京、神奈川、静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、高知、宮崎、鹿児島までという広範囲に及びます。

歴史上、3連動で発生したと思われている地震があります。1854年の「安政東海地震(南海エリアは安政南海地震)」と1707年の「宝永地震(M8.6)」と1605年の「慶長地震(M7.9)」です。

この地震が発生すれば、太平洋沿岸部で震度7の地震に襲われ、これらの地域の発生地に近いところでは1メートルの津波到達まで時間は数分台と予測されています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?